ゴールデン高校美食倶楽部 新・文化祭カレー!

銀河星二号

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第1章「ゴールデン高校美食倶楽部」

文化祭を知る

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 昼休み。僕はヨーコちゃんと共に校庭の端にあるベンチへと向かった。ヨーコちゃんはニコニコである。良かった。とりあえず表面上は良かった。
「タッくん、今日のお弁当はカレーコロッケ入ってるんだよ」
「へえ」
「他は回鍋肉と、あとねぇ……」

 歩いている途中、ふと、通路脇の掲示板が目に入った。そして『ゴールデン文化祭 10月25、26日』の張り紙を見つけた。そうか、文化祭か。そういう季節か。
「もう文化祭なんだね、タッくん」
「うん、そうだね」
 僕はふと、何かを忘れている気がした。何だっけ?
 そして僕は掲示板の中に茶道部のお茶カフェのチラシを見つけた。ああ、文化祭の……出店……そうだ、僕は文化祭に店が出せることを完全に忘れていた。……ああああっ!何も用意してないしっ!
 い、急いで申請しないと……待てよ。今日が9月の25日。文化祭が10月の25と26日……つまり一ヶ月?僕は青ざめた。色は確認していないけれど、多分透明に近いブルーだったと思う。
「さあさ、タッくん、ごはんごはん♪」
 そんな僕の心を知ってか知らずか、ヨーコちゃんはニコニコと、僕の手を引いて先を急いだ。あああ、どどど、どうすれば……。

 校庭隅にあるベンチに僕らは座った。ヨーコちゃんは弁当を解説しつつ、時々おかずを分けてくれる。
「はーい、コロッケ。あーん」
 モグモグ。美味い。カレーの割合が絶妙だ。イモも美味いな。何の品種だろう。とか自動的に頭の中を今食べているコロッケについての考えが巡ったが、実は思考はそれどころじゃ無かった。
「美味しい?」
「……うん……美味しい……」
「カレーの味どう?」
「……カレー味……」
「……タッくん?大丈夫?」
 彼女は僕の目の前で手を振ったようで、僕はハッと気が付いた。
「あ、いや、カレーの割合が絶妙!ジャガイモの種類はインカ?今流行だよね!」
「……何かおかしいよ、タッくん」
「あ……うん……。えと……実は忘れていて……」
「何を?」
「……文化祭……」
「文化祭?さっき見たじゃん」
「その……出店……」
「あー!美食倶楽部!」
「……もう9月も末じゃん。さすがにもう……」
 僕は顔を手で覆って、つぶやいた。
「だねー。タッくんっ!まあ、綺麗さっぱり忘れようっ!」
「……やっぱそうなるよね……」
「さすがに一ヶ月切りそうな時期だし、生徒会ももう締め切ってるでしょ。」
「だよね……」
「うん」

 その時、僕の脳裏を何かがよぎった。
「えっ、あれ?生徒会?文化祭って、生徒会が仕切ってんの?」
「……良く知らないけれど、そうだと思うよ。文化祭って自主的にやるものとか言う建前があったと思うから、やるなら生徒会がまとめると思うよ」
 僕は考えた。生徒会……えーと。そうだ。……昴ちゃん!もしかしたら昴ちゃんに頼み込めば、今からでも間に合うかもしれない。
「よ、ヨーコちゃん!僕、ちょ、ちょっと行って来る!」
「え、タッくん?どこに行くの?」
「す、昴ちゃんに、会いに!」
「え……」

 僕は弁当をベンチに置き、すっくと立ち上がり、当て所なく走り出した。
「ちょ、ちょっと!タッくん!」
 後ろからヨーコちゃんが追ってくるような気がしたが、それどころでは無かった。僕は急いだ。時は一刻を争うのだ。
 昼……昼だと昴ちゃんはどこにいるんだ?僕は昴ちゃんの行動パターンを読んだ。昼飯時……まだ時間はそんなに経っていない。ならクラスにいる可能性が高い。行ってみよう!

 僕はクラスまで一目散に駆けていき、勢いよく引き戸を開けた。開けるのに力が入り過ぎていたのか、大きな音が響いた。クラスのみんなの視線がいっせいに僕に集まる。そして、その視線の中に昴ちゃんがいるのを見つけた。
「す、昴ちゃん!は、話があるんだけど!」
「な……何?」
「あ、ごめん……ちょっと話……いいかな?」
 周りの視線が、僕に集まっているのが分かる。僕はその場にいたたまれなくなり、場所を移動したくなった。
「いいけれど……何の話?」
「えと、ちょっとここだと話しにくいんで……場所を変えよう!」
「え……うん」
「じゃ、ちょ、ちょっと付いて来て」
 僕は昴ちゃんの手を引っぱった。行く当てがあった訳では無かった。今歩きながら考えている。人目が少なそうな場所はどこだろう?
 とりあえず、校舎を出よう。外へ。僕は彼女の手を引いて、学校裏へと向かった。
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