画策して堕ちたメイド

基本二度寝

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四 ミリス

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「きゃあ!え?ミリス…?ミリス!」

早朝。まだ人が動き始めるより前の時間に、メイドが倉庫で悲鳴を上げた。
ミリスは備蓄倉庫の中で倒れていた。
外出用の綺麗なワンピースを着崩して、隠すべき場所が顕になった状態で倒れていた。
独特の匂いと、ミリスのそばに落ちていたのは彼女の下着。

ここでなにがあったのか。
ミリスをみつけたメイドはひと目で察した。


「ミリス。大丈夫ですか」
「…メイド長」

ミリスが目を覚したのは医務室のベッドだった。

「…何故貴方はあのような場所に?」

上司の問いにミリスは何も答えなかった。

「貴方の部屋でこのようなものを見つけました」

継ぎ接ぎをだらけの呼出しの手紙。
ミリスは目を見開くが、ふっと視線を逸した。


明らかに事後状態で発見されたミリス。

いや、発見のはミリス自身。
ミリスはそれを他人に発見させるように演じた。
メイド長が差し出した手紙も見つけやすいように部屋の机に置いていた。


昨夜、手紙に書いていた時間に、普段人の出入りがない備蓄倉庫での待ち合わせた。
其処は下働き同士の逢引に使われている事は知っていた。

待ち合わせにイグナスが現れたら、レニは来ないことを説明すれば良い。
上手く自分を売り込むことが出来なくても大丈夫。
夜間に未婚の令嬢と密会していた事を第三者に知られることが出来れば、それを理由に婚約に漕ぎ着けるつもりだった。

事後の現場を作り上げて、あの呼び出しの手紙を利用しようとした。
想定外だったのは、偽装事後が事実になったこと。

ミリスは後からやってきた待ち人に後ろから抱きしめられ、胸を揉みしだかれてそのまま行為に及んだ。
倉庫に明かりがなかったからイグナスはミリスをレニと勘違いしたのだろう。
良い誤算だった。

イグナスがあんなに性急に求めてくるとは思わなかった。
ミリスは声が漏れぬよう口を塞いで初めての痛みに耐えた。
想い人が、イグナスが与える痛みだと思えば耐えられた。



「…相手は誰でしたか?」

メイド長の言葉に、ミリスは答えない。

「…事が大きくなっています。メイドに暴行など…」
「ぼ、暴行!?暴行ではありません」

焦ったミリスは声を荒げた。
彼を犯罪者にするつもりなどない。

ただ、ミリスの純潔を奪った責任を果たしてもらいたい。
メイド長はため息を吐いた。

「合意の上なのですね。あのような場所でなんてことを…。相手は誰ですか」

「相手は…騎士団に所属しているイグナス様、です…」

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