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七廻目 誰が為に
第147話 情報収集
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「――え? 蛍さんのことをどう思ってるかって?」
「ええ」
定期健診の時間。俺は星菜のことをどう思っているのかと単刀直入に聞いていた。
あまりにもストレートな言い方だったからか、斎場は困ったように唸る。
「う~ん、あんまりプライベートなことを言うつもりはないんだけどねえ。……あ、でも烏野さんは彼女と仲良いよね?」
「そうでもないですよ」
「またまた、謙遜しなくていいよ。あ、そうだ。ここだけの話、協力してくれないかな?」
斎場の気配が近付き、周りを気にするような囁き声に変わった。
「協力?」
「いやー、蛍さんって意外とガード固くてねえ。彼女のことは前から狙ってるんだけど、なかなかOKしてもらえないんだよ。結構信用されてると思うんだけど、好きな人がいるからって上手いこと躱されちゃってさあ。ま、そこを攻略するのが楽しいんだけど」
「……先生は星菜さんのことが好きなんですか?」
「え? 好き?」
何もおかしなことは言っていないはずだが、斎場は心底意外そうな声で聞き返してくる。
「好きだから付き合いたい、ということなんでしょう?」
「あー、うん、そうだね。まあ僕が興味あるのは彼女の身体なんだけど」
「…………は?」
「いやぁ、クスリとか使って動画にしたらかなり人気出ると思うんだよね。あ、もちろん烏野さんが協力してくれたらちゃんとお礼はするからさ。どうかな?」
下卑た声で到底看過できないことを口にする斎場。思わず怒りで頬が引きつったが、ここで我を失うわけにはいかない。
「……どうしてそんなことを? 金ならあるはずでしょう。名声だって」
「そうなんだけどさ。なんだろうねぇ、いい女を自分のモノにしてるって優越感を見せつけたいのかな?」
「――ッ‼」
その発言に反射的に胸倉を掴み、理解する。
この男はこれまで消してきた奴らとなんら変わらない、同類の腐った人間なのだと。
「な、なんだっ⁉ 何をっ!」
「っ……いえ、少しバランスを崩してしまって」
……とはいえ、ここで騒ぎを起こしても意味は無い。どころか警戒されてしまうだけだ。
寸でのところで冷静さを取り戻した俺は、握りこぶしを解いて椅子に座り直す。
「――どうかしました?」
騒ぎを聞いた看護師が離れた位置から声を掛けてくる。
「ん? あ、ああ! いやなんでもない! ……とにかく、うまいこと僕の評価が上げるようなことを言ってくれ。それ以外で君に求めることはない。分かったな?」
まだ何も了承していないのに勝手に話を進めてくる。
おそらく、拒否されることなど最初から考えていないのだろう。
「どうせもうすぐ死ぬんだ。最後にいい思いをしたいだろ?」
そんな吐き気を催す言葉を背に受けながら、俺は診察室を出た。
☾
「――今日の夕食は烏野さんの好きな紅鮭です!」
相変わらず明るい、元気の出る星菜の声。
……しかし、今日は少し気が重かった。
「……少し聞きたいことがあるんだが」
「はい? なんですか?」
星菜は応えながら食事を並べる。
「斎場……先生についてなんだが」
「ああ、良い先生ですよね」
「…………良い先生?」
「はい。私の両親が――えっと、以前お世話になったことがあったんですけど、その時から凄く良くしてくれて、私の恩師でもあるんです。――はいっ、どうぞ!」
「ありがとう」
恩師……あの男が……。
信用し切ったその声音は、斎場が言っていた星菜に信用されているという言葉が決して勘違いではなかったことを証明していた。
これでは忠告したところで意味がない。一患者でしかない俺と長年の付き合いがある斎場。その実がどうであれ、どちらの意見を聞くかは火を見るよりも明らか。
……しかし、このままだと星菜は斎場の毒牙にかかってしまう。そんなことは絶対にさせられない――が、とはいえ今の自分にできることはあまりにも限られている。どうすれば……。
いや、どうするもこうするもない。昔からこの手しか知らないのだ。それなら――。
「少し席を外してもらってもいいかな?」
「一人で大丈夫ですか?」
「ああ。少し電話を掛けたくてね」
「分かりました。終わったら声をかけてくださいね」
星菜が退室したのを確認してから電話を掛ける。
相手はあの日以来連絡を取っていないバディ――戒田だ。
「もしもし」
「…………か、烏野…………」
長い沈黙の後、携帯越しではあるが久しぶりとなる戒田の声が聞こえた。俺が連絡をしたのが意外だったのか、戒田は弱々しい声で俺の名前を呼ぶ。
あれだけ濃密な時間を共に過ごしたのに、今の二人の間には嫌な緊張感が漂っている。その事実に俺は小さく溜息をついた。
「久しぶりだな。戒田」
「……身体の状態、聞いたよ。――すまないっ‼ 謝って済むことじゃないけど、まさかこんなことになるなんて思わなかったんだ! あの注射は本当だったら天寿症の――」
「何の話をしてるのか知らないが、お前に電話したのはそんなことを聞きたかったからじゃない」
謝罪を口にする戒田に被せて、続く言葉を遮る。
その謝罪が何を意味するものなのかは察するまでもなかったが、過ぎた事でとやかく言うつもりは毛頭なかった。戒田を騙し、俺をこんな目に合わせた人間への報復は必ずするとしても、今優先すべきは星菜だ。
「烏野っ、でも俺は……!」
「うるさい。それより、お前に頼みたいことがある」
「頼みたいこと……? あ、ああ、なんでも言ってくれ!」
「拳銃を用意してくれ」
「拳銃? どうしてそんなもの……まさかお前!」
「勘違いするな。自殺するつもりはない。そんなことしなくても、どうせすぐ死ぬことになるしな」
「っ、じゃあどうして」
「それを今言う気は無い。それと俺の病院にいる斎場っていう医者についても調べてもらいたいんだが。頼めるか?」
「任せてくれ。明日にでも連絡する」
「頼んだ」
それだけ言って電話を切る。
斎場という男がどんな人間なのか、事を起こす前に知っておく必要があった。もしかしたら星菜の言う通り、善人なのかもしれない。あの時の発言は一時の気の迷いということもあり得る。だから、俺は最も信頼のおける戒田に情報収集を任せた。
――翌日、さっそく戒田から約束の拳銃が届いた。好んで使っていたピストルではなく、薬莢の出ないリボルバーだったが、後処理を考えた時そちらのほうがいいだろうという戒田の気遣いなのだろう。
そして次に事細かくまとめられた斎場についての情報を耳にする。
音声に起こした文章を聞くも、その内容はやはりというようなものばかり。多くの女性を誑かし、中にはそれが原因で自ら命を絶ってしまった人もいたと書かれていた。そして極め付けに――。
「――ッ‼」
最後の報告を聞いた時、俺は斎場を呼び出すことに決めた。
星菜は奴を恩師のように慕っている。なら、直接確認しなくてはならない。特に、最後の報告の件に関しては。
「ええ」
定期健診の時間。俺は星菜のことをどう思っているのかと単刀直入に聞いていた。
あまりにもストレートな言い方だったからか、斎場は困ったように唸る。
「う~ん、あんまりプライベートなことを言うつもりはないんだけどねえ。……あ、でも烏野さんは彼女と仲良いよね?」
「そうでもないですよ」
「またまた、謙遜しなくていいよ。あ、そうだ。ここだけの話、協力してくれないかな?」
斎場の気配が近付き、周りを気にするような囁き声に変わった。
「協力?」
「いやー、蛍さんって意外とガード固くてねえ。彼女のことは前から狙ってるんだけど、なかなかOKしてもらえないんだよ。結構信用されてると思うんだけど、好きな人がいるからって上手いこと躱されちゃってさあ。ま、そこを攻略するのが楽しいんだけど」
「……先生は星菜さんのことが好きなんですか?」
「え? 好き?」
何もおかしなことは言っていないはずだが、斎場は心底意外そうな声で聞き返してくる。
「好きだから付き合いたい、ということなんでしょう?」
「あー、うん、そうだね。まあ僕が興味あるのは彼女の身体なんだけど」
「…………は?」
「いやぁ、クスリとか使って動画にしたらかなり人気出ると思うんだよね。あ、もちろん烏野さんが協力してくれたらちゃんとお礼はするからさ。どうかな?」
下卑た声で到底看過できないことを口にする斎場。思わず怒りで頬が引きつったが、ここで我を失うわけにはいかない。
「……どうしてそんなことを? 金ならあるはずでしょう。名声だって」
「そうなんだけどさ。なんだろうねぇ、いい女を自分のモノにしてるって優越感を見せつけたいのかな?」
「――ッ‼」
その発言に反射的に胸倉を掴み、理解する。
この男はこれまで消してきた奴らとなんら変わらない、同類の腐った人間なのだと。
「な、なんだっ⁉ 何をっ!」
「っ……いえ、少しバランスを崩してしまって」
……とはいえ、ここで騒ぎを起こしても意味は無い。どころか警戒されてしまうだけだ。
寸でのところで冷静さを取り戻した俺は、握りこぶしを解いて椅子に座り直す。
「――どうかしました?」
騒ぎを聞いた看護師が離れた位置から声を掛けてくる。
「ん? あ、ああ! いやなんでもない! ……とにかく、うまいこと僕の評価が上げるようなことを言ってくれ。それ以外で君に求めることはない。分かったな?」
まだ何も了承していないのに勝手に話を進めてくる。
おそらく、拒否されることなど最初から考えていないのだろう。
「どうせもうすぐ死ぬんだ。最後にいい思いをしたいだろ?」
そんな吐き気を催す言葉を背に受けながら、俺は診察室を出た。
☾
「――今日の夕食は烏野さんの好きな紅鮭です!」
相変わらず明るい、元気の出る星菜の声。
……しかし、今日は少し気が重かった。
「……少し聞きたいことがあるんだが」
「はい? なんですか?」
星菜は応えながら食事を並べる。
「斎場……先生についてなんだが」
「ああ、良い先生ですよね」
「…………良い先生?」
「はい。私の両親が――えっと、以前お世話になったことがあったんですけど、その時から凄く良くしてくれて、私の恩師でもあるんです。――はいっ、どうぞ!」
「ありがとう」
恩師……あの男が……。
信用し切ったその声音は、斎場が言っていた星菜に信用されているという言葉が決して勘違いではなかったことを証明していた。
これでは忠告したところで意味がない。一患者でしかない俺と長年の付き合いがある斎場。その実がどうであれ、どちらの意見を聞くかは火を見るよりも明らか。
……しかし、このままだと星菜は斎場の毒牙にかかってしまう。そんなことは絶対にさせられない――が、とはいえ今の自分にできることはあまりにも限られている。どうすれば……。
いや、どうするもこうするもない。昔からこの手しか知らないのだ。それなら――。
「少し席を外してもらってもいいかな?」
「一人で大丈夫ですか?」
「ああ。少し電話を掛けたくてね」
「分かりました。終わったら声をかけてくださいね」
星菜が退室したのを確認してから電話を掛ける。
相手はあの日以来連絡を取っていないバディ――戒田だ。
「もしもし」
「…………か、烏野…………」
長い沈黙の後、携帯越しではあるが久しぶりとなる戒田の声が聞こえた。俺が連絡をしたのが意外だったのか、戒田は弱々しい声で俺の名前を呼ぶ。
あれだけ濃密な時間を共に過ごしたのに、今の二人の間には嫌な緊張感が漂っている。その事実に俺は小さく溜息をついた。
「久しぶりだな。戒田」
「……身体の状態、聞いたよ。――すまないっ‼ 謝って済むことじゃないけど、まさかこんなことになるなんて思わなかったんだ! あの注射は本当だったら天寿症の――」
「何の話をしてるのか知らないが、お前に電話したのはそんなことを聞きたかったからじゃない」
謝罪を口にする戒田に被せて、続く言葉を遮る。
その謝罪が何を意味するものなのかは察するまでもなかったが、過ぎた事でとやかく言うつもりは毛頭なかった。戒田を騙し、俺をこんな目に合わせた人間への報復は必ずするとしても、今優先すべきは星菜だ。
「烏野っ、でも俺は……!」
「うるさい。それより、お前に頼みたいことがある」
「頼みたいこと……? あ、ああ、なんでも言ってくれ!」
「拳銃を用意してくれ」
「拳銃? どうしてそんなもの……まさかお前!」
「勘違いするな。自殺するつもりはない。そんなことしなくても、どうせすぐ死ぬことになるしな」
「っ、じゃあどうして」
「それを今言う気は無い。それと俺の病院にいる斎場っていう医者についても調べてもらいたいんだが。頼めるか?」
「任せてくれ。明日にでも連絡する」
「頼んだ」
それだけ言って電話を切る。
斎場という男がどんな人間なのか、事を起こす前に知っておく必要があった。もしかしたら星菜の言う通り、善人なのかもしれない。あの時の発言は一時の気の迷いということもあり得る。だから、俺は最も信頼のおける戒田に情報収集を任せた。
――翌日、さっそく戒田から約束の拳銃が届いた。好んで使っていたピストルではなく、薬莢の出ないリボルバーだったが、後処理を考えた時そちらのほうがいいだろうという戒田の気遣いなのだろう。
そして次に事細かくまとめられた斎場についての情報を耳にする。
音声に起こした文章を聞くも、その内容はやはりというようなものばかり。多くの女性を誑かし、中にはそれが原因で自ら命を絶ってしまった人もいたと書かれていた。そして極め付けに――。
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