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γ-クラリウム星系群編(後編)
137-食えない爺さん
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シャトルからの通信に映ったのは、紫の肌の初老の男性だった。
『この度は、救援感謝する』
「いえ、それよりも.....何があったのですか」
『反乱軍については知っているかな、私はフーデリア・アルターテックのCEO、アルデラン・シェーミンだ、私はあの反乱軍を率いる男に協力していた者だ』
「.....それは、敵と見做していいという事ですか?」
『それは違う。あの男はあくまで、抑止力だと言ったので、大口径高圧荷電粒子砲を艤装させたのだ』
「高圧荷電粒子砲?」
『ステーションを破壊できるほどの大量破壊兵器だ、元はといえば送電システムだというのに.....』
何か事情がありそうだ。
艦内に入れて裏切られる前に、話だけは聞いておこう。
「まず、あなたは敵ですか、それとも味方ですか?」
『中立だ。私は罪を認めるが、もう奴らの味方をする気はない』
「あなたを助ける見返りが欲しいと言ったら?」
『あの艦の....いや、あの艦隊には弱点がある。それを教えよう』
「助けます」
「リリー様!?」
情報が欲しい。
あの男が裏切っても、機兵に制圧させればいい。
ハッキングされても、ペルソナが回復させるだろう。
『その決断力、娘を思い出す』
「娘さんが?」
『今は良い、それよりも.....私は、安全な場所に向かいたいのだが?』
「この船が一番安全です」
『分かった、信用は出来ないが....輸送艦であれば多少は大丈夫か』
シャトルが動き出し、ゆっくりとオリオンへ向かってくる。
そして、接舷する。
「画面の前でなければ、初めましてというべきだな」
「ええ」
オリオンへ乗り移ったアルデランは、俺たちの前でレーザーガンを投げ捨てた。
重い金属音を立てて、レーザーガンが床に転がる。
「よい待遇を、とは言わない。私は罪人でもあるから、適当な部屋に押し込んでくれて構わんよ」
「いいのですか?」
「救援が来なければ、私は緊急脱出用のワープドライブのないシャトルで一人――――人と話せるだけで、嬉しいものだよ」
そう言ってアルデランは微笑んだ。
だが、まだだ。
「待って下さい、報酬は先払いでなければ」
「ああ、分かっている。お茶の一つでも出してくれんかね、少し長くなる」
「でしたら、食堂に行きましょう」
「ふむ、大型の輸送艦だとは思ったが、あまり人はおらんのだな」
「ええ」
獅子身中の虫か、それとも棚から牡丹餅か。
分からないが、とにかく話してみる価値はある。
ペルソナに操船を任せ、俺はセンチネルを伴ってアルデランと廊下を歩く。
「実を言うとだね、私は君を害そうとは思っていないのだよ」
「どうしてです?」
「娘とそっくりだからさ、死んでしまったが」
「そうですか.....」
反応に困るな....
「私は娘を守るため、主力艦で脱出したが、追いつかれて娘は死んだ。残ったのはジジイ一人だけだよ」
「........」
「同情は要らない。もっとも、君がしたいのならばその限りではないがね」
俺たちは食堂に辿り着く。
特別な茶葉はないが、貴重な茶葉を使ってお茶を淹れる。
お茶請けは昨日作っておいた氷菓だ。
「ふむ、君はずいぶん可愛い物を作るのだな」
「......セクハラですか?」
「いや何、気にせんでくれ」
雰囲気がうまくつかめない爺さんだ。
俺は茶をテーブルに置く。
「......不味い、とは言わんよ」
「それはどうも」
「さて、長い話をしよう」
「少し、ではないのですか?」
「長い話だよ、とてもね」
そう言うと、アルデランはお茶を飲み干した。
『この度は、救援感謝する』
「いえ、それよりも.....何があったのですか」
『反乱軍については知っているかな、私はフーデリア・アルターテックのCEO、アルデラン・シェーミンだ、私はあの反乱軍を率いる男に協力していた者だ』
「.....それは、敵と見做していいという事ですか?」
『それは違う。あの男はあくまで、抑止力だと言ったので、大口径高圧荷電粒子砲を艤装させたのだ』
「高圧荷電粒子砲?」
『ステーションを破壊できるほどの大量破壊兵器だ、元はといえば送電システムだというのに.....』
何か事情がありそうだ。
艦内に入れて裏切られる前に、話だけは聞いておこう。
「まず、あなたは敵ですか、それとも味方ですか?」
『中立だ。私は罪を認めるが、もう奴らの味方をする気はない』
「あなたを助ける見返りが欲しいと言ったら?」
『あの艦の....いや、あの艦隊には弱点がある。それを教えよう』
「助けます」
「リリー様!?」
情報が欲しい。
あの男が裏切っても、機兵に制圧させればいい。
ハッキングされても、ペルソナが回復させるだろう。
『その決断力、娘を思い出す』
「娘さんが?」
『今は良い、それよりも.....私は、安全な場所に向かいたいのだが?』
「この船が一番安全です」
『分かった、信用は出来ないが....輸送艦であれば多少は大丈夫か』
シャトルが動き出し、ゆっくりとオリオンへ向かってくる。
そして、接舷する。
「画面の前でなければ、初めましてというべきだな」
「ええ」
オリオンへ乗り移ったアルデランは、俺たちの前でレーザーガンを投げ捨てた。
重い金属音を立てて、レーザーガンが床に転がる。
「よい待遇を、とは言わない。私は罪人でもあるから、適当な部屋に押し込んでくれて構わんよ」
「いいのですか?」
「救援が来なければ、私は緊急脱出用のワープドライブのないシャトルで一人――――人と話せるだけで、嬉しいものだよ」
そう言ってアルデランは微笑んだ。
だが、まだだ。
「待って下さい、報酬は先払いでなければ」
「ああ、分かっている。お茶の一つでも出してくれんかね、少し長くなる」
「でしたら、食堂に行きましょう」
「ふむ、大型の輸送艦だとは思ったが、あまり人はおらんのだな」
「ええ」
獅子身中の虫か、それとも棚から牡丹餅か。
分からないが、とにかく話してみる価値はある。
ペルソナに操船を任せ、俺はセンチネルを伴ってアルデランと廊下を歩く。
「実を言うとだね、私は君を害そうとは思っていないのだよ」
「どうしてです?」
「娘とそっくりだからさ、死んでしまったが」
「そうですか.....」
反応に困るな....
「私は娘を守るため、主力艦で脱出したが、追いつかれて娘は死んだ。残ったのはジジイ一人だけだよ」
「........」
「同情は要らない。もっとも、君がしたいのならばその限りではないがね」
俺たちは食堂に辿り着く。
特別な茶葉はないが、貴重な茶葉を使ってお茶を淹れる。
お茶請けは昨日作っておいた氷菓だ。
「ふむ、君はずいぶん可愛い物を作るのだな」
「......セクハラですか?」
「いや何、気にせんでくれ」
雰囲気がうまくつかめない爺さんだ。
俺は茶をテーブルに置く。
「......不味い、とは言わんよ」
「それはどうも」
「さて、長い話をしよう」
「少し、ではないのですか?」
「長い話だよ、とてもね」
そう言うと、アルデランはお茶を飲み干した。
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