能力持ちの若き夫人は、冷遇夫から去る

基本二度寝

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五 結婚後二月 B

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「隣国の間者が城に入り込んでいた」

間者には逃げられ、後には散乱している書類があった。
機密事項に触れるものはなかったのがせめてもの救いだったが。

縄で縛られた同僚が騎士たちに連れられていく。

彼が城内に手引きしたらしい。

嫉妬渦巻くこの職場で、数少ないボルスターの気のおけない同僚だった。

物腰が柔らかく、気の弱い彼は「家族を人質に取られていた」事を自白し、騎士団が即座に動き、郊外のボロ屋に放置されていた彼の妻と子供を発見した。

家族の無事を聞かされ、同僚は泣いて感謝をした。
が、罪が消える訳ではない。
家族からの嘆願とボルスターから陳情書の提出により、二週間の禁固刑の後、官職の辞任で決着した。

仕事が出来る人材の放出は、痛手だった。

それに、今回のことでやはりクエッカの事が気にかかった。

ボルスターがもし同僚と同じ状況だったならば、彼と同じ行動をとったかもしれない。

「結婚は…はやまったかもしれない」

近くにいた若い補佐官が頷いていた。

「愛情が沸かない嫁でも今回のように人質に取られて何かあれば寝覚めは悪いですよね」

新婚だというのにほとんど家に戻らないボルスターの事を典型的な政略結婚だと思わせている。
敵を欺くにはまず味方から。

「そうだな」と頷いて、去る同僚の仕事を引き継いだ。

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