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第60話 アポロ散華 超魔甲闘士アポロ 登場
しおりを挟む「お父様。貴方を倒すしかないというのなら、ここで決着をつけましょう」
その言葉と共にアイディオンとレジリエンスが飛び出すと同時にマルスがパワードスマッシャーを構える。
「3対1なのは構わん。が、これ以上の乱入は避けてもらいたいな」
アポロは腰から取り出し直径1センチほどの球体を真下に落とす。落下した球体は石畳に粉々に砕け散り中からオレンジ色の粒子が放射状に広がり、城塞の敷地内を包む半球型のバリアを形成する。
(これは・・・・サンダーバード達を呼べなくなったのか。それに風のエナジーが入ってこない?何を警戒しているんだ?)
「要はエナジーの檻ってことだろ!バトルフィールドを限定してくれるのは助かる」
レジリエンスは敵の行動に疑念を覚えるがマルスの言う事も正しい。アポロの全身に装備された誘導攻撃端末クラスター・レイは敵の死角からの攻撃する事をコンセプトにしている。その為限定空間ではその効力は薄れる。こちらは『壁際』に立っていれば少なくともその後ろから攻撃される事は無いからだ。
「壁際に沿って散開して各自攻撃を」
アイディオンの指示もそれを見越したものだ。
アポロの反応速度は3人の予想を遥かに超えるスピードで両肩・腰部の攻撃端末計14基を展開し、3人にビームを発射する。
「ああっ」
「うおっ」
「ぐあっ」
ビームは3人に直撃し、そこに3本のクラスター・レイが突っ込み3体の魔甲闘士をかち上げながらフィールドの壁に叩きつける。バリアの壁は触れた物を焼く機能を持っており3人の苦悶の声がバリア内に広がる。
「視界が!?それにうまく立ち上がれない?」
「魔甲闘士の動きを阻害するウイルス、病原菌を仕込む機能がアポロにはあるんです。アイディオンとレジリエンスは抗体を作る機能が備わっていますが、マルスは・・・・」
「そんな物が・・・」
火の四元将アイディオンの鎧に流れる火のエナジーは相手のウイルスを焼き対抗可能なワクチンを生み出す。その為3体の中で最も影響が少なかった。すかさずアイディオンは自身の周りにバリア代わりの炎の渦を生み出す。
(これもお父様の予測の範囲のはず。アポロの弱点なり特性を見出せなければこちらに勝ち目はない。でも風の魔力の供給はこの障壁で断たれている。分析が出来る程の魔力はレジリエンスにもないはず。どうすれば)
打開策を考えるがアイディオンは目の前を縦横無尽に飛び回る攻撃端末のビームや突撃を避け続ける事でその思考も中断せねばならない。他の2人が遅れて立ち上がったのを見るがその動きは精彩を欠いていた。
「なんて速さだ。クラスター・レイは以前の40%以上スピードアップしている。それに加えてビームの威力も桁違いだ。一体どんな調整をしたんだ!」
バンの内部でマルスのバックアップに回っている古川努はコンピューターがアポロの攻撃を受けたマルスの異常を示す数値を見て驚愕の声を上げる。
隣の笠井恵美はそんな同僚を横目で見ながら
「感心している場合じゃないでしょ。ワクチンプログラム注入開始!」
「分かっているよ。だがウイルスの形質は他の2体にも有効だ。こいつは対象のエナジーの流れを阻害する物だ。人間でいう所の動脈硬化を引き起こして機能停止に追い込まれちまう」
「でも所長もそれを見越してそのワクチンを作ったのだから」
「あのな、相手は少なくとも所長と同等の天才だぞ。マルス単体で敵う性能に仕上げてくると思うか?」
「だから見つけるんでしょ。弱点を、突破口を。人が作ったモノなら攻略できないはずがないわ」
「そうだな」
古川はバンのモニターとキーボードを交互に見やりながら作業を進める。
「攻撃を受けてから動きが鈍い?それに視界もぼやける。だが奴の戦闘力はあの端末に依存している。1つでも落とせれば攻撃力は下がる」
「ええ、端末を撃ち落としましょう」
「了解」
ビームの嵐に曝されながらのレジリエンスの判断にアイディオンとマルスも同調する。
(だがそれだけでは駄目だ。そう言えば奴はどうやって周囲を確認しているんだ?以前から奴の体からは探知を司る風のエナジー反応が感じられない)
レジリエンスは攻撃を躱しながらマルスに近づくと
「ケイ、アポロには何のセンサーがあるか笠井さん達に聞いてくれ」
「やりますけど、それまで生きてますかね、これ!?」
クラスター・レイのスピードはこの戦いの合間にも速くなっていく。加えてアポロ自身の両腕と額に備わったクラスター・レイからもビームが容赦なく迫る。
「いくら速かろうがビームってのは直線なんだよ!」
マルスはADプレートを飛ばすとパワードスマッシャーでその鏡面を撃ち、拡散させる。バリア内部に無数の光の帯が走りアポロの端末の一部は撃ち落とされ、一部は被弾を避ける為その動きを止めざるを得ない。そこにアイディオンはフロギストンを叩き込む。が、直撃する寸前でその炎が凍り砕け散る。クラスター・レイの第2の機能、それは熱線だけでなくあらゆるものを消し去る極低温の冷凍光線である。それはレジリエンスのトイコスやアイディオンが防御膜代わりにまとっていた炎の渦も凍結させ使い物にならなくしてしまう。
「このアポロが火と水の2属性を持っている事を忘れていたな?さらにはこんな芸当も出来る」
残ったクラスター・レイを射出し、熱線と冷凍光線を同時に浴びせかける。
その極端な温度差によってADプレートは粉々に砕け散る。
「達人さん、解析出ましたよ。ヤツは一種のサーモグラフィーで外部の動きを見ているようです」
「分かった」
(そうか。だから奴はこんなフィールドを作ったのか。後はレジリエンスの耐久力に賭けるしかない。持ってくれよ)
レジリエンスは最も激しい攻撃に晒されているアイディオンを突き飛ばす形でその攻撃を受ける。青白い炎を上げる剣フレイム・キャリバーを円を描くように振り回して冷凍液を、左手で水のエナジーを丸盾状にしたカスレフティス(ギリシア語で鏡の意)で熱線を防ぐがどちらも攻撃側の威力が勝り、炎の剣は凍り付いてバラバラに、鏡の盾も高熱で蒸発した。
「健気な事だな。だがそろそろ限界のはずだ。フ、もう消滅してしまったか。実験の為に試作機とは言え頑丈に造っていたのだがな」
アイディオンのフルフェイスヘルメットの中でエリクシリオは父がいきなりとんでもない事を言い出した事に一瞬固まった。レジリエンスは彼の目の前に今まさに突っ込んでいっているのだ。レジリエンスは両腕に竜巻を発生させそれで交互に殴りつけるのを見てエリクシリオは自失から目覚め火球をマルスのパワードスマッシャーに合わせて撃つ。レジリエンスは体を沈み込ませてそれらを避け、熱線と火球を受けて後退するアポロに竜巻のコークスクリューを撃ち込み吹き飛ばした。
「グっ、どうした事だ!?今になってレジリエンスが現れるとは?透明化の魔法を使った形跡はなかったぞ!?」
「ずっと疑問だった。アポロが水と火の要素だけでどうやって情報伝達を司る風の無い状態で外界を見ているか。そしてこのフィアポロは一種のサーモグラフィー、つまり外界の事物を熱感知で把握していた」
「しかし、それだけでは説明になりませんよ。サーモグラフィーは温度差による空気の層もみれるんですから」
「そう。だがこのフィールドには外部から風は入ってこない仕組みになっている。それは」
「気づいたか。このアポロはマルス、君の言う様な芸当は出来ぬ。ただ温度の高低差のみを感知できる。風のエレメンタルエナジーは火のエナジーをつまりは熱を拡散させる特性上これをレジリエンスに気付かれると私は外部を視認できなるのでな」
ゆっくりとアポロが起き上がる。
「だがフィールド内部でも風を起こす手段があった。高熱と冷凍光線による温度差で対流ができ風が吹いた。それを吸収させてもらったのさ。そして予測通りレジリエンスの鎧の熱を風のエナジーが拡散した事で疑似的にアポロから見えなくなったという訳だ」
「つまり4属性を操るレジリエンスしか出来ぬ芸当だ。そしてそれに気が付いた装着者には素直に称賛を送ろう。だが」
突然アポロの上半身が燃え上がると炎の竜となり残った下半身は水で出来た虎になる。
「ウッ、なんだその姿は!?」
「まさかアポロの全ての力を見せる事になろうとは。だがそれでこそ新時代を築くに相応しい新人類の証だ。さあこれをどう捌くかね?」
その言葉が終わると同時に火の竜は消え失せる。否、超音速でフィールドを駆け巡りレジリエンスらを吹き飛ばし、落下する間もなく水の虎がその牙と爪で彼らの装甲を容赦なく削りとる。当然、高温と低温による急激な温度変化付きである。
「大丈夫か?」
「何とかまだ動きますが・・・」
「こちらももう何度も耐えられません。しかし必ず弱点があるはず」
再び元のアポロの姿に戻った竜と虎を見据えながら3人は立ち上がった。
逆転の一手を掴むために。
「弱点か。確かにあるとも。だがそれを見つけられるかな?・・・・ム」
効果時間切れで半球じょうのフィールドバリアーが消滅する。
(スピードならスピードで・・・)
レジリエンスはサンダーバードを呼び出し、サンダーナイトへと合身すると超高速移動でアポロへ突進。まだハイパー・ノテロスの負荷の影響でこれ以上の上の形態への合身は不可能だった。
「なるほど。だが対策済みだ」
アポロは体を液状化水の虎へとその体を変化させその突進を無力化する。
大量の水蒸気を立ち昇らせながらアポロの体を透過していくサンダーナイト。『すまん、タツト限界だ』
『後は任せろ』
サンダーバードは限界を迎え分離し一拍遅れてアイディオンが『スピーサ』を唱え電光が水の塊となったアポロを襲う。だがそれより早くアポロの体は燃え盛る火の竜となり電撃を無効化してしまう。
「くッ」
兜の内側で唇を噛むエリクシリオに元の状態へ戻ったアポロは
「その2つの鎧を作ったのは私だ。それがどんな機能を持っているのかも知っている。そして人間を捨てた私の反応速度にお前達がついてこられるはずがない。どうだ?ここらで降参して共に理想社会を作らないか?誰もが己の力を理解しているがゆえに誰かを妬んだり超えようなどとはしない、争いのない平和な理想社会を」
「あんた方が残そうとする人類にもそういう心があると思うがな」
サンダーナイトの反論に
「フ、そうだとしても排除は簡単だ。そういう思考を持つ人間は極めて限られるのだからな。最もその人間達は支配階級故にそんな気は起こそうともしないだろうがな」
「どういうことだ?」
「つまり、最初から考えられなくすればいい。そういう連中を今君達も見てきたはずだ」
マルスの問いにアポロはさも当然といったように返す。
「UMA化やハスカールはその為の物なのか」
「基本的な精神構造はアトランティス人も現生人類も変わらん。持たざる者を蔑み、強者つまり持つ者に媚びへつらう。私はアトランティス人だったが魔法が使えなかった。だから技術によって社会を変えようとした。その夢にあと一歩の所で届くのだ。この気持ちがエリクシリオ、お前には分かるまい」
「ご自分の矛盾に気付かないのですか?お父様も排除される側の人間なのですよ。その今までの努力を否定するのがあなたの理想社会なのだと何故わからないのですか?」
「だが最上の世界だ。これ以上の変革など必要のない世界だ。この時の為に人類の歴史があったのだと言えるほどのな」
「それは違う。誰かが誰かを支配する構造が変わらない限りは同じことが繰り返されるだけだ。俺は俺の支配者であればいい。そして俺は自分の運命に感謝している。一つでも違っていたら俺はここにはいない」
「私達が魔法を使えるのは支配ではなく人と自然の声を伝える為です。その事をお父様は、魔法が使えぬ人々は私達に教える為に存在しているのだとあの時気づくべきでした。ですから今その本来の役目を私は果たします」
「人が自然との適切な距離と理解をしてこそ本当の文明だというのなら僕は!」
レジリエンス、アイディオンそしてマルスの決意に
「正しい者が最後には勝つ。私を倒してそれを証明して見せろ!出来るのならな!」
そのアポロの感情の激発に答えるように残った全ての端末を分離させ、3人へビームを浴びせると彼らの武器をことごとく狙撃、破壊。同時にその体を火の竜と水の虎へと分離する。
「エリクシリオ、あれを見ましたか?」
「ええ。あれは恐らく・・・」
超高速で突っ込む竜の真下と目の前に突如として火柱が上がる
「エリイがこんな搦め手を使ってくるだと!?」
父としては娘のこの変化に驚かざるを得ない。だがそんな事では動き出した体は止まらずレジリエンスとアイディオンを吹き飛ばす。吹き飛ばされた2体は全身の鎧を高熱で溶かされながら建物の壁に激突する。
「父さん力を貸してくれ。ちゃんと動けよ、マルス!」
ケイはウイルスの影響で震えるマルスの腕を強引にベルト中央に持っていき、スイッチを押す。
各部装甲が弾け飛び頭部以外からエレメンタル・エナジーの光が噴き出し、アルトマルスへと変化すると噴き出したエナジーをバリアにしてこちらへ飛び掛かってきた水の虎の突進を防ぐ。
「よし!!アルトマルスの高出力エナジーがワクチンプログラムを強化したぞ。マルスはこれで完全に自由だ」
古川は小躍りしながら
「ケイ、敵の分析結果を伝える。いいか、鎧の形質が変化しようが全く反応が変わらない場所がある。そこが制御装置だ。残念ながらここからでは正確な位置は分からんがアルトマルスのセンサーならば発見できるはずだ」
「了解!!ならばこれでどうだ!」
こちらに突っ込んで来た水の虎へバリアのエナジーを解除し拳に集中、レジリエンスとアイディオンを襲う竜目掛けてへ押しやる。
吹き飛ばされた虎は竜の背中に激突し、火と水の荒れ狂う中に全く違う光を放つ小さな球状の物が現れその部分がエネルギー体を思わせるアポロの頭部へと変わっていく。
「しまった!?魔力の均衡が崩れて復元が遅れている!?」
「やはり・・・あれはお父様の魂その物。アポロの体には強力な火と水の魔力が流れている。魔法は精神力魂の力であればいずれその魔力に呑まれてしまう。だから火と水という属性の反発力で魂を守っていた」
「サンダーナイトの突進を躱すだけなら火の竜だけでいい。だがそうなると体内のエナジー均衡が崩れてしまうから一見無意味に見える水の虎へと変化せざるを得なかった?」
レジリエンスにアイディオンは頷く。
(アンプリファイアは無事か。両腕は無くとも足がある)
レジリエンスは両肩先端のエレメンタル・アンプリファイア2つを三角形に展開し、両足に接続し飛び上がる。
両脚を揃えて放つ炎の跳び蹴りは火炎の形を羽ばたく火の鳥に変えてアポロへ突っ込んでいく。
「私も、これで」
レジリエンス同様にアイディオンも両足を炎の鳥へ変えて飛び蹴りを放つ。
「この出力ならいけるだろッ」
アルトマルスもエナジーを集中させた右足で飛びまわし蹴りをアポロに叩き込む。
三方向からの渾身の攻撃を魂その物に受けてアポロは大爆発を起こす。
「何ッ!?」
3人は驚愕する。爆炎の中全身の装甲を喪失し青白い骨格のみになったアポロが悪霊の様に佇んでいたからである。だがそれもつかの間、骨格は干からびる様に色を喪失し砂となって足から崩れ落ちていく
「まぎれもない強者達よ・・・だがお前達の理‥想・・もいず・・・れ」
呪詛の言葉を最後まで言い切る事無く骨格は砂の山と化していった。
「そうでしょうね、お父様。私達の理想もまた古くなり、新しい世に相応しい理想にとって代わられる。でもそれが世代を重ねるという事。託すという事。何千年と生きる私達に出来なかった事です」
月が顔を出し、日が沈む空を見ながらエリクシリオは悲し気に呟いた。
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