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一 レニ
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「今日もイグナス様はかっこいいわ」
「素敵よね」
王城のメイド達は視線の先にいる騎士を見つめ盛り上がっていた。
その騎士は若いながらに役職を持ち、侯爵家の三男。
騎士団で上役、父親の侯爵当主は幾つかの爵位を持っているから、それを受け継げば爵位が多少落ちても貴族であることに変わりはない。
加えて、顔立ちの整っている彼と結婚できれば、誰もが羨む旦那様を得るー
婚約者の居ない貴族令嬢のメイド達の目当ては、王城勤務という肩書ではなく、結婚相手を探すことのようだった。
「仕事を終わらせてから騒いでほしいわ」
「レニっ!声が大きい…」
きゃあきゃあと騒いでいたメイド達が一斉にこちらを向いた。
「…婚約者がいる方は余裕で羨ましいですわ」
「相手は男爵家の者でしたっけ」
「成り上がりの貴族だったかしら、新参者の」
「あら、貴族の作法はご存知の方なのかしらね。不安ね」
彼女達はお気の毒様とニヤニヤ笑う。
今、メイドの中で婚約者がいるのは伯爵令嬢のレニくらいのものだった。
そのせいなのか、はたまた男に目もくれず仕事に励むせいかはわからないが、他の令嬢からのあたりは強い。
レニの後ろにくっついているミリスも婚約者はいないが、騎士団に仲の良い幼馴染がいるらしい。
メイド達に、幼馴染を使って一度イグナスに会えるように計らってくれと言われ、無理だと断って以降、レニ同様にメイド仲間からの風当たりが強くなった。
レニはミリスと幼馴染の男の振る舞いから、二人は近く婚約するのではないかと思っている。
優しそうにミリスを見守る姿は、レニも自身の婚約者を彷彿させた。
ミリスが明言しないのは、これ以上他のメイド達に嫌がらせの餌を与えたくないのだろうと思っている。
「素敵よね」
王城のメイド達は視線の先にいる騎士を見つめ盛り上がっていた。
その騎士は若いながらに役職を持ち、侯爵家の三男。
騎士団で上役、父親の侯爵当主は幾つかの爵位を持っているから、それを受け継げば爵位が多少落ちても貴族であることに変わりはない。
加えて、顔立ちの整っている彼と結婚できれば、誰もが羨む旦那様を得るー
婚約者の居ない貴族令嬢のメイド達の目当ては、王城勤務という肩書ではなく、結婚相手を探すことのようだった。
「仕事を終わらせてから騒いでほしいわ」
「レニっ!声が大きい…」
きゃあきゃあと騒いでいたメイド達が一斉にこちらを向いた。
「…婚約者がいる方は余裕で羨ましいですわ」
「相手は男爵家の者でしたっけ」
「成り上がりの貴族だったかしら、新参者の」
「あら、貴族の作法はご存知の方なのかしらね。不安ね」
彼女達はお気の毒様とニヤニヤ笑う。
今、メイドの中で婚約者がいるのは伯爵令嬢のレニくらいのものだった。
そのせいなのか、はたまた男に目もくれず仕事に励むせいかはわからないが、他の令嬢からのあたりは強い。
レニの後ろにくっついているミリスも婚約者はいないが、騎士団に仲の良い幼馴染がいるらしい。
メイド達に、幼馴染を使って一度イグナスに会えるように計らってくれと言われ、無理だと断って以降、レニ同様にメイド仲間からの風当たりが強くなった。
レニはミリスと幼馴染の男の振る舞いから、二人は近く婚約するのではないかと思っている。
優しそうにミリスを見守る姿は、レニも自身の婚約者を彷彿させた。
ミリスが明言しないのは、これ以上他のメイド達に嫌がらせの餌を与えたくないのだろうと思っている。
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