不夜城レスタのわがまま姫と受難門番

繭墨くろむ

文字の大きさ
12 / 13
新人門番と錬金術士

新人門番、協力する。

しおりを挟む
 「で、少し相談があるのだが・・・・・・」
 しばしの無言タイムを経て、アテナは椅子に再び腰を下ろすと、落ち着いたトーンで切り出した。
 「相談、ですか?」
 「ああ、そうだ・・・・・・。相談、そうだ。上手くないか?」
 知らないですけど。

 「すまない・・・・・・それで、聞いてくれないか?」
 うけなかったな。なんでだろうか。みたいな顔で首をかしげるアテナだが、こちらからすればなぜそんなネタをかまそうと思ったかが謎であった。

 ともかく、相談と言われれば話を聞こう。
 あれだけ熱く語られたのだから、ここで退くのはなにかが違う。

 俺が聞く旨を伝えると、彼女は例を言って話し始めた。
 「相談というのはもちろん、海の心臓に関してだ。さっきも言ったけど、私は外に出るのが嫌いでね。ついでに言うと運動神経という物の欠片も持っていないんだ。だから、あの素早いフェアリーなんて捕まえられっこない。まぐれで一匹捕まえる・・・・・・なんかじゃ足りないんだ」
 大口叩いたは良いものの、やはり海の心臓の錬金は難しいようで、研究過程は当然失敗前提となる。

 「つまり、俺にフェアリーを捕まえてきて欲しいって事ですか?」
 「そう、その通りだよ。もちろん、それで得た報酬は等分で構わない」
 「・・・・・・いいんですか?」
 フェアリーを捕まえるというのはそう難しいことではない。
 魔素の溜まった場所に行けば、ちょっと運動神経のいい子供でも捕まえられる。
 そんな物を捕ってくるだけで報酬を等分だなんて、好条件過ぎはしまいか。

 「もちろんいいさ。私の目的はアメリア様への恩返しとプロポーズのみ。次第によっては報酬は全部渡してもいいくらいさ」
 「次第・・・・・・とは」
 「まあ、あれだよ・・・・・・。思いの外難しくて、フェアリーが大量に欲しくなった時とか」
 少し情けなさそうな顔をするアテナ。
 しかしそのくらいなら問題はない。

 「そこまでしてくださるなら、もちろん協力しますよ」
 俺がそう言って頷くと、アテナは嬉しそうに手を叩いた。

 「そうか!それなら私たちは対等であり同盟だ!是非ともよろしく頼む!」
 「はい、よろしくお願いします!」
 「ああ、その敬語もいらないよ」
 この城では先輩という位置に居るだろうし敬語を使っていたが、要らないと言うなら外させて貰おう。

 「わかった。それで、俺は取り敢えずフェアリーを捕まえてくればいいんだな?」
 「うん。しばらくは需要は尽きないだろうから、何匹でも持ってきていい」
 「そう多くは取れないかも知れないけど、なるべく頑張るよ」
 フェアリー捕獲はわがままリスト達成のために必要なことなので、きっと仕事をしている事になる。
 それならば何ら問題はない。

 「じゃあ、期待しているよ」
 
 アテナに見送られつつ、俺は彼女の部屋を後にした。


 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜

タナん
ファンタジー
 オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。  その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。  モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。  温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。 それでも戦わなければならない。  それがこの世界における男だからだ。  湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。  そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。 挿絵:夢路ぽに様 https://www.pixiv.net/users/14840570 ※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

処理中です...