魔甲闘士レジリエンス

紀之

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第16話 蜘蛛の迷宮(前編) 蜘蛛型UMAチバ・フーフィ 登場

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 文明存続委員会・ティブロンの秘密の部屋

この部屋は文明存続委員会内部、黒川博士も知らぬ特別な部屋である。

今椅子と机、そして鎧がそれぞれ1つしかない殺風景なこの部屋でティブロンが誰かと話していた。

その様子を何も知らぬ者が見れば彼がその正面に置いた殆どの装甲を喪失し朽ち果てた火の四元将アイディオンへ向けて話しかけているようにしか見えない。

事実彼は何かの比喩ではなくそうしていたのであったが、この鎧は別の鎧との通信機としての役割を担っていたのだった。

「何?アゲシラオス博士に娘が居ただと?」

「私も偶然遭遇したのです。恐らく彼女は異世界生まれのようです。でなければこちら側の事象に一々動揺したりはしますまい」

「となればあの地獄の様な世界で生きていくために四元将かそれに類する物を集めている訳だな」

ティブロンは異世界の空と大地を思い浮かべながら、あの場所で覇権を握る為の最善かつ最短距離たる方法はそれしかないと思っていた。

あの中にある技術は一つでも生活環境なり軍事力なりを飛躍的に増大させ得るモノなのだ。

逆にその程度の展望しかない人物に超兵器たる四元将は過ぎた物でしかない。

物には然るべき使い方があり、それができるのは自分だけだという自負がティブロンにはある。

「奴がどこに行ったか分かるか?」

「そこまでは。ただ四元将とよく似た鎧を着た男と一緒でしたが」

「いや、それで居場所は分かる。その情報お前の組織の構成員は知っているのか?」

「もちろん。ですがそれには何も興味を示さないでしょう。銘々が好き勝手な研究をしているのが我がEスリーですから」

「なるほど。それでよく組織として纏まっていられる。お前の目標は達成できんだろう」

「ご忠告ありがとうございます。ですが私には私の、主人には主人のやり方がありますゆえ」

そう言うと苦しそうな息遣いと共にアイディオンからの声は若い女性から老婆のそれへと変わって途絶える。

(テオドラめ。焦りすぎているな。そのおかげでこちらが助かっている所もあるのだが。奴の力で私も生き永らえているが果たしてどこまで持つか)

かつての奴隷頭の暗躍によって世界は今環境テロリスト集団Eスリーにヘイトを向けつつあった。彼らの急進的なやり方を嫌って文明存続委員会の様な『穏健』な組織への賛同が集まるのは都合が良かった。

「しかし困った事になった。こと異世界側の住人の手に四元将が渡るのは世界に変革を起こす事にはならない。アゲシラオスの娘もまだ新宿の1件から1夜明けた程度ならばまだ八重島家に居るはず。ならば」

果たして探知魔法でティブロンの予測通りアトランティス人らしき人間のそれも強力な魔法使いの反応があった。この部屋と距離がある為これ以上の詳細は分からない。

それでも相手に悟られずに次元移動を妨害することくらいはティブロンには容易い事だった。

「ではテオドラ、一つ相談があるのだが」



そのような陰謀をつゆ知らないエリクシリオは次元の扉が開かないのは前日のバノプリアの1件と結び付けて納得する事にした。風に乗って流れてくる黒い塵はここf市にも届いていたのだった。

「じゃあ、暫く帰れないってこと?」

「そうなりますね。四元素の均衡が著しく崩れているという事の表れだと思います。ただそうなると」

「気にしなさんな。人1人くらい増えてもどうってことはないよ。ずっと帰れない訳ではないんだろう?」

申し訳なさそうに俯くエリクシリオを家の主、八重島修一郎が慰める。

「それはそうだと思いますが」

「達人君を救ってくれたお礼だと思ってくれればいいわ」

八重島梓が笑顔でそう言うとエリクシリオの顔は少しだけ晴れる。

「そうですね。そう考えると少しだけ気持ちが救われます」

「それならさ、エリクシリオさん。私と一緒に必要な物を買いに行こうよ。いつまで居られるか分からないけど、長期滞在する事になったら必要な物も出てくるだろうし」

「何を買うのか知らないが、余り彼女にカルチャーショックを与えるなよ」

八重島紗良の提案に修一郎が釘を刺す。

「そんな大げさなものを買う訳じゃないって。日常で使える服とかだから」

「服…ですか!?」

「あれ、そんなに驚く事?」

絶句して目を丸くしているエリクシリオを見て修一郎は紗良に耳打ちする。

(恐らく彼女にとって服を買う事は俺達が外車を買うのと同じ事だからな)

(ウソでしょ!?何でそんな事が分るのよ)

(伊達に考古学やっている訳じゃない)

修一郎は彼女の話す言語がかなり古い音韻がある事から彼女の正体が古代人の末裔で有るというにわかには受け入れがたい事実を認めざるを得ない様な気がしてならなかった。

アトランティス大陸

黒川博士が実在を信じていたあのオカルトも彼女やあの神秘の輝きを放つ鎧を見れば現実の物の様に思えてくるのだ。

しかし高貴なる青い血の持ち主は赤い血の人間の100倍もの寿命を持つという黒川博士の言説まではさすがに信用していない。

それは目の前の不老長寿の秘薬の名を持つ女性を見れば自分達とそう変わらない感性を持っているようにしか見えないのも拍車をかけていた。

その感覚で数千年を生きるのはどう考えても地獄でしかない様な気がするのだ。


その翌日

日曜日で快晴という絶好の行楽日和に紗良とエリクシリオはf市に程近いショッピングモールへとやって来ていた。

女同士でしか分からない事があるからと達人に男子禁制を言い渡した紗良は彼があまり残念そうな顔をしない事に不思議と安堵するとモールへの道を進むにつれて同時に不安も募って来た。

(アイツにボディーガードとして来てもらえばよかった)

達人はどこかへ朝早く出かけて行ってしまっていたのだ。

隣の女性はなにしろ目立つ。

堂々とした立ち居振る舞いや変わった服もそうだがそれを絶世の美女が着れば外国のファッションモデルのプロモーションといっても十分すぎるほど通用するのだ。

当然妙な輩も絡んでくる。

数人の男達がニヤニヤ笑いながら「お茶しない?」と声を掛けてきたのだ。

当初エリクシリオはキョトンとした顔で彼らの顔を見つめていたが右拳をパッと開くと同時にその男達をあっという間にモールの最上階の高さまで浮かせてしまった。

一連の出来事に男達も通行人も驚き、悲鳴を上げる者、動画を撮る者もいたがその張本人は何事もなかったかのように紗良に案内を乞うのだった。

「あの人達大丈夫なんですか?あのままにして」

「時間が経てば元に戻りますよ」

笑顔でそういう彼女に何が元に戻るのかは怖くて紗良には聞けなかった。

何より出発前万が一があるといけないからと謎の空間に例のバノプリアの入った箱を押し込んだのを見ていた事もあって、この人に出来ない事は何もないんじゃないかという憧れに似た気持ちが今はうっすらと恐怖に代わっていくのを否定できなかった。

「この建物はすごいですね。石作りなのに温かみがあって、照明もふんだんに使われている」

「エリクシリオさんは建築に興味があるの?」

モールの建物に入るなり感動に声を震わせるエリクシリオに紗良は尋ねる。

「ここにあるもので興味を引かない物はありませんよ」

「そ、そう?それじゃあ予定通りまずは服を見に行こう」

彼女の興味関心に自分が答える事のできる事は殆ど無いと思った紗良は数少ないその説明が出来そうな場所へと案内した。

その途中エリクシリオは多くの店舗の数とその種類に圧倒され、上階へ上がるエスカレーターをまるで激流を渡る旅人の様に決死の形相で流れていく板の上に足を乗せて無事に2階へ上がりきって安堵の表情を浮かべる様も映画の1シーンのような絵になる図だった。

目的の服飾店は以前達人と来たあの量販店だった。

そこには紗良の見知った顔もいた。

竹山さゆみと松川かおりである。

「あれ、紗良じゃん。てか隣の人は誰?外人モデルの知り合いとかいたの!?」

「かおり、あんまり騒ぐと迷惑だよ。すみません、私は竹山さゆみです。紗良の友人です」

「あたしは松川かおり。同じく紗良の友達です」

「エリクシリオと申します。訳あって紗良さんとそのご家族に色々と良くして頂いています」

「・・・なんていうか本物のセレブっていうのを見た気がする」
「だね。育ちとか生まれとか全然違うっていうか。どこで知り合ったのよ」

さゆみの最後の言葉は紗良にしか聞こえないほどの小さなものだった。

「いやまあ色々とね」

まさか自分もよく分かっていないとは言えなかった。



同時刻

達人は生き別れた母親探しの為普段より遠い地域へと足を延ばしていた。

そこは電車で30分ほどの距離だったが、そこに既視感を感じて殆ど衝動的に降りていた。

朧げな記憶にある街並みであって確信はない。

(だが、確かにここの様な気がする)

首に下げたペンダントの重みを感じながら足の向くまま住宅街に入る。

そこには猫の額ほどの小さな公園があった。

申し訳程度の砂場と滑り台しかないが近隣の子供にとっては貴重な遊び場だ。

(ッ!?)

そこに居た。

小さな子供とその砂場で遊んでいる、自分の母親が。

雷に打たれたように暫く立ち竦んでいた達人に2人は気が付く事は無く笑顔で遊んでいた。

彼もまた声を掛ける事なく足早にその場を後にするしかなかった。

いくつも言い訳を自分の中で木霊させながらも結局声を掛ける勇気が出なかったのだった。

「凄い顔をしているな」

カーブミラーに写った自分の顔を見て自嘲気味に笑う。

理由は単純で、母親の笑顔を彼は見た事が無かった。

それを自分の知らない人間に向けられているのが気に入らない。

そしてこんな顔を見られたくなかったというのも逃げてきた理由の1つだった。

嫌な事があったらさ、楽しい事を考えればいいんだよ。

いつか紗良に言われた言葉が頭をよぎるがその楽しい事は何も思いつかない

「俺は・・・・空っぽでなんて醜いんだ」

あんな小さな子供に嫉妬して、そしてそこからの逃避であってもそう言った楽しみを見つけられない。あるのは自分自身に課した戦いだけだった。



f市ショッピングモール警備室

モール内の監視カメラ等を制御するこの部屋であくびを噛み殺しながら1人の警備員がいくつものカメラから送られる映像を見ていた。

「日曜日で人が多いとはいえ、何事も無しか。それがまあ普通だけどな。それにしてもあいつ遅いな」

だが彼はその普通を破る事態が自分の背後で起きている事に全く気が付かなかった。

部屋の背後にあるバックヤードには茶色の卵嚢があちこちに産み付けられておりそこから飛び出した黄色い3歳児くらいの子蜘蛛が蠢いていた。その足元には緑色の何かの体液がかかった警備員の服が散乱していた。

そして子蜘蛛らは口から吐く溶解液でドアを溶かすと音もなく最後の獲物へと忍び寄っていった。


「ウーム、何着ても似合うとか反則じゃね?」

松川かおりの評に口にこそ出さないが他の現代人2人も同意していた。

つい先ほどから彼女ら3人はエリクシリオの服を見立てていた。

このようなシチュエーションでよくある、本人よりも周りが盛り上がっており、エリクシリオはもう何着もの服を試着していた。

(これはどんな素材で出来ているのでしょうか)

試着にかなりの時間が経っているのは着替えではなく、服の素材やその仕立て方にエリクシリオが興味を持って試着室の中で検分している為でもある。

(戻ったら向こうでもこういう物を作りたい)

そんな思いからだった。

明らかに獣毛や麻ではない不思議な素材はポリエステルというらしいが彼女にとって不思議でならないのはそれが分かってもそのポリエステルをどう作るのかという点については誰も知らないばかりか興味もないらしい事だった。

そろそろ買う物を決めようか、と思い赤いサマーセーターと白のスカートを選び会計を済ませた直後フッと明かりが消えた。

「あれ、停電?」

「ここだけじゃない。どこも明かりがついてないよ」

「こういう事は稀なのですか?」

エリクシリオは事態の容易ならざる事を周囲のざわめきから推測した。

「停電自体殆どないですよ。それどころかここでは初めてじゃないかな」

「ま、すぐに復旧するでしょ」

だがかおりのその見解は5分経ち15分も過ぎてくると楽観的過ぎるのではないかという疑問になり、遂にスマホの時計で1時間もこの状態が続くともはや状況の改善は絶望的と思われ始めた。

自然客足は出口に向かっていく事になるがエレベーターもエスカレーターも停止し、薄暗い階段を下りる為にその周辺は混雑していた。
「ねえ、何かおかしくない?電波届いていないんだけど」

さゆみがスマホを見せる。それはかおりと紗良の2人も同じだった。Wi-Fiもモバイルデータも不通とは到底考えられない事ではある。

「これってもしかしてヤバい奴なんじゃ・・・エリクシリオさんどうしたんですか?」

「何かの・・・・人間以外の足音が聞こえませんか?」

「何かって?」

紗良の言葉は悲鳴によってかき消される。同時に何かの気配を感知したエリクシリオが右手をサッと上げる。何かを切り裂く音と同時に真っ二つになった物が4人の輪の中に落ちる。

エリクシリオの手にはどこからか取り出した短い杖が握られておりそこから細く青白い炎の剣が伸びていた。

「えっ、ナニコレ・・・蜘蛛?」

「大きすぎない?」

「ここにもいるのか!?どうなっているんだ、ここは!?」

階段を上って来た人々が恐怖と絶望で青ざめた顔で立ちすくむのを見てエリクシリオは

「外の状況はどうなっていますか?」

「出られないんだ。外が見えているのに自動ドアを出たらその最初の奴がどこかへ消えちまったんだ。それと同時に化け物蜘蛛共が襲い掛かって来てッ!?」

男性の言葉を裏打ちするように目の前にいきなり1匹の蜘蛛が現れる。

間髪入れずにエリクシリオが剣を突き出すがその刃は蜘蛛の手前で消失した。

「痛ッ!これは一体?」

エリクシリオは背後から自分の剣が自らの髪と右腕を焼いているを見て炎の剣をかき消した。

「エリクシリオさん!?」

「かすり傷です。それよりもここの人達を集めましょう。バラバラにいる事は危険です。私達は異空間に完全に閉じ込められたようです」

飛び掛かってくる蜘蛛を躱しながらもエリクシリオは人々を下がらせて自身は前に出る。

蜘蛛は戦い慣れしていないのか隙だらけではあるのだが先ほどの1件でうかつな攻撃は自分や他の人々を傷つけかねない。

蜘蛛はその八本足と口を大きく広げ、再度飛び掛かる。

蜘蛛との距離を十分に引き付けたエリクシリオは体を屈ませながらその口目掛け青白い小さな火球を高速で撃ち出した。

蜘蛛は口内に入った火炎で内部から炎上しながら彼女の頭上を通り過ぎる。最後の抵抗と言わんばかりにその足で彼女の頬を切り裂きながら。

「流石に体内の空間までは操作できないようですね。しかし・・・汚らわしい」

顔をしかめながら傷口を拭いつつ紗良達に合流すべく先を急ぐ。

「さて、どうしたものでしょうか」

「中に入りゃいいだろ」

ショッピングモールの向かいの建物の屋上に転移してきたフライング・ヒューマノイドが思案している後ろからナウエリトが声を掛ける。

「イエティは?」

「あいつは遅れるとさ。部下の仲裁で忙しいらしいな」

「貴方はどうなのです?」

「俺は部下だのはガラじゃねえ。それで中に入らないのか」

色々と惜しいとフライング・ヒューマノイドは思う。

ナウエリトは粗暴な言動こそあるが面倒見も良いし高い能力もある。

補佐をしっかりすれば良い指導者になり得ると思っていた。

「では百聞は一見に如かずという事で」

フライング・ヒューマノイドは下半身を円盤型に変形させるとショッピングモールへ向かって飛び立つ。
するとモール手前の街路樹付近でその姿が消えた。

「判りましたか?」

「どうなってんだ、こりゃ」

ナウエリトは頭上からの声に驚く。

「後学の為に見せておきたかったんですよ。チバ・フーフィーの異空間のゆりかごをね。これ程見事なのは私も初めてですがね」

ナウエリトの目の前に降り立ちながらフライング・ヒューマノイドはまるで生徒に講義を行う教師の様に説明を始める。

「チバ・フーフィは蜘蛛の進化体でしてね。繁殖の為とりわけ子供のエサと安全の確保の為に一定範囲の空間を特殊なバリアーで覆った巣を作るのです。このバリアー内では彼女の意思で入り口と出口を自由に設定可能という、獲物にとってはいわば空間の連続性が絶たれた脱出不能の迷宮となるのです」

「じゃあ、さっき入れなかったのは俺達が拒絶されているってことか」

「その通り。どうやら産卵直後で気が立っているようですね」

「しかし、凄えな。見た目には何も変わっちゃいない。俺達はバリアーエナジーを感じ取る事が出来るがそれが出来ない人間共はただエサになるのを待つのみか。えげつねえ」

今も何も知らない乗用車がモールの駐車場へ入ろうと敷地内つまりバリアー内に入り込んだ瞬間どこかへ消えたと思うと空から落下して走行中の別の車に直撃し爆発炎上した。

同時にモールの周囲を歩く人々も次々に消えていく。

その異常さに気が付いてスマホを手に取る人が多くなってくる。

電話をする者や動画や写真を撮り始める者まで現れた。

この時点でチバ・フーフィが巣を作って時間にして既に3時間が経とうとしていた。

「ようやく人間共も異常に気が付いたようですね」

「どうする?レジリエンスを迎え撃つか?奴は来るぞ」

「どうもバリアー範囲が徐々に広がっていますね。今回はUMAのよしみで特別外に出してもらえましたがね。次もし巣の内側に入ったら我々とて脱出不可能です。それは避けたい」

「結局見捨てるってことかよ」

「連中が突破口を見出さない限りは対処不能ですよ。少し落ち着いたら話し合いもできるでしょう。とにかく彼女らを信じるしかないですね」

フライング・ヒューマノイドはナウエリトを慰めながら転移していく。

それに続いて彼もまた名残惜しそうにモールを振り返りつつ転移穴を落ちていくのだった。
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