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Δ-ハスラパル戦域編(前編)
164-無能な指揮官は百万の敵より厄介
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展開した王国艦隊は、まず最初にワープ妨害フィールドを破壊する。
262隻の帝国艦隊がそれに応じて、王国艦隊の射程外へと移動し始めた。
『雑魚には目もくれるな! ――――吶喊せよ!』
だが、駆逐艦を中心とした遊撃艦隊がそれを許さない。
本体から分離した艦隊は、真球陣で防御を測りながら帝国艦隊のど真ん中に突っ込む。
『ハルタッツェのペソナ撃ちの要領で行くぞ!』
艦隊の中に入った瞬間、個々にばらける。
そして、同じ対象を撃ち始めるのだ。
帝国艦隊側も、
『敵はバスヅカ戦術を使っている! こちらも一隻ずつ仕留めるのだ!』
同じ戦術に出るが、練度が違いすぎる。
帝国では貴族の力が強く、平民はそれに従うしかないのだ。
士気は低く、猟犬のように鍛えられた王国兵とは異なり、荷駄馬のように動く。
数を揃えられるという大きな長点はあるものの、全体としての練度は非常に低い。
帝国軍側が装備するビーム砲は、長射程で威力が高い。
その代わりとして連射性と追尾性が低く、遊撃艦隊の相手をするには不足だ。
『何故当たらんのだ!』
『全艦離脱! 後は仕上げを御覧じろ!』
そして。
足を止めた艦隊は、既に十分近づいてきていた艦隊の一斉射のただなかに叩き込まれる。
遊撃艦隊はこれ幸いと全速力で離脱。
バラバラに陣形を崩された状態で横殴りの形になった帝国艦隊は、陣形を整えようとする。
撤退するべき盤面だが、それは出来ない。
指揮官もまた貴族であり、今回の元凶を恐れている。
もししっ責されれば、地位が危うくなる。
それに命を懸けるほどには、愚かなのだ。
『散開! ゲートに艦隊を近づけさせるでないぞ! それぞれで狙って撃て!』
帝国艦隊は半分にまで減っていたが、それでもまだ戦艦は30隻以上残っていた。
艦隊をゲートの前で粗雑な壁を展開し、その火力を生かした各個撃破を狙う。
実際に有効な戦術ではあったが、距離が近すぎる。
最初からそれを選んでいれば、あるいは。
『戦艦艦隊、近距離クリスタルに換装せよ! 優先ターゲット指示!』
壁となったことで速度を失った小型、中型を戦艦が。
それ以外を、肉薄した駆逐艦が攻撃する。
一撃一撃は弱くとも、束ねればいくらでも強くできる。
数は力だが、力は数には及ばない。
『ええい、なぜ戦艦を狙わん! 好きに撃てとは言ったが駆逐艦を狙えとは言っておらんぞ!』
帝国側の指揮官は、戦艦以外を狙う部下に腹を立てていた。
高火力を最も容易く叩き出す戦艦を先に破壊しなければ、勝利はあり得ないとでも言うような口振りだ。
しかしながら、この場合はそれぞれの判断が正しい。
戦艦は火力だけが高いわけではない。
相応に堅牢である。
それをわざわざ狙うより、戦艦を護衛する艦隊を先に排除し、その後戦艦相手に機動戦に持ち込めば勝率は幾許か上がっただろう。
学ばなくとも立派な貴族になれる帝国と、貴族であっても民心を知らねばならぬ王国。
指揮官としての能力には、圧倒的な差があった。
程なくして帝国艦隊はようやく撤退の道を選ぶ。
たった21隻まで数を減らした艦隊は敗走、王国軍は残り2分でゲートを突破した。
262隻の帝国艦隊がそれに応じて、王国艦隊の射程外へと移動し始めた。
『雑魚には目もくれるな! ――――吶喊せよ!』
だが、駆逐艦を中心とした遊撃艦隊がそれを許さない。
本体から分離した艦隊は、真球陣で防御を測りながら帝国艦隊のど真ん中に突っ込む。
『ハルタッツェのペソナ撃ちの要領で行くぞ!』
艦隊の中に入った瞬間、個々にばらける。
そして、同じ対象を撃ち始めるのだ。
帝国艦隊側も、
『敵はバスヅカ戦術を使っている! こちらも一隻ずつ仕留めるのだ!』
同じ戦術に出るが、練度が違いすぎる。
帝国では貴族の力が強く、平民はそれに従うしかないのだ。
士気は低く、猟犬のように鍛えられた王国兵とは異なり、荷駄馬のように動く。
数を揃えられるという大きな長点はあるものの、全体としての練度は非常に低い。
帝国軍側が装備するビーム砲は、長射程で威力が高い。
その代わりとして連射性と追尾性が低く、遊撃艦隊の相手をするには不足だ。
『何故当たらんのだ!』
『全艦離脱! 後は仕上げを御覧じろ!』
そして。
足を止めた艦隊は、既に十分近づいてきていた艦隊の一斉射のただなかに叩き込まれる。
遊撃艦隊はこれ幸いと全速力で離脱。
バラバラに陣形を崩された状態で横殴りの形になった帝国艦隊は、陣形を整えようとする。
撤退するべき盤面だが、それは出来ない。
指揮官もまた貴族であり、今回の元凶を恐れている。
もししっ責されれば、地位が危うくなる。
それに命を懸けるほどには、愚かなのだ。
『散開! ゲートに艦隊を近づけさせるでないぞ! それぞれで狙って撃て!』
帝国艦隊は半分にまで減っていたが、それでもまだ戦艦は30隻以上残っていた。
艦隊をゲートの前で粗雑な壁を展開し、その火力を生かした各個撃破を狙う。
実際に有効な戦術ではあったが、距離が近すぎる。
最初からそれを選んでいれば、あるいは。
『戦艦艦隊、近距離クリスタルに換装せよ! 優先ターゲット指示!』
壁となったことで速度を失った小型、中型を戦艦が。
それ以外を、肉薄した駆逐艦が攻撃する。
一撃一撃は弱くとも、束ねればいくらでも強くできる。
数は力だが、力は数には及ばない。
『ええい、なぜ戦艦を狙わん! 好きに撃てとは言ったが駆逐艦を狙えとは言っておらんぞ!』
帝国側の指揮官は、戦艦以外を狙う部下に腹を立てていた。
高火力を最も容易く叩き出す戦艦を先に破壊しなければ、勝利はあり得ないとでも言うような口振りだ。
しかしながら、この場合はそれぞれの判断が正しい。
戦艦は火力だけが高いわけではない。
相応に堅牢である。
それをわざわざ狙うより、戦艦を護衛する艦隊を先に排除し、その後戦艦相手に機動戦に持ち込めば勝率は幾許か上がっただろう。
学ばなくとも立派な貴族になれる帝国と、貴族であっても民心を知らねばならぬ王国。
指揮官としての能力には、圧倒的な差があった。
程なくして帝国艦隊はようやく撤退の道を選ぶ。
たった21隻まで数を減らした艦隊は敗走、王国軍は残り2分でゲートを突破した。
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