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サルバルート王国とアズール家族
第18話 桜子さんとお買い物(1)
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僕はベッドの上で左手首にはめた「魔法の腕輪」を見てニマニマしている。時刻は朝八時過ぎだ。さて、今日は忙しくなりそうだ。
昨日は二刀流で放送禁止の微笑みをするミーナを見てノートパソコンを閉じてからは何もしていない。夕方までダラダラしてた僕。
夕方からは桜子さんが買ってきてくれた物資を確認、整理していた。そして今日は桜子さんと買い物に行くのだ。
買い物は昼御飯を食べてからなので、それまでにアズール家族に物資を送っておこうと思った僕はベッドから起き上がり、部屋のドアを開けて朝食のお盆に触って脳内で『収納』と唱えた。(魔力を腕輪に流すのは自然と出来た。付与されたスキル「マナ操作」が仕事をしてくれてるようだ)
僕は触った朝食が目の前から消えるのを見てニヤリとする。そして両手を必要以上にブラブラさせながら部屋に戻りテーブルの前に座ると、魔法の腕輪から朝食と飲み物を取り出した。腕輪の中には、昨日桜子さんが買ってきてくれた物資と部屋の冷蔵庫にあった飲み物を全て収納している。時間停止しているので腐ることも生温くなる事も無い。
「この魔法の腕輪は最高だな!」
僕はアズール家族の様子を見ながら朝食を食べた。ミスカさんは洗濯物を干していた。もう元気で動いているので大丈夫そうだ。
ミーナは笑いながら空き地を走っている。(お前はいったい何がしたいの?) タルクはリュックを背負って魔法の練習をしていた。(そんなにリュックがお気に入りなのか。そんな姿が可愛いね!)
そして美味しい朝食を食べた僕は、送る物資を段ボール箱に詰め込む作業を始めた。(昨日送ってなかったので今日は奮発してやろう)
そして送る物はソーセージ二袋、カップラーメン三個、ポテトチップス二袋、豚肉二キロ。これでもう箱は一杯だ。あんまり入らない箱の大きさに少し不満な僕だった。
僕は「神のお告げ」を発動する。
『器の中は食べ物。蓋を少し開けてお湯を線まで入れろ。三分まて。』
ジャスト三十文字。文章は判りにくいがタルクなら大丈夫だろう。僕はタルクに「神のお告げ」を送り「神の施し」で台所のテーブルに段ボール箱を送った。
時刻はまだ十時前。僕は引きこもりの本領を発揮して寝ることにした。(おやすみなさい)
「ゴンゴン。ゴゴゴゴッ!」
僕は激しくドアを叩く音がして目を覚ました。ちょっと叩きすぎじゃない?僕は「はいはい」と言いながらベッドから起き上がり、部屋のドアを開ける。そこには満面の笑みをした桜子さんが仁王立ちしていた。
「いつまで寝てるの。さあ、早く行くよ。さっさと準備しなさい」
何故かハイテンションの桜子さんに急かされて、僕は服を着替えるのであった。(ん?桜子さん?ずっと僕の着替えを見ていたよ)
桜子さんの車は黒でオフロードタイプの乗用車だ。(めっちゃ厳つい車だぜ!) 僕は助手席に乗ってシートベルトを締める。桜子さんはサンシェードに挟んであったサングラスを掛けてから車を始動させた。(ワイルドだぜ!)
そのサングラスワイルド桜子さんが車を走らせながら僕に聞いてくる。
「今日の買い物はホームセンターでよかったよね。春馬ちやんは何を買うつもりなの?」
(うーん、色々とお願い事をしている桜子さんを誤魔化すのは難しいよな。だとしたら、どこまで話すかだ)
僕は桜子さんの問い掛けに返事をすることなく黙って考えていた。その様子を横目で見ていた桜子さんが言ってくる。
「私は春馬ちゃんが言うことなら信じるわよ。なにか常識外れな事が起こってるんでしょ?ご飯は毎食持って行ってるのに食材や物の購入を頼んでくるし、雅人さんには薬の事を聞いたのよね。最初は部屋に誰かを匿ってるのかと思ったけど、そんな気配はしなかった」
うん、これじゃあバレるのも時間の問題だな。桜子さんは信用出来る人だ。全てを話してみよう。アドバイスを貰えるかも知れないし。
「桜子さん。僕に起きたことを全て話します。突拍子も無い話なので驚くと思いますが、全て本当の事なんです」
それから僕は「ゴッズタイムキリング」から始まった出来事を全て話した。神と思われる存在から使徒となって異世界で布教活動を依頼された事、アズール家族の事、サルバルート王国の事。その話を聞いた桜子さんは疑う素振りもせず、質問を挟むことも無く最後まで聞いてくれた。(理解出来たの?信じてくれるの?)
僕は心配になって桜子さんの顔を見ると、そこには今までで最高の笑顔を見せる桜子さんが居た。(さすが桜子さん)
「ふふ、ふはははは!春馬!お前は途轍もなく面白そうな事やってるな!私も一口噛ませろ。出来る範囲ならなんでも買って、なんでも手伝ってやる。お願いだ!」
(話したのは正解だったのかな‥‥‥‥‥‥言葉使いもワイルド桜子に変わってるし‥‥‥‥‥)
「はあ、よろしくお願いします」
僕は高笑いしている桜子さんに小さな声でお願いし、そしてその返事を聞いた桜子さんは上機嫌で己の欲望を撒き散らしながら、ホームセンターに向けて車を走らせるのであった。
「異世界行きてー!タルク見てー!ミーナで笑いてー!ガザフ王殴りてー!狼男のダルタンに激しく抱かれてー!なんで死んだんだー!」
(ほんと欲望丸出しだよ‥‥‥‥‥‥)
昨日は二刀流で放送禁止の微笑みをするミーナを見てノートパソコンを閉じてからは何もしていない。夕方までダラダラしてた僕。
夕方からは桜子さんが買ってきてくれた物資を確認、整理していた。そして今日は桜子さんと買い物に行くのだ。
買い物は昼御飯を食べてからなので、それまでにアズール家族に物資を送っておこうと思った僕はベッドから起き上がり、部屋のドアを開けて朝食のお盆に触って脳内で『収納』と唱えた。(魔力を腕輪に流すのは自然と出来た。付与されたスキル「マナ操作」が仕事をしてくれてるようだ)
僕は触った朝食が目の前から消えるのを見てニヤリとする。そして両手を必要以上にブラブラさせながら部屋に戻りテーブルの前に座ると、魔法の腕輪から朝食と飲み物を取り出した。腕輪の中には、昨日桜子さんが買ってきてくれた物資と部屋の冷蔵庫にあった飲み物を全て収納している。時間停止しているので腐ることも生温くなる事も無い。
「この魔法の腕輪は最高だな!」
僕はアズール家族の様子を見ながら朝食を食べた。ミスカさんは洗濯物を干していた。もう元気で動いているので大丈夫そうだ。
ミーナは笑いながら空き地を走っている。(お前はいったい何がしたいの?) タルクはリュックを背負って魔法の練習をしていた。(そんなにリュックがお気に入りなのか。そんな姿が可愛いね!)
そして美味しい朝食を食べた僕は、送る物資を段ボール箱に詰め込む作業を始めた。(昨日送ってなかったので今日は奮発してやろう)
そして送る物はソーセージ二袋、カップラーメン三個、ポテトチップス二袋、豚肉二キロ。これでもう箱は一杯だ。あんまり入らない箱の大きさに少し不満な僕だった。
僕は「神のお告げ」を発動する。
『器の中は食べ物。蓋を少し開けてお湯を線まで入れろ。三分まて。』
ジャスト三十文字。文章は判りにくいがタルクなら大丈夫だろう。僕はタルクに「神のお告げ」を送り「神の施し」で台所のテーブルに段ボール箱を送った。
時刻はまだ十時前。僕は引きこもりの本領を発揮して寝ることにした。(おやすみなさい)
「ゴンゴン。ゴゴゴゴッ!」
僕は激しくドアを叩く音がして目を覚ました。ちょっと叩きすぎじゃない?僕は「はいはい」と言いながらベッドから起き上がり、部屋のドアを開ける。そこには満面の笑みをした桜子さんが仁王立ちしていた。
「いつまで寝てるの。さあ、早く行くよ。さっさと準備しなさい」
何故かハイテンションの桜子さんに急かされて、僕は服を着替えるのであった。(ん?桜子さん?ずっと僕の着替えを見ていたよ)
桜子さんの車は黒でオフロードタイプの乗用車だ。(めっちゃ厳つい車だぜ!) 僕は助手席に乗ってシートベルトを締める。桜子さんはサンシェードに挟んであったサングラスを掛けてから車を始動させた。(ワイルドだぜ!)
そのサングラスワイルド桜子さんが車を走らせながら僕に聞いてくる。
「今日の買い物はホームセンターでよかったよね。春馬ちやんは何を買うつもりなの?」
(うーん、色々とお願い事をしている桜子さんを誤魔化すのは難しいよな。だとしたら、どこまで話すかだ)
僕は桜子さんの問い掛けに返事をすることなく黙って考えていた。その様子を横目で見ていた桜子さんが言ってくる。
「私は春馬ちゃんが言うことなら信じるわよ。なにか常識外れな事が起こってるんでしょ?ご飯は毎食持って行ってるのに食材や物の購入を頼んでくるし、雅人さんには薬の事を聞いたのよね。最初は部屋に誰かを匿ってるのかと思ったけど、そんな気配はしなかった」
うん、これじゃあバレるのも時間の問題だな。桜子さんは信用出来る人だ。全てを話してみよう。アドバイスを貰えるかも知れないし。
「桜子さん。僕に起きたことを全て話します。突拍子も無い話なので驚くと思いますが、全て本当の事なんです」
それから僕は「ゴッズタイムキリング」から始まった出来事を全て話した。神と思われる存在から使徒となって異世界で布教活動を依頼された事、アズール家族の事、サルバルート王国の事。その話を聞いた桜子さんは疑う素振りもせず、質問を挟むことも無く最後まで聞いてくれた。(理解出来たの?信じてくれるの?)
僕は心配になって桜子さんの顔を見ると、そこには今までで最高の笑顔を見せる桜子さんが居た。(さすが桜子さん)
「ふふ、ふはははは!春馬!お前は途轍もなく面白そうな事やってるな!私も一口噛ませろ。出来る範囲ならなんでも買って、なんでも手伝ってやる。お願いだ!」
(話したのは正解だったのかな‥‥‥‥‥‥言葉使いもワイルド桜子に変わってるし‥‥‥‥‥)
「はあ、よろしくお願いします」
僕は高笑いしている桜子さんに小さな声でお願いし、そしてその返事を聞いた桜子さんは上機嫌で己の欲望を撒き散らしながら、ホームセンターに向けて車を走らせるのであった。
「異世界行きてー!タルク見てー!ミーナで笑いてー!ガザフ王殴りてー!狼男のダルタンに激しく抱かれてー!なんで死んだんだー!」
(ほんと欲望丸出しだよ‥‥‥‥‥‥)
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