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三十七 結婚後七月 ?
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民家を出て、歩を進めた。
角を曲がったところで、手中にあった魔法鍵をぶつかった男の懐に忍ばせた。
「すいません」
「気をつけろ」
ぶつかった相手、ガラの悪い男が手を出して、身体を起こすのを手伝ったくれた。
「本人で間違いない。後は任せた」
「りょーかい」
手短に伝えると、相手も理解した。
このまま仕事に向かう。
当主にはなるつもりだが、商才があったようで独自に始めた商売は思ったよりもうまく行っていた。
賊を雇えるほどの利益を出していた。
やはり、実家が貴族という事が信頼性があがるらしい。
仕事仲間や取引先の人間と関わることで、今日の不在証明は確保できる。
急に異母姉が姿を消しても、自分は知らぬで通す。
金はある。
どこかに郊外に家を買い、異母姉を隠して二重生活。
出来るだけ近所に人がいない場所がいい。
山の中などどうか。
静かな環境で子供を育てる。
将来を考え始めると楽しい気持ちになってきた。
「…とんでもないことに、なった」
実家に戻れば、父が頭を抱え、母はその父に縋り責めている。
どうしたのかと、聞けば目の前の封書をこちらに滑らせてきた。
「代理当主を剥奪…?」
「クエッカを、嫁に出した時点でわたしの当主としての権限は失われていた、と書かれている…」
「…遡って、当主として得ていた税金の返還要求、ですか」
「嫌だ!!」
父は駄々をこねるしかできない。
ここに書かれている請求額程度なら自分の財産で支払えるが…。しかし…。
「クエッカを連れ戻す。離縁させクエッカを戻せば、まだもう少し」
「理由は?王命だったのでは?」
「あの女が戻ってこねばっ!私は当主ではなくなるのだ!」
父は代理だが当主という肩書に拘っていた。
愛している女を妻にすれば当主でなくなる。
天秤にかければ父はあっさり妻にすることをあきらめた。
「そうなれば、今度は王家から賠償命令があるでしょうね」
「当主でいられるなら受けて立つ!!」
王家に目をつけられたら、家の存続が危うくなる。
父の望みは矛盾し破綻をしている。
「前当主の血、クエッカの子がいれば問題ないでしょう?赤子を次期当主にすれば」
「もうそんな段階の話ではない!」
父はグシャグシャに丸めた手紙を此方に投げた。
便箋には我が家の家紋が薄く印刷されている。
「この手紙は…?」
「あの女っ!あの女!私の知らぬところで勝手にっ」
便箋を広げ、内容を読んで…、意味を理解する頃、外は夜が明けていた。
異母姉のことを思い出し、慌てて指定した小屋に向かった。
賊がいる小屋に、迎えに行くことを忘れていた異母姉が一人でいる。
よもや、賊が異母姉に手は出していないと思うが、…。
小屋には酒瓶が転がり、床で爆睡している連中。
奥の部屋に囚われているはずの異母姉は…。
扉をあけると、部屋はもぬけの殻だった。
寝台に乱れをみつけ、ここに人がいただろう痕跡はあった。
「異母姉さん…どこに」
シーツを撫でても温もりはなかった。
だが、しっとりと湿り気のある部分を見つけ、躊躇なく匂いを嗅いだ。
異母姉の粗相かと思った。
「違う…異母姉さんじゃない。この、臭いは」
男特有のその臭い。
湿り気のある範囲は思ったよりも広範囲で、どれだけの男が異母姉を使ったのだと想像して目の前が真っ赤になった。
ここにいない。
なら、きっと何処かに売られたのか。
探さねば。
小屋に火を投げ込んで、その場を去った。
角を曲がったところで、手中にあった魔法鍵をぶつかった男の懐に忍ばせた。
「すいません」
「気をつけろ」
ぶつかった相手、ガラの悪い男が手を出して、身体を起こすのを手伝ったくれた。
「本人で間違いない。後は任せた」
「りょーかい」
手短に伝えると、相手も理解した。
このまま仕事に向かう。
当主にはなるつもりだが、商才があったようで独自に始めた商売は思ったよりもうまく行っていた。
賊を雇えるほどの利益を出していた。
やはり、実家が貴族という事が信頼性があがるらしい。
仕事仲間や取引先の人間と関わることで、今日の不在証明は確保できる。
急に異母姉が姿を消しても、自分は知らぬで通す。
金はある。
どこかに郊外に家を買い、異母姉を隠して二重生活。
出来るだけ近所に人がいない場所がいい。
山の中などどうか。
静かな環境で子供を育てる。
将来を考え始めると楽しい気持ちになってきた。
「…とんでもないことに、なった」
実家に戻れば、父が頭を抱え、母はその父に縋り責めている。
どうしたのかと、聞けば目の前の封書をこちらに滑らせてきた。
「代理当主を剥奪…?」
「クエッカを、嫁に出した時点でわたしの当主としての権限は失われていた、と書かれている…」
「…遡って、当主として得ていた税金の返還要求、ですか」
「嫌だ!!」
父は駄々をこねるしかできない。
ここに書かれている請求額程度なら自分の財産で支払えるが…。しかし…。
「クエッカを連れ戻す。離縁させクエッカを戻せば、まだもう少し」
「理由は?王命だったのでは?」
「あの女が戻ってこねばっ!私は当主ではなくなるのだ!」
父は代理だが当主という肩書に拘っていた。
愛している女を妻にすれば当主でなくなる。
天秤にかければ父はあっさり妻にすることをあきらめた。
「そうなれば、今度は王家から賠償命令があるでしょうね」
「当主でいられるなら受けて立つ!!」
王家に目をつけられたら、家の存続が危うくなる。
父の望みは矛盾し破綻をしている。
「前当主の血、クエッカの子がいれば問題ないでしょう?赤子を次期当主にすれば」
「もうそんな段階の話ではない!」
父はグシャグシャに丸めた手紙を此方に投げた。
便箋には我が家の家紋が薄く印刷されている。
「この手紙は…?」
「あの女っ!あの女!私の知らぬところで勝手にっ」
便箋を広げ、内容を読んで…、意味を理解する頃、外は夜が明けていた。
異母姉のことを思い出し、慌てて指定した小屋に向かった。
賊がいる小屋に、迎えに行くことを忘れていた異母姉が一人でいる。
よもや、賊が異母姉に手は出していないと思うが、…。
小屋には酒瓶が転がり、床で爆睡している連中。
奥の部屋に囚われているはずの異母姉は…。
扉をあけると、部屋はもぬけの殻だった。
寝台に乱れをみつけ、ここに人がいただろう痕跡はあった。
「異母姉さん…どこに」
シーツを撫でても温もりはなかった。
だが、しっとりと湿り気のある部分を見つけ、躊躇なく匂いを嗅いだ。
異母姉の粗相かと思った。
「違う…異母姉さんじゃない。この、臭いは」
男特有のその臭い。
湿り気のある範囲は思ったよりも広範囲で、どれだけの男が異母姉を使ったのだと想像して目の前が真っ赤になった。
ここにいない。
なら、きっと何処かに売られたのか。
探さねば。
小屋に火を投げ込んで、その場を去った。
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