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新人門番と錬金術士
新人門番、妖精を狩る。
しおりを挟む城を出ると、朝特有の賑わいが俺を出迎えた。慣れ親しんだ地上の街の何倍も騒がしいその喧騒に一瞬呑まれそうになるが、なんとか堪える。
ところ狭しと並んだ店の品を眺めつつ、近くの魔力溜りを探す。
とはいえ俺は魔法に詳しいわけでなく、魔力溜りもほんのりと感じるだけであるため、ただ感覚を頼りに街をぶらつくことになるが、これは決してサボっている訳ではない。
だから貰ったばかりの金貨で串焼き肉や果実を買って食べ歩きをしていようが、これは仕事の一環なのだ。
「ブルーフェアリー・・・・・・。都会だし、魔素はすぐ溜まるだろうから、水辺を探したら居ると思うんだが」
フェアリーはその特性上、自分と同じ系統の魔力に群がり、そして魔力は属性ごとに発生源が違う。
今回探すのはブルーフェアリーで、彼等の属性は青。青の魔力は水から発生するため、必然的に水辺をさがすことになる。
ちなみに朝みた中庭の噴水には余り魔力が溜まっておらず、フェアリー探しには向かなかった。
まだ街の地形もわからないし、通行人に訪ねつつ水辺を探索したいと思う。
「水辺なら、ここの道を進めば橋があるから、そこを探せばいいんじゃないか?」
「橋ですか。ありがとうございます」
果実の店をみていた青年に聞くと、すこし細い脇道を指差してそう教えてくれた。
そんなに遠くないそうなので行ってみることにする。
小さな石橋の掛かったその川は、大きさこそ無いものの魔力は確かに感じられた。
ここならブルーフェアリーもいそうだと岸を伝っておりると、早速一匹見つけることが出来た。
ふわりと漂う青い光る玉が、妖精族の最下級種。カラーフェアリーシリーズのブルーである。
知性はほぼなく、危険を察知すると多少素早く動く程度。
希少価値も低く、すこしレアな蝶々くらいの珍しさだ。
俺はポーチから、あらかじめ渡されていた小さな網を取り出す。折り畳み式で、最大まで伸ばすと1メートルになる便利な網だ。
ブルーフェアリーがちょうど水面近くまで降下してきたところで網を横凪ぎに振る。素振りの成果か、その速度は中々に速く、水面に飛沫を上げ、そしてその先端はしっかりとブルーフェアリーを捕らえていた。
「よし、取り敢えず一匹ゲット」
捕まえた、少しひんやりとするそれを口の大きな瓶にいれて蓋をする。
その後はもう作業を繰り返すだけだった。
――――――――――
日も昇ってきて気温が上がってくる。
ポーチの瓶を覗けば10数匹のフェアリーがぎゅうぎゅうに詰め込まれており、もはや光源として使えそうなほどに輝いていた。
このくらい集めれば、一旦帰っても良いだろう・・・・・・。
網をしまって、城へと向かった。
もちろん、買い食いは忘れずに。
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