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Δ-ハスラパル戦域編(後編)
182-回想、そして死は仄暗くそこへ横たわる
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俺は呪われている。
そんな思いを抱いたことが、過去にあった。
俺と関わると、皆不幸になって最後には...
もちろん、迷信だと思っていた。
高校二年の夏、あんなことが起こるまでは...
「よぉ、シノ!」
「ん?」
クラスで、朝の時間に陽キャ達が集まっているのを、低血圧からくる眠気に耐えながら見つめていた俺の肩を、誰かが叩いた。
振り返ると、金髪に染めた髪の男が立っていた。
「ハルキ、お前...染めたのか?」
「どうよ、カッコいいだろ」
「校則違反だぞ、先生になんて言われるか」
「これが俺のできる精一杯の反抗ってやつさ」
彼の名前は坂島春希。
俺の高校生入学以来の友人だ。
色々な場所に行ったし、色々なものを食った。
俺の家で同じ釜の飯も食った。
だって言うのに、俺は彼を理解しているつもりになっていた。
彼はいきなり、髪を染めて登校してきたのだ。
当然、大騒ぎになった。
「春希君、君は一体何を考えているのかね」
「ハイハイ、サーセン」
教頭先生に説教を受けていた彼は、全然真面目な様子ではなかった。
俺は彼をよく知っているつもりだった。
記憶の中の彼は、そんな受け答えをするヤツじゃなかった。
それが決定的になったのは、気まずさを紛らわせるために遊びに出た時だった。
あいつは道から外れたがって、俺は彼を抑えるのに必死だった。
そして。
「おい、ハルキ...何だ、それ」
「何って、ヤニだよ、ヤニ。エチョーって銘柄でよ、甘くて辛い」
高校生なのに、アイツがタバコに火をつけた時、俺は目の前のハルキがもう以前のハルキではなかったと知った。
俺は当然説得した。
補導されたら親が悲しむと。
そんな、常識的すぎてつまらない説教を俺がするはずがないと、アイツも同じように思っていたようで、
「ハァ? つまんねー事言うなよ」
「つまんない事じゃない」
「結局お前も、周りと一緒かよ。センコーやパパママに言いなりでさ。自分の主張をしたいって気持ちはないのかよ」
「...それは成人してからだろ。親の金で飯食ってるのに、反抗なんて馬鹿げてる」
「...キッショ、やっぱお前とは仲良くなれねえな」
そう言って、ハルキは夕闇に沈む街の中へ消えていった。
俺は後悔して、明日謝ろうと心に決めた。
だがハルキは翌日登校せず、また翌日も学校に来る事はなかった。
最後に別れてから三日後に、ハルキは変死体で見つかった。
鑑識で暴行によってついた打撲痕や、内臓破裂の跡が見つかったが、犯人は分からなかった。
だが、俺には何となくわかっていた。
こんなやり方をするのは、カタギじゃないと。
後に色々見聞きしたが、ハルキは自己のアイデンティティを証明したいがために、地元の暴力団に鉄砲玉として使われていたという。
何にせよ、ハルキは不幸になって死んだ。
声をかければ応えてくれて、
手を伸ばせば掴んでくれて、
話しかけられたら振り向いてしまうような彼は、もう手の届かない遥か彼方へと消えてしまったのだ。
それでも俺は耐えられた。
当時の俺には、様々なしがらみがあったからだ。
それに、俺を立ち直らせてくれる友人も。
どうすればいいかは、自然と見えてきた。
だが...
今は、どうすればいい?
イルクは、なんで死ななきゃいけなかったんだ?
分からない。
分からない。
分からない、分かれない。
また不幸にして失った。
アルも、ペルソナも、いつか不幸になるのか?
この呪いは、一度世界を挟んでも消えないのか?
「...」
また、俺は目を開く。
眠いのに眠れず、起き上がりたいのに起き上がれない。
トイレに行く事はできても、それ以外はできない。
話して、また何かを知るのが嫌になった。
食べても、吐いてしまうので無駄だと思った。
俺はどうしたらいい?
アルにこんな姿を見せられなくて、拒絶してしまった。
ペルソナは機械で、俺の心に無理やり踏み込んでくれるようなガッツのある人ではない。
もう、いっそ。
「楽になりたいな...」
俺は横を見た。
レイザーホークスが、暗闇でもよく見えた。
そんな思いを抱いたことが、過去にあった。
俺と関わると、皆不幸になって最後には...
もちろん、迷信だと思っていた。
高校二年の夏、あんなことが起こるまでは...
「よぉ、シノ!」
「ん?」
クラスで、朝の時間に陽キャ達が集まっているのを、低血圧からくる眠気に耐えながら見つめていた俺の肩を、誰かが叩いた。
振り返ると、金髪に染めた髪の男が立っていた。
「ハルキ、お前...染めたのか?」
「どうよ、カッコいいだろ」
「校則違反だぞ、先生になんて言われるか」
「これが俺のできる精一杯の反抗ってやつさ」
彼の名前は坂島春希。
俺の高校生入学以来の友人だ。
色々な場所に行ったし、色々なものを食った。
俺の家で同じ釜の飯も食った。
だって言うのに、俺は彼を理解しているつもりになっていた。
彼はいきなり、髪を染めて登校してきたのだ。
当然、大騒ぎになった。
「春希君、君は一体何を考えているのかね」
「ハイハイ、サーセン」
教頭先生に説教を受けていた彼は、全然真面目な様子ではなかった。
俺は彼をよく知っているつもりだった。
記憶の中の彼は、そんな受け答えをするヤツじゃなかった。
それが決定的になったのは、気まずさを紛らわせるために遊びに出た時だった。
あいつは道から外れたがって、俺は彼を抑えるのに必死だった。
そして。
「おい、ハルキ...何だ、それ」
「何って、ヤニだよ、ヤニ。エチョーって銘柄でよ、甘くて辛い」
高校生なのに、アイツがタバコに火をつけた時、俺は目の前のハルキがもう以前のハルキではなかったと知った。
俺は当然説得した。
補導されたら親が悲しむと。
そんな、常識的すぎてつまらない説教を俺がするはずがないと、アイツも同じように思っていたようで、
「ハァ? つまんねー事言うなよ」
「つまんない事じゃない」
「結局お前も、周りと一緒かよ。センコーやパパママに言いなりでさ。自分の主張をしたいって気持ちはないのかよ」
「...それは成人してからだろ。親の金で飯食ってるのに、反抗なんて馬鹿げてる」
「...キッショ、やっぱお前とは仲良くなれねえな」
そう言って、ハルキは夕闇に沈む街の中へ消えていった。
俺は後悔して、明日謝ろうと心に決めた。
だがハルキは翌日登校せず、また翌日も学校に来る事はなかった。
最後に別れてから三日後に、ハルキは変死体で見つかった。
鑑識で暴行によってついた打撲痕や、内臓破裂の跡が見つかったが、犯人は分からなかった。
だが、俺には何となくわかっていた。
こんなやり方をするのは、カタギじゃないと。
後に色々見聞きしたが、ハルキは自己のアイデンティティを証明したいがために、地元の暴力団に鉄砲玉として使われていたという。
何にせよ、ハルキは不幸になって死んだ。
声をかければ応えてくれて、
手を伸ばせば掴んでくれて、
話しかけられたら振り向いてしまうような彼は、もう手の届かない遥か彼方へと消えてしまったのだ。
それでも俺は耐えられた。
当時の俺には、様々なしがらみがあったからだ。
それに、俺を立ち直らせてくれる友人も。
どうすればいいかは、自然と見えてきた。
だが...
今は、どうすればいい?
イルクは、なんで死ななきゃいけなかったんだ?
分からない。
分からない。
分からない、分かれない。
また不幸にして失った。
アルも、ペルソナも、いつか不幸になるのか?
この呪いは、一度世界を挟んでも消えないのか?
「...」
また、俺は目を開く。
眠いのに眠れず、起き上がりたいのに起き上がれない。
トイレに行く事はできても、それ以外はできない。
話して、また何かを知るのが嫌になった。
食べても、吐いてしまうので無駄だと思った。
俺はどうしたらいい?
アルにこんな姿を見せられなくて、拒絶してしまった。
ペルソナは機械で、俺の心に無理やり踏み込んでくれるようなガッツのある人ではない。
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レイザーホークスが、暗闇でもよく見えた。
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