5 / 46
五 結婚後二月 B
しおりを挟む
「隣国の間者が城に入り込んでいた」
間者には逃げられ、後には散乱している書類があった。
機密事項に触れるものはなかったのがせめてもの救いだったが。
縄で縛られた同僚が騎士たちに連れられていく。
彼が城内に手引きしたらしい。
嫉妬渦巻くこの職場で、数少ないボルスターの気のおけない同僚だった。
物腰が柔らかく、気の弱い彼は「家族を人質に取られていた」事を自白し、騎士団が即座に動き、郊外のボロ屋に放置されていた彼の妻と子供を発見した。
家族の無事を聞かされ、同僚は泣いて感謝をした。
が、罪が消える訳ではない。
家族からの嘆願とボルスターから陳情書の提出により、二週間の禁固刑の後、官職の辞任で決着した。
仕事が出来る人材の放出は、痛手だった。
それに、今回のことでやはりクエッカの事が気にかかった。
ボルスターがもし同僚と同じ状況だったならば、彼と同じ行動をとったかもしれない。
「結婚は…はやまったかもしれない」
近くにいた若い補佐官が頷いていた。
「愛情が沸かない嫁でも今回のように人質に取られて何かあれば寝覚めは悪いですよね」
新婚だというのにほとんど家に戻らないボルスターの事を典型的な政略結婚だと思わせている。
敵を欺くにはまず味方から。
「そうだな」と頷いて、去る同僚の仕事を引き継いだ。
間者には逃げられ、後には散乱している書類があった。
機密事項に触れるものはなかったのがせめてもの救いだったが。
縄で縛られた同僚が騎士たちに連れられていく。
彼が城内に手引きしたらしい。
嫉妬渦巻くこの職場で、数少ないボルスターの気のおけない同僚だった。
物腰が柔らかく、気の弱い彼は「家族を人質に取られていた」事を自白し、騎士団が即座に動き、郊外のボロ屋に放置されていた彼の妻と子供を発見した。
家族の無事を聞かされ、同僚は泣いて感謝をした。
が、罪が消える訳ではない。
家族からの嘆願とボルスターから陳情書の提出により、二週間の禁固刑の後、官職の辞任で決着した。
仕事が出来る人材の放出は、痛手だった。
それに、今回のことでやはりクエッカの事が気にかかった。
ボルスターがもし同僚と同じ状況だったならば、彼と同じ行動をとったかもしれない。
「結婚は…はやまったかもしれない」
近くにいた若い補佐官が頷いていた。
「愛情が沸かない嫁でも今回のように人質に取られて何かあれば寝覚めは悪いですよね」
新婚だというのにほとんど家に戻らないボルスターの事を典型的な政略結婚だと思わせている。
敵を欺くにはまず味方から。
「そうだな」と頷いて、去る同僚の仕事を引き継いだ。
105
あなたにおすすめの小説
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。
しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。
本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。
盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。
ローザリンデの第二の人生
梨丸
恋愛
伯爵令嬢、ローザリンデの夫はいつも彼女より仕事を優先させ、彼女を無碍にしている。
彼には今はもういない想い人がいた。
私と結婚したことにいい思いをしていないことは知っていた。
けれど、私の命が懸かっていた時でさえも、彼の精神は変わらなかった。
あなたが愛してくれないのなら、私は勝手に幸せになります。
吹っ切れたローザリンデは自分自身の幸せのために動くことにした。
※投稿してから、誤字脱字などの修正やわかりにくい部分の補足をすることがあります。(話の筋は変わらないのでご安心ください。)
1/10 HOTランキング1位、恋愛3位ありがとうございます!ワッショイ!
愛してしまって、ごめんなさい
oro
恋愛
「貴様とは白い結婚を貫く。必要が無い限り、私の前に姿を現すな。」
初夜に言われたその言葉を、私は忠実に守っていました。
けれど私は赦されない人間です。
最期に貴方の視界に写ってしまうなんて。
※全9話。
毎朝7時に更新致します。
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる