王が下した妃の処刑

基本二度寝

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毒蛇を放たれた者

※蛇苦手な方は注意


もぞり。

寝台で眠っていたエリカは、僅かな振動で目が覚めた。
空腹で眠りが浅かったせいかもしれない。
ルーレンヴィアが美味しいご飯を用意してくれた日は朝までよく眠れたのに。

寝台のシーツを撫でた。
揺れの原因を探り、すぐに手に何かが触れた。
上掛けを剥ぎ、それが何かを確認して、エリカは声を上げた。

「美味しくなさそう」

エリカの寝台に居たのは大きな蛇だ。
何処から忍び込んだのか知らないが、エリカの太腿程の太さがある胴体をうねらせている。

は、まだ食べたことがない。
どこかの国では食べられていることもあるらしいが、エリカはまだない。
今の所進んで食べてみたいとも思ったことはなかった。

『美味しくなさそう、が第一声なのは初めてだな』
「…ん?」

エリカはキョロキョロと頭を振って部屋を見渡す。
いつもいる侍女は部屋にはいない。
夜はいつも一人のはずだった。
今夜もそれは同様で…。

『何処みてんだよ』

大きな蛇が動き、エリカに近づく。

「え?貴方…?珍しい!」
『驚かないのか』
「驚いているけど?」

大蛇に怯むことなく、エリカは珍しがって黒く長い身体に触れている。
エリカは大蛇の表情など読めない。そのはずなのに、不服そうな不満そうな、そんな顔をしているようにみえた。

『オレは毒持ちの蛇だぞ』
「そうなの!?自分の毒で死んだりしないの?」
『死ぬか』

エリカは大蛇の胴に頬を寄せて、「冷たくて気持ちいい」と、くっついている。
胡乱な目で、大蛇はエリカを見下ろす。

「毒蛇さんがどうしてここにいるの?迷子?」

いつまでも呑気なエリカに、大蛇の方が疲労を覚え始めた。

『王を騙した罪で、お前は俺に食われるんだよ』
「騙す…?なにを」
『…そうだなぁ、お前にそんな自覚は無いのだろうな』

誰かを騙す、そんな複雑な思考を持っているようには見えない。
少し話をしただけでもわかる。
無知な子供のようだと。身体は立派に成人しているようだけれど。

しかし、大蛇がここにいるのはエリカを食らうため。
狩りに出ることもなく、用意される肉を食らい寝て過ごすだけの生活がここにはあった。
このぬるい生活を守るためには、もせねばならない。

…しかし。
多少愉しんでも文句は言われまい。

大蛇は胴にくっつくエリカの寝間着の裾から頭をつっこんだ。

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