世間から外れていた俺はどうやら有名企業の社長令嬢の三つ子として転生したらしい。〜どうせやり直すなら記憶はいらないんですけど〜

陽風鹿乃

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オシャレ

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「おはよ~」

眠気眼を擦りながらリビングの扉を開けると皆既に父さんを除いた皆が席についていた。父さんは…今日は早い日か…

「おはよ」

「おはよう!」

雪穂ももう昨日の喧嘩なんて気にも止めていない様子でパンに手を付ける。私の皿にだけサラダの人参とトマトが多い
中学生だぞ…野菜くらい食べてほしいものだ

「雪穂、彩夏…野菜くらい食えよ…」

「「嫌…」」

「せいちょ……」

成長しないぞ。と言おうとしてその言葉への違和感に言い切る前に口を閉じる

いや…私の方が2人と比べて小さいんだよな…好き嫌いせずにものを食べ、適度な運動もしていると言うのになぜだ!
あ…寝てないからですね…すいませんでした

「春!早く食べて!」

「おいおい…野菜を食えと言ってきてそれは違うだろ…」

「美春?忘れたの?今日は証明写真の日だから髪の毛を整えるのでしょう?」

娘の好き嫌いを平気で見逃してあげている母さんの、その言葉で今日の予定を思い出す。証明写真の撮影にしては遅い気がするが、頼んでいた写真屋の方が機材トラブルで撮影の延期があったのだ…

まぁ…証明写真くらい真面目に取らないとな……ピースとかしたら怒られるかな…怒られるよね…

「それより…2人の好き嫌いは見逃すの?」

「じゃあ美春は何できゅうりを彩夏に渡してるの?」

「…………」

ほ、ほら…きゅうりってさ…味薄いじゃん…無味なんだけど…

「ギネスブックにも世界一栄養がない果実って言われてるしさ、食べたい人が食べればいいかと…栄養の無いもの齧ってもあれだしね。まぁ、でもβカロティンとかカリウムとかあったり、むくみにも効くらしいけど、わ、私には要らないかなって」

「好き嫌いでしょ?」

「はい…」

人参もトマトも栄養価高いんだよ?それを残している方が悪いでしょ…好き嫌いをしたことに関しては同じく悪いのか…

「むむ…きゅうり…むくみに効くのか…」

彩夏がきゅうりに噛みしめるように食べ始める
お前むくむどころか、ほっそい脚持ってんだろ…太いのは私じゃボケェ。筋肉なんだけどね。

腕もお腹も脚も引き締まってはいるけど、明らかに女の子らしさの柔らかい体じゃ無いんだよな…スポーツ選手として見ればかっこいいのかもしれない。す…すこしだけ脂肪増やしてもうちょい柔らかい体にしようかな…
せっかくの女の子人生筋肉ダルマなんて嫌だし…
胸も結局は脂肪だから運動で燃焼し過ぎてるのかも…あとコーヒーかな…コーヒーも脂肪分散の効果があるからな…1日3杯以上飲むと脂肪分散に拍車がかかるらしい。

私?多い時で5杯かな…

ちっぱいはやだ!

「春も夏も本当に早く食べて、春は自分で出来ないんだからやんないといけないんだよ?」

「ちょ…子供扱いし過ぎなのでは…」

髪を整えるくらいなら出来るわい、女の子何年目だと思ってんだよ…ヘアアイロンも使えるしショートヘアの私はそんな時間かかんないって

「隈…誤魔化すメイクするから」

「あ、お願いします」

まぁ、雪穂の面倒見が良いところは好きだね。
やや折が合わなくて喧嘩する事が多いけど、互いにそんなの慣れっ子だから次の日には自然に仲直りしているし。
お姉ちゃんだーいすき!
うぷ…パン上がってきた…なれない事は心の中の独り言でもするもんじゃないな




「はい、ジッとしてて」

「ん…」

後ろでは彩夏が髪の毛を櫛で解きぴょんぴょん跳ねていた髪が久々に真っ直ぐになっていく

前では雪穂がナチュラルメイクと言うやつを施してくれている。中学生でもうメイク出来ないといけないんだなぁと思いながら待っている。私の目元の隈とにらめっこしないでくれ…

そのまま約20分くらいすると
ようやく終わったらしい…やっぱりこんな事毎日やるのは無理だな

「………だれ?」

鏡に写っているのは私っぽい誰かだ…

「いや…春だよ」

「だから、可愛くしてなさいって言ってるのに」

「それは…面倒くさいから嫌だ」

今こうして本当のそっくり三姉妹が完成したのであった

クラスの奴らどういう反応するのかな…入学式ですらやや乱れた髪だったし…送迎の車で眠っちゃって髪の後ろが潰れちゃったんだよね。隈はもう小学校からの相棒だし

「じゃあ今日は一緒に行こうよ!」

「だな…時間も無い」

「夏、私達も支度しようか」

「うん!」

そう言いそれぞれの部屋に戻っていく

私はもう一度鏡を見る

「凄いな」

自分で言うのはあれだが…メイクでここまで違うのか、そりゃ姉二人が可愛いなら私も同理のはずだし…
夜ふかし…控えようかな…

そう思いつつ自分と制服に着替えたのであった
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