能力持ちの若き夫人は、冷遇夫から去る

基本二度寝

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七 結婚後六月 B

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結婚式から半年ほど経った。

ボルスターは城に泊まり込み、屋敷には帰れていない。

隣国の間者の件から、城内外の防犯が厳しくなり、一度外に出れば入城のための審査に半日ほど時間を掛ける。
ボルスターの他にも、上司である宰相も同僚も同じ条件にある。

愛妻家の宰相は家族を城内に住まわせてもらうことで、家族水入らずの生活を確保した。

ボルスターも同じようにクエッカを呼ぼうとしたのだが。

「次官は、奥様を城に呼ぶほどに仲がよかったでしたか?」

と若い補佐官につっこまれ、しれっと「建前上」と躱した。

同じ部署内にも間者疑いだけでなく、政敵側の人間がいるかもしれないので気は抜けない。
屋敷でも、ボルスターの胸の内を知るのは家令だけにとどめている位だから、職場の人間に知られるわけにはいかなかった。

実際、家族を城に呼んでいる貴族は、愛妻家と言われる者達だけで、仲のあまり良くない夫婦は、夫が体裁的に呼びつけても、夫人の方が断っている。
外出ができなくなる他に、夫と同じ部屋で過ごさねばならない事が苦痛らしい。

それに…、
クエッカを呼んで、同じ部屋で過ごして何もせずにいられるか…?

想像して、ボルスターは配偶者用の王城滞在申請書を捨てた。
手を出さない自信がなかった。
一度手を出してしまえば、もう手放せない。


狙われるのは人質として機能する人物だけだろう。

ならば、不仲で別居状態の今がクエッカにとって一番安全なはずと結論づけた。

国内の敵にも国外の敵にも、ボルスターの弱点を晒すわけには行かなかった。


家令が、至急にと連絡を寄こしたのはそんな折だった。
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