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サルバルート王国とアズール家族
第25話 5人組の白狼族
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異世界の真っ暗な森の中。僕は焚き火で晩御飯を作っている。ん?さっき作ってたろって?うん、僕のは出来てるよ。今は僕が料理してるのをじっと見つめている腹ペコ5人組の晩御飯を作ってるんだ。そう、ドーム状の結界に張り付いて僕を驚かせた存在達の事だ。
そして僕が作ってるのは、僕と同じもの。だけど量は二倍と特盛だ。だから焚き火を広げ結界鉄板を大きくし、フライパン二つと鍋を三つ使ってまとめて作ってるんだ。順番待ちなんかさせたら戦争が起こっちゃうよ。
「大切な食料を分けてもらって本当にすまない。このお礼は必ずするから」
そう言って頭を下げてきたのは、腹ペコ5人組リーダーのラスカル。背が僕より高くて白く短いツンツンした髪で、キリッとした目のイカした男17歳。
「私達は朝から狩りに行ってたのですが、出てくるのはゴブリンばかりだったんです。それで食料となる獲物を探して少し森の奥まで行って帰りが遅くなってしまって。結局、獲物を見つける事も出来ず、王都の門が閉まる時間にも間に合わずで困ってたんです」
詳しく説明してくれたのは、腹ペコ5人組サブリーダーのサリーナ。僕の肩くらいの背で薄いブルーに白メッシュが入った長い髪。優しげな目をした可愛い女の子15歳。
「うおー!このソーセージめっちゃ旨そうだ。たぶんもう焼けてるぜ。てか生でもいいから早く食べようぜ!」
「いやランド。この肉の塊見てみろよ。すんげーいい匂いするんだぜ!ベーコンって言うらしいけど、そんなことどうでもいいや。早く食べようぜ!」
この語尾に「ぜ!」をよく使う二人はリンドとランド。二人ともグレーで白のメッシュが少し入った短い髪で生意気そうな顔をしている。僕には見分けがつかないほどソックリな双子でミーナの二つ下で十歳だ。
「………………」
うん、無口な女の子六歳。名前はアンナ。赤い髪で白メッシュが入った髪。顔は眠たそうな目をしてるけど将来が楽しみなほど可愛い。
五人は全員「白狼族」だそうだ。白狼族は狼族の中でも身体能力が高い部族で、髪が全て白髪は純血種となり、他の髪色で白メッシュが入っているのはハーフになるらしい。
ラスカル達は孤児でリンドとランドだけが兄弟と血の繋がりがある。その五人はスラムで一緒に生活しており、ラスカルとサリーナが親代わりをしているそうだ。
おっと、もう食パンも美味しそうに焼けて食べ頃だ。僕は焚き火から少し離れた場所に結界で木目調のテーブルと椅子を作り、出来上がった料理とコップにジュースを注いで並べた。
「お待たせ。さあ、こっちに座って晩御飯を食べよう。遠慮は要らないからね」
その僕の号令と同時にリンドとランドは嬉しそうな顔をして走って椅子に座り、「「いただきます!」」と言って手掴みで食べ始めた。(目の前にフォークがあるんだけど‥‥‥‥‥)
そしてサリーナはアンナと手を繋いでテーブルまで行き、アンナを椅子に座らせてから自分も座り、僕に向かって「いただきます」と言って右手にフォークを持って食べ始める。
アンナは‥‥‥眠たそうな目でずっと僕を見てるな。僕はそんなアンナに頷いた。するとフォーク持ち上品に食べ始めた。(いったい何だったのだろう‥‥‥‥)
そんな僕はラスカルと並んで歩き、話ながらテーブルまで向かった。
「春馬の魔法は凄いな。結界魔法を使える者は数少ないし、あんな風に使える魔法使いは聞いたこと無いぞ。それに発動速度も早かったしマナもあんまり使ってないように見えた。
春馬は冒険者には見えないし、王国の魔法騎士団に入ってたりするのか?」
(そうなんだ。僕の魔法は凄いのか。タルクの魔法しかみたことなかったからな)
「いや、冒険者でも騎士でも無いよ。王都に向かってるけど初めて行くからね」
「ふーん、そんなに凄いのにな。どこかの国の凄腕の冒険者とかか?」
「ううん、他の国の冒険者でもないよ。田舎の村で暮らしてて爺ちゃんが凄い魔法使いだったんだ。それで小さい頃から鍛えてたんだよ。この結界魔法だけをね。だから他の魔法はほとんど使えないし剣術とかも駄目なんだ」
(ふふふ、これぞ定番の「僕は田舎者」だ。さあ、騙されるがよい)
「なんだ、訳あり者なんだな。まあ、詳しくは聞かないでおくよ。でも、困った事があったらなんでも聞いてくれ。出来る限り力になるよ」
(バレてーら。でもラスカルはいいやつだな)
「はは、ありがとう。それじゃあ王都がどっちにあるか教えてくれないか」
(僕は迷える子羊なの)
「ぶっ!ほんとなんにも知らないんだな。王都はこの先にあるよ。それも歩いて十分も掛からない場所にね」
ラスカルが指差すのは、僕が進もうと思っていた方向だった。
「ええぇー!そんなに近いの?それならグダグダせずに歩いて探して見ればよかったよ」
「いや、春馬がグダグダしてくれたから俺達は美味しいご飯を食べることが出来たんだ。ありがとうな、春馬」
ラスカルは笑いながら僕の肩を叩くと、テーブルに着いた僕に椅子を引いてエスコートしてくれた。(ぼく、惚れてまうがな)
さあ、みんなで楽しく食べよう。
そして僕が作ってるのは、僕と同じもの。だけど量は二倍と特盛だ。だから焚き火を広げ結界鉄板を大きくし、フライパン二つと鍋を三つ使ってまとめて作ってるんだ。順番待ちなんかさせたら戦争が起こっちゃうよ。
「大切な食料を分けてもらって本当にすまない。このお礼は必ずするから」
そう言って頭を下げてきたのは、腹ペコ5人組リーダーのラスカル。背が僕より高くて白く短いツンツンした髪で、キリッとした目のイカした男17歳。
「私達は朝から狩りに行ってたのですが、出てくるのはゴブリンばかりだったんです。それで食料となる獲物を探して少し森の奥まで行って帰りが遅くなってしまって。結局、獲物を見つける事も出来ず、王都の門が閉まる時間にも間に合わずで困ってたんです」
詳しく説明してくれたのは、腹ペコ5人組サブリーダーのサリーナ。僕の肩くらいの背で薄いブルーに白メッシュが入った長い髪。優しげな目をした可愛い女の子15歳。
「うおー!このソーセージめっちゃ旨そうだ。たぶんもう焼けてるぜ。てか生でもいいから早く食べようぜ!」
「いやランド。この肉の塊見てみろよ。すんげーいい匂いするんだぜ!ベーコンって言うらしいけど、そんなことどうでもいいや。早く食べようぜ!」
この語尾に「ぜ!」をよく使う二人はリンドとランド。二人ともグレーで白のメッシュが少し入った短い髪で生意気そうな顔をしている。僕には見分けがつかないほどソックリな双子でミーナの二つ下で十歳だ。
「………………」
うん、無口な女の子六歳。名前はアンナ。赤い髪で白メッシュが入った髪。顔は眠たそうな目をしてるけど将来が楽しみなほど可愛い。
五人は全員「白狼族」だそうだ。白狼族は狼族の中でも身体能力が高い部族で、髪が全て白髪は純血種となり、他の髪色で白メッシュが入っているのはハーフになるらしい。
ラスカル達は孤児でリンドとランドだけが兄弟と血の繋がりがある。その五人はスラムで一緒に生活しており、ラスカルとサリーナが親代わりをしているそうだ。
おっと、もう食パンも美味しそうに焼けて食べ頃だ。僕は焚き火から少し離れた場所に結界で木目調のテーブルと椅子を作り、出来上がった料理とコップにジュースを注いで並べた。
「お待たせ。さあ、こっちに座って晩御飯を食べよう。遠慮は要らないからね」
その僕の号令と同時にリンドとランドは嬉しそうな顔をして走って椅子に座り、「「いただきます!」」と言って手掴みで食べ始めた。(目の前にフォークがあるんだけど‥‥‥‥‥)
そしてサリーナはアンナと手を繋いでテーブルまで行き、アンナを椅子に座らせてから自分も座り、僕に向かって「いただきます」と言って右手にフォークを持って食べ始める。
アンナは‥‥‥眠たそうな目でずっと僕を見てるな。僕はそんなアンナに頷いた。するとフォーク持ち上品に食べ始めた。(いったい何だったのだろう‥‥‥‥)
そんな僕はラスカルと並んで歩き、話ながらテーブルまで向かった。
「春馬の魔法は凄いな。結界魔法を使える者は数少ないし、あんな風に使える魔法使いは聞いたこと無いぞ。それに発動速度も早かったしマナもあんまり使ってないように見えた。
春馬は冒険者には見えないし、王国の魔法騎士団に入ってたりするのか?」
(そうなんだ。僕の魔法は凄いのか。タルクの魔法しかみたことなかったからな)
「いや、冒険者でも騎士でも無いよ。王都に向かってるけど初めて行くからね」
「ふーん、そんなに凄いのにな。どこかの国の凄腕の冒険者とかか?」
「ううん、他の国の冒険者でもないよ。田舎の村で暮らしてて爺ちゃんが凄い魔法使いだったんだ。それで小さい頃から鍛えてたんだよ。この結界魔法だけをね。だから他の魔法はほとんど使えないし剣術とかも駄目なんだ」
(ふふふ、これぞ定番の「僕は田舎者」だ。さあ、騙されるがよい)
「なんだ、訳あり者なんだな。まあ、詳しくは聞かないでおくよ。でも、困った事があったらなんでも聞いてくれ。出来る限り力になるよ」
(バレてーら。でもラスカルはいいやつだな)
「はは、ありがとう。それじゃあ王都がどっちにあるか教えてくれないか」
(僕は迷える子羊なの)
「ぶっ!ほんとなんにも知らないんだな。王都はこの先にあるよ。それも歩いて十分も掛からない場所にね」
ラスカルが指差すのは、僕が進もうと思っていた方向だった。
「ええぇー!そんなに近いの?それならグダグダせずに歩いて探して見ればよかったよ」
「いや、春馬がグダグダしてくれたから俺達は美味しいご飯を食べることが出来たんだ。ありがとうな、春馬」
ラスカルは笑いながら僕の肩を叩くと、テーブルに着いた僕に椅子を引いてエスコートしてくれた。(ぼく、惚れてまうがな)
さあ、みんなで楽しく食べよう。
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