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第7話 謎の女性

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大学から帰って来て、玄関を開けると柔らかい感触があるかと思えば抱きつかれていた。
「おかえり、ハルト」
柔らかなそれは豊満な胸で、すらっとした体型。聞き惚れる様な声。更に顔立が整っている金髪の女性。
やばい、可愛い。
「待ってたのよ?」
「あ、あの。人違いでは?」
「いいえ、貴方で会っているわ。ほら、よく見て?」
彼女に言われた通り目を見つめる。
見惚れていると突然。
「あ!ハルトッ!騙されるな!そいつはシュキルだぞ!」
「え?」
「もうっ。サタン様どうして邪魔するんですか?」
「シュキルさん?」
ハッと思い出した。
「サキュバス!?」
「そうよ?私はサキュバスです。最初に言ってなかったかしら」
「言ってないですよ!てか、目のやり場に困るので元に戻って欲しいのですが」
「シュキル、元に戻れ」
すると気がつくといつものシュキルに戻っていた。
「サタン様がいうので戻しましたが」
「何故、姿を変えた?俺が嫌っているのは知っているだろう?」
「説明致しますので、お二人とも座って下さい」
促され居間に座る。
「で?」
「急かさないで下さい。先ず、そろそろ探りを入れたいと思いまして。この世界の住人に馴染んで外に偵察に行こうと、始めにハルトさんを洗脳しようかと至りました。」
「さらっと怖い事言われたんだが」
「洗脳しなくても、こいつに頼めば良いではないか」
「洗脳が色々楽なんです」
「洗脳洗脳言わないでほしいんだが」
「まぁ、でもどうやらハルトさんには効かないみたいですね。何故でしょうかね?」
「だそうだ。良かったな」
「まぁ、結果的にはな。だが納得できねぇー」
「では、ハルトさん。改めて、外に偵察を一緒に来てくれませんでしょうか?」
「わかった。とりあえず、サタン用に買った服着てからな」
「分かりました。しかし、いつ勇者が現れてもいい様に先程の姿に変えますが宜しいでしょうか?」
「しょうがないから、許可しよう」
「とりあえず大丈夫だから、着て来て下さい」
そしてその後、3人で街を歩き回り広場で遊ぶ事になった。

ーーーー

「鬼ごっこ?」
「1人が鬼で他は捕まらない様に逃げるんだ」
「では、ここは魔王である俺が鬼になろう」
「じゃあ、10数えてから追いかけてくれ」
「ふむ。じゃあ、いくぞ。1、2…10」
数え終わると晴人の方へ向かってくる。
それも人ならざるスピードで。
「卑怯だぞっ!」
「どこがだ?ほれ、捕まえた。」
ものの数秒で捕まえられた。
残るはシュキル。
2人して速い。
そしてどうやらシュキルの方が速いらしく、差が縮まる気配がない。
そして、特にシュキルが目立って仕方ない。
胸を揺らしながらあのスピード。
そしてそのまま、5分間走り続け痺れを切らしたサタンがある行動に出た。
「はぁっはぁ。シュキル、動くな。命令だ」
するとピタッとシュキルが動きを止めた。
その後すかさず、サタンがタッチする。
「終わったな。」
「サタン様ずるいのではないでしょうか?」
「まあ、2人が楽しめてなによりで」

その後、家に帰ると2人は爆睡していた。
シュキルは気づいたら元に戻っていた。
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