54 / 59
ラバニエル王国編
第49話 私に任せて
しおりを挟む
私とサーシャさんは飛竜『ケンタッキー』に乗り城に向かって大空を飛んでいる。
「おほー!この雲を掻き分け飛び、そして肌に突き刺さるような風。爽快感が堪らない!大きな翼を広げ大空を舞うケンタ。まさにケンタッキーフラ○ドチキンだね!」(ニワトリじゃないし鳥でも無いけどね!)
「ふふ、よく判らないけど喜んでもらえて良かったわ」
そう言って笑い合う私とサーシャさん。(ホントこの飛竜って凄いよ)
「ねえねえケンタ、あなたはどこまで早く飛べるの?私はあなたの全力が見てみたいの!」
「ふふ、この子は私の言うことしか聞かないの。だから言っても無駄よ」
そんなサーシャさんの言葉を無視したかのようにケンタは「グルウァ」と一鳴きすると、大きな翼を1度だけ羽ばたかせ、今までが嘘のような猛スピードで飛んでいく。
「えっ!えーー!!」
「ケンタ凄い!最高だーー!」
そしてあっという間に着いたお城。そしてその城の上を旋回するケンタに私は言った。
「ケンタ、竜舎に行って欲しいの」
そのケンタは判ったと言わんばかりにまたもや「グルウァ」と一鳴いて急降下する。そして地上スレスレで軽く浮上して軽やかに着地した。そしてケンタは首を捻って私を見て、「どうだ凄いだろ?」といった表情をしていた。
「はぁ、この子がこんなにはしゃぐなんて珍しいわ。それになんで初対面の奏ちゃんの言うこと聞くのかしらね。もう驚きすぎて私は疲れちゃったわ」
そう言いながらケンタから降りるサーシャさん。そして私も鞍から立ち上がり、背中の上を走ってケンタの首に抱きついて「凄かったよ!ありがとう!」と言って飛び降りた。そして私はサーシャさんの前まで行った。
「じゃあサーシャさん、トムソンさんの所へ案内してもらえるかな。仲良しの飛竜の所に居るんでしょ?」
「奏ちゃん、飛竜の治療をするつもりね?」
「ふふ、これから第2ラウンドが始まるの」
「第2ラウンド?」
「さあ、早く連れていって!」
私が何を言ってるのか判らないまま歩き始めるサーシャさん。「どういうこと?」と歩きながら聞いてくるが私はただ笑って付いて行くだけだった。
「ここがそうよ。この扉の奥が負傷した飛竜を治療する場所なの」
そう言ったサーシャさんと私の前にはとても大きく頑丈そうな木製の扉がある。それも両開きで横スライドタイプの扉だ。
(ま、まさかこの扉、例のヤツですか?『しゃーー!』ってヤツですか?やっちゃってもいいんですか?フルパワーで行きますよ?)
もう私の心臓は嬉しくてドキドキのバクバクだ。私はフルパワーを出す為に指をポキポキ鳴らし首をゴキゴキ左右に振り、そして軽くジャンプしてから両手を空に向け吠えた。
「オラに力を分けてくれ!元気だわー!」
「さあ行くわよ」
そう言って私の行動を完全無視で大きな扉の隣にある小さな普通のドアを開けて中に入っていくサーシャさん。
「‥‥‥‥‥‥‥」
私は無表情になり静かに両手を下ろすと大きな扉に向かってお辞儀した。
「また会いましょう」
そして私はテクテクと歩き開いてるドアから中に入って行った。未練タラタラで何度も後ろを振り返りながら。
その私が入った所は土がむき出しで何も無い体育館くらいの広い部屋だった。そしてその部屋の奥にはうつ伏せになっている飛竜が一頭とその周りで座り込む3人の男性とサーシャさんが居た。そして近付いてよく見ればその男性はエルフィーさんとカルビーンお爺さんだ。なら残りの1人がトムソンさんだろう。
「なんでカルビーンお爺さんとエルフィーさんがここに居るの?」
その2人は私に気がついて立ち上がり、お互いを見て笑っている。そしてカルビーンお爺さんが話してくれた。
「ワシは奏嬢ちゃんがここに来ると思って待ってたんじゃ。聖女の森に行くには飛竜が必要じゃろ?」
(うわっ、サーシャさんだけでなくカルビーンお爺さんにもバレてたんだ)
「そしてエルフィーも奏嬢ちゃんがパレードに参加していない事を知って、聖女の森に行く為に飛竜を求めてここに来るだろうとヤマをはって待ち伏せしとったんじゃ」
(うはー、エルフィーさんもですか!)
「ははは、バレてましたか‥‥‥‥」
そして2人は私をじっと見て、それから私の正面に対して左右に別れて飛竜の方を向いた。私はその二人の間を通り、辛そうに地面に伏せている飛竜の体を撫でている男性の前にやって来た。
「あなたがトムソンさん?」
その私の問い掛けに振り向いた男性はまだ若かった。その歳は20代だろうか。短い金髪で細身。とても優しそうな顔をしている。
「キミは誰だい?ここは立ち入り禁止だよ」
その問いにカルビーンお爺さんが答えた。
「この子は奏嬢ちゃんじゃ。まあワシの娘みたいなもんだ。それで聖女の森まで行きたいとここにやって来た。飛竜に乗る為にお主のところにな」
それを聞いたトムソンさんは悲しそうな顔をして話してくれた。
「カルビーンさんの娘さんならそのお願いを叶えてあげたいけど駄目なんだ。俺がダックに無理をさせたから‥‥」
そして話の途中で涙ぐみ、ダックを見つめて黙ってしまったトムソンさん。そのトムソンさんの背中を優しく撫でて話の続きをしてくれたのはサーシャさんだった。
「飛竜はね、大きな翼を持っているけどその翼は飛行制御に使うだけなの。ならどうやって飛んでるのかだけど魔力を使ってるの。このダックはね、その魔力が切れても気力だけでここまで飛んできたのよ。トムソンの為にね。それで極度の魔力枯渇状態になって生死の境を行ったり来たりしてるところだったの。今は獣医師が見てくれて少し落ち着いてるんだけど、今日の夜が山場らしいの」
とても悲しそうな表情で私に話してくれたサーシャさん。そしてその目が私に訴え掛けていた。『お願い治して』と。
私はサーシャさんを見て頷きトムソンさんに話し掛けた。
「トムソンさん、ダックは凄いね。こんなになるまで頑張って‥‥‥」
そのトムソンさんは再びダックを撫で始め、優しい目をしてそのダック見つめたままで話してくれた。
「ああ、ダックは凄いヤツなんだ。俺はダックに何度も助けられた。そして今回もな。ダックは親無しでな、赤ちゃんの頃から俺が育てたんだ。もちろん名付け親も俺だ」
「ダックっていい名前だね」
それを聞いたトムソンさんはダックを見つめながら撫でているが、その背中越しでも嬉しそうにしているのが判る。
「そうだろ?でもダックは敬称なんだ。本当の名前は少し長いんでな。その名前は『7人の聖女物語外伝』からもらったんだ」
(な、なにか嫌な予感がするのですが‥‥)
「その名前は『ギュードンツユダック』だ。どうだ?コイツにピッタリな名前だろ?」
(ぐはっ!笑いたいけど笑えないーー!)
「はは、素敵な名前ですね。早くて安くて美味しそうです」
「お前!ダックを食べる気か!!」
そう言って、ものすげー驚き顔で勢いよく振り向きダックを庇うように両手を広げ私を睨むアホなヤツ。
(誰が食うか!と言いたいところだが、もしかして飛竜って美味しいの?)
ほんの少しだけ獲物を見る目でダックを見た私は「食うのか!食うのか!」と叫ぶアホを払いのけ、ダックに優しく触りいつものセリフを少しアレンジして言ってやった。
「悪いところを全部治して。大盛りで」
するといつもより間が空いて、そしてヤケクソのように盛大に白く輝く光に包まれるダックであった。(これ大丈夫なの?)
「おほー!この雲を掻き分け飛び、そして肌に突き刺さるような風。爽快感が堪らない!大きな翼を広げ大空を舞うケンタ。まさにケンタッキーフラ○ドチキンだね!」(ニワトリじゃないし鳥でも無いけどね!)
「ふふ、よく判らないけど喜んでもらえて良かったわ」
そう言って笑い合う私とサーシャさん。(ホントこの飛竜って凄いよ)
「ねえねえケンタ、あなたはどこまで早く飛べるの?私はあなたの全力が見てみたいの!」
「ふふ、この子は私の言うことしか聞かないの。だから言っても無駄よ」
そんなサーシャさんの言葉を無視したかのようにケンタは「グルウァ」と一鳴きすると、大きな翼を1度だけ羽ばたかせ、今までが嘘のような猛スピードで飛んでいく。
「えっ!えーー!!」
「ケンタ凄い!最高だーー!」
そしてあっという間に着いたお城。そしてその城の上を旋回するケンタに私は言った。
「ケンタ、竜舎に行って欲しいの」
そのケンタは判ったと言わんばかりにまたもや「グルウァ」と一鳴いて急降下する。そして地上スレスレで軽く浮上して軽やかに着地した。そしてケンタは首を捻って私を見て、「どうだ凄いだろ?」といった表情をしていた。
「はぁ、この子がこんなにはしゃぐなんて珍しいわ。それになんで初対面の奏ちゃんの言うこと聞くのかしらね。もう驚きすぎて私は疲れちゃったわ」
そう言いながらケンタから降りるサーシャさん。そして私も鞍から立ち上がり、背中の上を走ってケンタの首に抱きついて「凄かったよ!ありがとう!」と言って飛び降りた。そして私はサーシャさんの前まで行った。
「じゃあサーシャさん、トムソンさんの所へ案内してもらえるかな。仲良しの飛竜の所に居るんでしょ?」
「奏ちゃん、飛竜の治療をするつもりね?」
「ふふ、これから第2ラウンドが始まるの」
「第2ラウンド?」
「さあ、早く連れていって!」
私が何を言ってるのか判らないまま歩き始めるサーシャさん。「どういうこと?」と歩きながら聞いてくるが私はただ笑って付いて行くだけだった。
「ここがそうよ。この扉の奥が負傷した飛竜を治療する場所なの」
そう言ったサーシャさんと私の前にはとても大きく頑丈そうな木製の扉がある。それも両開きで横スライドタイプの扉だ。
(ま、まさかこの扉、例のヤツですか?『しゃーー!』ってヤツですか?やっちゃってもいいんですか?フルパワーで行きますよ?)
もう私の心臓は嬉しくてドキドキのバクバクだ。私はフルパワーを出す為に指をポキポキ鳴らし首をゴキゴキ左右に振り、そして軽くジャンプしてから両手を空に向け吠えた。
「オラに力を分けてくれ!元気だわー!」
「さあ行くわよ」
そう言って私の行動を完全無視で大きな扉の隣にある小さな普通のドアを開けて中に入っていくサーシャさん。
「‥‥‥‥‥‥‥」
私は無表情になり静かに両手を下ろすと大きな扉に向かってお辞儀した。
「また会いましょう」
そして私はテクテクと歩き開いてるドアから中に入って行った。未練タラタラで何度も後ろを振り返りながら。
その私が入った所は土がむき出しで何も無い体育館くらいの広い部屋だった。そしてその部屋の奥にはうつ伏せになっている飛竜が一頭とその周りで座り込む3人の男性とサーシャさんが居た。そして近付いてよく見ればその男性はエルフィーさんとカルビーンお爺さんだ。なら残りの1人がトムソンさんだろう。
「なんでカルビーンお爺さんとエルフィーさんがここに居るの?」
その2人は私に気がついて立ち上がり、お互いを見て笑っている。そしてカルビーンお爺さんが話してくれた。
「ワシは奏嬢ちゃんがここに来ると思って待ってたんじゃ。聖女の森に行くには飛竜が必要じゃろ?」
(うわっ、サーシャさんだけでなくカルビーンお爺さんにもバレてたんだ)
「そしてエルフィーも奏嬢ちゃんがパレードに参加していない事を知って、聖女の森に行く為に飛竜を求めてここに来るだろうとヤマをはって待ち伏せしとったんじゃ」
(うはー、エルフィーさんもですか!)
「ははは、バレてましたか‥‥‥‥」
そして2人は私をじっと見て、それから私の正面に対して左右に別れて飛竜の方を向いた。私はその二人の間を通り、辛そうに地面に伏せている飛竜の体を撫でている男性の前にやって来た。
「あなたがトムソンさん?」
その私の問い掛けに振り向いた男性はまだ若かった。その歳は20代だろうか。短い金髪で細身。とても優しそうな顔をしている。
「キミは誰だい?ここは立ち入り禁止だよ」
その問いにカルビーンお爺さんが答えた。
「この子は奏嬢ちゃんじゃ。まあワシの娘みたいなもんだ。それで聖女の森まで行きたいとここにやって来た。飛竜に乗る為にお主のところにな」
それを聞いたトムソンさんは悲しそうな顔をして話してくれた。
「カルビーンさんの娘さんならそのお願いを叶えてあげたいけど駄目なんだ。俺がダックに無理をさせたから‥‥」
そして話の途中で涙ぐみ、ダックを見つめて黙ってしまったトムソンさん。そのトムソンさんの背中を優しく撫でて話の続きをしてくれたのはサーシャさんだった。
「飛竜はね、大きな翼を持っているけどその翼は飛行制御に使うだけなの。ならどうやって飛んでるのかだけど魔力を使ってるの。このダックはね、その魔力が切れても気力だけでここまで飛んできたのよ。トムソンの為にね。それで極度の魔力枯渇状態になって生死の境を行ったり来たりしてるところだったの。今は獣医師が見てくれて少し落ち着いてるんだけど、今日の夜が山場らしいの」
とても悲しそうな表情で私に話してくれたサーシャさん。そしてその目が私に訴え掛けていた。『お願い治して』と。
私はサーシャさんを見て頷きトムソンさんに話し掛けた。
「トムソンさん、ダックは凄いね。こんなになるまで頑張って‥‥‥」
そのトムソンさんは再びダックを撫で始め、優しい目をしてそのダック見つめたままで話してくれた。
「ああ、ダックは凄いヤツなんだ。俺はダックに何度も助けられた。そして今回もな。ダックは親無しでな、赤ちゃんの頃から俺が育てたんだ。もちろん名付け親も俺だ」
「ダックっていい名前だね」
それを聞いたトムソンさんはダックを見つめながら撫でているが、その背中越しでも嬉しそうにしているのが判る。
「そうだろ?でもダックは敬称なんだ。本当の名前は少し長いんでな。その名前は『7人の聖女物語外伝』からもらったんだ」
(な、なにか嫌な予感がするのですが‥‥)
「その名前は『ギュードンツユダック』だ。どうだ?コイツにピッタリな名前だろ?」
(ぐはっ!笑いたいけど笑えないーー!)
「はは、素敵な名前ですね。早くて安くて美味しそうです」
「お前!ダックを食べる気か!!」
そう言って、ものすげー驚き顔で勢いよく振り向きダックを庇うように両手を広げ私を睨むアホなヤツ。
(誰が食うか!と言いたいところだが、もしかして飛竜って美味しいの?)
ほんの少しだけ獲物を見る目でダックを見た私は「食うのか!食うのか!」と叫ぶアホを払いのけ、ダックに優しく触りいつものセリフを少しアレンジして言ってやった。
「悪いところを全部治して。大盛りで」
するといつもより間が空いて、そしてヤケクソのように盛大に白く輝く光に包まれるダックであった。(これ大丈夫なの?)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる