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前世
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「あの人また一人で研究室使ってんでしょ?学院の施設を何だと思ってんだろうね」
「あの人の使った研究室、薬品臭凄くて近づきたくない…」
「マッドサイエンティストだよねwww」
薄暗い部屋の中に外のそんな声が入って来る。
気持ち悪がられる事は慣れたものだ
「うぜぇ~化学の研究したくて大学院の研究室入ったんだっつーの。ヤリサーどもは黙っとけカスが」
俺、新川優雅は小さい頃から他人に疎まれてきた。
別にデブとか異常なまでにブサイクとかでは無いのだが、あまりに陰気な性格と知的好奇心が豊富な事で、色々な小動物の剥製や白骨模型を作ってたりしていた事が原因で、28歳になった今でももう独り身を貫き通している。
どうしてか分からないが、誰も俺を知らない高校を選んだのに俺のその情報が伝播してきて、入学式の次の日には気持ち悪がられたよ。
「ああー!クソッ!この配列じゃ駄目だ!」
自分は訳あって女になる為の薬と言うものを開発しようとしている。理論はできた、後はその理論にあう薬品の制作をするだけなのだが上手くいかない。と言うかそんな簡単に出来たのならもうとっくに世の中に出回っているだろう
女になりたい理由?そんなの簡単な事だよ、まずはそんな物を作れたのならノーベル賞は確実だし、細くしなやかな女性の手先は研究に有利だし、あと女になってみたいだけ、って言うものだ
要は男の自分が女の体になった時の自分の思考の仕方や本能的なレベルで女性的な物になるのか、それとも体だけなのか…や
男女の身体能力の差をこの身で体験できるのか…と言った知的好奇心である
「優雅君何日目よ…いい加減にお風呂入りなよ」
「那月…俺が籠もってから何日経った…?5日か?」
「はぁ…8日」
尼崎那月(あまざきなつき)26歳の女性で彼女もここの大学院の研究室に入った人の一人である。
世話好き体質なのか眠気に負けて廊下でぶっ倒れてた所を救助してもらい、それ以降偶に俺の研究室に来ている。
彼女は黒い髪を揺らしながらこちらに来てはコンビニの袋を置く
「食べなさい」
「お題は?」
「1000円ぽっきりで良いわよ」
俺は財布から1000円を取り出し渡す。
栄養補助食品のゼリーとおにぎりとお茶であった
たぶん1000円もかかっていないが、手数をかけさせたのでここは感謝して頂こう
「甘…」
久々の甘味に舌がびっくりしている。
8日間は薬品で調合した、栄養はあって無害ではあるが死ぬ程苦い薬品を飲んで生きていた。主食はブドウ糖で副菜はビタミンに近い何かと、ミネラルっぽいものだ!
3日目辺りから舌麻痺するから問題なし
「んじゃ、研究も程々にしなよ」
「肝に銘じておこう」
そう言い彼女は出ていってしまった。
俺の方が年上だと言う事を知らないのでこうした距離感なのだろう。もしくはカモられてるか…
後者かな…後者だよね…うん…
「ついに…ついにやったぞ……」
とある大学院の研究室。その部屋にはその光を一切入れず、ただ中にある機械の音や中にいるとある男が散らばった紙を踏む音だけが。響いていた
それから半年ほど経った日であった。俺が人生で1番冷静さを欠いて自爆したのは
「これは…世界が変わる!ノーベル賞もんだ!」
理論に限りなく近い薬品を作り上げ、モルモットに投与したところ男性器が無くなり女性器が出来上がった
俺はやったのだ
俺は嬉しさのあまり、一度の実験だけで結果を過信し飲んだ
「いだ…いー!」
そこで俺は力尽きた
でも人間は死んでから数十秒は意識があるらしく、視界は真っ暗だが部屋に誰か入って来たのが分かった
「優雅君!出来たの!?」
おそらく俺の歓喜の雄叫びを聞いてとんできたのだろう。この声は間違いなく那月である
「………そっか…早まったんだね…」
あぁ…不覚だよ…
「資料やデータは消しといてあげるね。これは君以外が知っていい物じゃないから…お疲れ様。 新川先輩」
先輩って………やっぱカモってだけかよ…
こうして俺は死にました
「うわわわわぁぁぁ!!!!」
"私は"飛び起きた。背中を流れる一筋の汗に少しの不快感を抱き、慣れたはずの自分の体を触った
「お…女だよな…」
まさか前世の記憶の夢を見るとは思わなかった。
那月のやつ……どうしてんだろうな…
前世でいろいろ世話してくれた事は感謝するよ…けどさ…
資料とかデータを消したのはまだいい。てか感謝だ。
なんで…俺の死体放棄したんだよ…1番大事なもん忘れてんだろ…腐敗してから見つかったんだよ…このやろう…いや、このアマか…
はは、あいつもあと少しで40歳だな。もうおばさんって言われる年だな。もしこの体で出会えたら、感謝とこのく○ババア!よくも人の亡骸を!って言ってみようかな……硝酸とかかけられそうだからやめとこ…
「春、大丈夫?叫んでたみたいだけど」
およ…?雪穂が心配して部屋の前まで来てくれたようだ
前世の事はもう知らん。俺は……違う…私はこの体で冴木美春として生きていくんだ
姉2人を支えるのは私の仕事だ
「おはよ、悪夢見てな。騒がしくしてごめん」
「じゃあ早く起きたのだし髪でも整え…」
「もっと悪夢だぁ!」
姉を支えるなんて言ってるけど
私は今世でもやっぱ世話焼いてもらってばかりだよ
なぁ那月…お前は今誰の世話焼いてんだ?
「あの人の使った研究室、薬品臭凄くて近づきたくない…」
「マッドサイエンティストだよねwww」
薄暗い部屋の中に外のそんな声が入って来る。
気持ち悪がられる事は慣れたものだ
「うぜぇ~化学の研究したくて大学院の研究室入ったんだっつーの。ヤリサーどもは黙っとけカスが」
俺、新川優雅は小さい頃から他人に疎まれてきた。
別にデブとか異常なまでにブサイクとかでは無いのだが、あまりに陰気な性格と知的好奇心が豊富な事で、色々な小動物の剥製や白骨模型を作ってたりしていた事が原因で、28歳になった今でももう独り身を貫き通している。
どうしてか分からないが、誰も俺を知らない高校を選んだのに俺のその情報が伝播してきて、入学式の次の日には気持ち悪がられたよ。
「ああー!クソッ!この配列じゃ駄目だ!」
自分は訳あって女になる為の薬と言うものを開発しようとしている。理論はできた、後はその理論にあう薬品の制作をするだけなのだが上手くいかない。と言うかそんな簡単に出来たのならもうとっくに世の中に出回っているだろう
女になりたい理由?そんなの簡単な事だよ、まずはそんな物を作れたのならノーベル賞は確実だし、細くしなやかな女性の手先は研究に有利だし、あと女になってみたいだけ、って言うものだ
要は男の自分が女の体になった時の自分の思考の仕方や本能的なレベルで女性的な物になるのか、それとも体だけなのか…や
男女の身体能力の差をこの身で体験できるのか…と言った知的好奇心である
「優雅君何日目よ…いい加減にお風呂入りなよ」
「那月…俺が籠もってから何日経った…?5日か?」
「はぁ…8日」
尼崎那月(あまざきなつき)26歳の女性で彼女もここの大学院の研究室に入った人の一人である。
世話好き体質なのか眠気に負けて廊下でぶっ倒れてた所を救助してもらい、それ以降偶に俺の研究室に来ている。
彼女は黒い髪を揺らしながらこちらに来てはコンビニの袋を置く
「食べなさい」
「お題は?」
「1000円ぽっきりで良いわよ」
俺は財布から1000円を取り出し渡す。
栄養補助食品のゼリーとおにぎりとお茶であった
たぶん1000円もかかっていないが、手数をかけさせたのでここは感謝して頂こう
「甘…」
久々の甘味に舌がびっくりしている。
8日間は薬品で調合した、栄養はあって無害ではあるが死ぬ程苦い薬品を飲んで生きていた。主食はブドウ糖で副菜はビタミンに近い何かと、ミネラルっぽいものだ!
3日目辺りから舌麻痺するから問題なし
「んじゃ、研究も程々にしなよ」
「肝に銘じておこう」
そう言い彼女は出ていってしまった。
俺の方が年上だと言う事を知らないのでこうした距離感なのだろう。もしくはカモられてるか…
後者かな…後者だよね…うん…
「ついに…ついにやったぞ……」
とある大学院の研究室。その部屋にはその光を一切入れず、ただ中にある機械の音や中にいるとある男が散らばった紙を踏む音だけが。響いていた
それから半年ほど経った日であった。俺が人生で1番冷静さを欠いて自爆したのは
「これは…世界が変わる!ノーベル賞もんだ!」
理論に限りなく近い薬品を作り上げ、モルモットに投与したところ男性器が無くなり女性器が出来上がった
俺はやったのだ
俺は嬉しさのあまり、一度の実験だけで結果を過信し飲んだ
「いだ…いー!」
そこで俺は力尽きた
でも人間は死んでから数十秒は意識があるらしく、視界は真っ暗だが部屋に誰か入って来たのが分かった
「優雅君!出来たの!?」
おそらく俺の歓喜の雄叫びを聞いてとんできたのだろう。この声は間違いなく那月である
「………そっか…早まったんだね…」
あぁ…不覚だよ…
「資料やデータは消しといてあげるね。これは君以外が知っていい物じゃないから…お疲れ様。 新川先輩」
先輩って………やっぱカモってだけかよ…
こうして俺は死にました
「うわわわわぁぁぁ!!!!」
"私は"飛び起きた。背中を流れる一筋の汗に少しの不快感を抱き、慣れたはずの自分の体を触った
「お…女だよな…」
まさか前世の記憶の夢を見るとは思わなかった。
那月のやつ……どうしてんだろうな…
前世でいろいろ世話してくれた事は感謝するよ…けどさ…
資料とかデータを消したのはまだいい。てか感謝だ。
なんで…俺の死体放棄したんだよ…1番大事なもん忘れてんだろ…腐敗してから見つかったんだよ…このやろう…いや、このアマか…
はは、あいつもあと少しで40歳だな。もうおばさんって言われる年だな。もしこの体で出会えたら、感謝とこのく○ババア!よくも人の亡骸を!って言ってみようかな……硝酸とかかけられそうだからやめとこ…
「春、大丈夫?叫んでたみたいだけど」
およ…?雪穂が心配して部屋の前まで来てくれたようだ
前世の事はもう知らん。俺は……違う…私はこの体で冴木美春として生きていくんだ
姉2人を支えるのは私の仕事だ
「おはよ、悪夢見てな。騒がしくしてごめん」
「じゃあ早く起きたのだし髪でも整え…」
「もっと悪夢だぁ!」
姉を支えるなんて言ってるけど
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なぁ那月…お前は今誰の世話焼いてんだ?
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