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ε-エストジール帝国編(前編)
215-ビバ!リゾートビーチ!
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1時間後。
ホテルで貴重品を預け、俺たちは海へと繰り出した。
と言っても、俺は水着を着て車椅子に座ったままだが。
穏やかな海風の吹く砂浜へと出た俺は、パラソルの下でペルソナと共に寛いでいた。
眼下には、海に突撃して泳いでいるナスカとアルの姿があった。
「アルって、泳げるんだなあ...」
「ジオランド星系でも、富裕層向けのプールはありますからね」
「......あっ、勝手にアルのデータベース見たね」
アルがジオランド星系の人間である事を直接的に明かした覚えはない。
勝手にデータベースを覗いたな。
そう思った俺だったが、
「ふふ、私はそのような事はしません、幾つもの会話の断片から個人的に推測したまでです」
「おっと、してやられたってことか」
自分で認めてしまったということか。
俺はテーブルに手を伸ばし、ソーダを少し口に含む。
できるなら俺も泳ぎたいが、ペルソナの了解が得られない。
「ねえ、ペルソナは泳がないの?」
「お望みであれば遊泳は可能ですが...私は別に、泳ぐという行為になんら付加価値を見出せないので」
「確かに、そうか」
俺はソーダのグラスを再び置き、口内でゲップした。
息を吐き出して、水平線の先を見た。
吸い込まれそうなその先は、どうなっているんだろうか?
それを考えるのが少し怖かったので、俺は2人に視線を戻す。
アルは救命道具を全身につけた上で浮き輪装備になっている。
あのまま沖に出る気なんだろうか。
まあ最悪、オリオンから作業用ドローンを飛ばして救出自体は可能だが。
「ナスカ、アルと仲良くなったなあ」
気のいい兄ちゃんだからだろう。
アルも、俺とは距離が掴みにくいようだし。
保護者ではなく、友人として接することができる相手が必要だ。
「せっかく静養しに来たのに、いつも通りのことばかり考えちゃうな...」
「それでいいのでは?」
「それじゃあ休みとは言えないし...」
寒くなってきたので、俺はパラソルを閉じ、サングラスを付けた。
初夏くらいの暑さが肌を焼く。
「あっ、ダメですよ。日焼け止めを塗りませんと」
「面倒だなあ...」
「私が塗りますね」
ものぐさで悪いな。
俺はペルソナに日焼け止めを塗ってもらう。
「マッサージとか、後でしてもらおうかなあ」
「やりますよ!」
よく日焼け止めを塗るシーンがいかがわしいような扱いをされているが、受けてみると意外に恥ずかしい。
何というか、意図せずしてマッサージになっているというか.....
アルには見せられないな。
「それにしても、日焼け止めなんてよく持ってたね」
「ホテルで購入しました」
「あ、そっか」
ホテルのサービスは超充実しており、何より売店が凄い。
レジャー用品は何でも揃うし、釣り竿などのレンタルもやっている。
異世界の、それに異星の店で釣り竿を見るとは思わなかったが......
アルが使っている浮き輪もレンタルだ。
いつか、釣りもやりたいな.....
「ちょっと寝るね」
「分かりました!」
適宜ペルソナがパラソルで体温を調整してくれることを期待して、俺は太陽の下で目を閉じた。
ホテルで貴重品を預け、俺たちは海へと繰り出した。
と言っても、俺は水着を着て車椅子に座ったままだが。
穏やかな海風の吹く砂浜へと出た俺は、パラソルの下でペルソナと共に寛いでいた。
眼下には、海に突撃して泳いでいるナスカとアルの姿があった。
「アルって、泳げるんだなあ...」
「ジオランド星系でも、富裕層向けのプールはありますからね」
「......あっ、勝手にアルのデータベース見たね」
アルがジオランド星系の人間である事を直接的に明かした覚えはない。
勝手にデータベースを覗いたな。
そう思った俺だったが、
「ふふ、私はそのような事はしません、幾つもの会話の断片から個人的に推測したまでです」
「おっと、してやられたってことか」
自分で認めてしまったということか。
俺はテーブルに手を伸ばし、ソーダを少し口に含む。
できるなら俺も泳ぎたいが、ペルソナの了解が得られない。
「ねえ、ペルソナは泳がないの?」
「お望みであれば遊泳は可能ですが...私は別に、泳ぐという行為になんら付加価値を見出せないので」
「確かに、そうか」
俺はソーダのグラスを再び置き、口内でゲップした。
息を吐き出して、水平線の先を見た。
吸い込まれそうなその先は、どうなっているんだろうか?
それを考えるのが少し怖かったので、俺は2人に視線を戻す。
アルは救命道具を全身につけた上で浮き輪装備になっている。
あのまま沖に出る気なんだろうか。
まあ最悪、オリオンから作業用ドローンを飛ばして救出自体は可能だが。
「ナスカ、アルと仲良くなったなあ」
気のいい兄ちゃんだからだろう。
アルも、俺とは距離が掴みにくいようだし。
保護者ではなく、友人として接することができる相手が必要だ。
「せっかく静養しに来たのに、いつも通りのことばかり考えちゃうな...」
「それでいいのでは?」
「それじゃあ休みとは言えないし...」
寒くなってきたので、俺はパラソルを閉じ、サングラスを付けた。
初夏くらいの暑さが肌を焼く。
「あっ、ダメですよ。日焼け止めを塗りませんと」
「面倒だなあ...」
「私が塗りますね」
ものぐさで悪いな。
俺はペルソナに日焼け止めを塗ってもらう。
「マッサージとか、後でしてもらおうかなあ」
「やりますよ!」
よく日焼け止めを塗るシーンがいかがわしいような扱いをされているが、受けてみると意外に恥ずかしい。
何というか、意図せずしてマッサージになっているというか.....
アルには見せられないな。
「それにしても、日焼け止めなんてよく持ってたね」
「ホテルで購入しました」
「あ、そっか」
ホテルのサービスは超充実しており、何より売店が凄い。
レジャー用品は何でも揃うし、釣り竿などのレンタルもやっている。
異世界の、それに異星の店で釣り竿を見るとは思わなかったが......
アルが使っている浮き輪もレンタルだ。
いつか、釣りもやりたいな.....
「ちょっと寝るね」
「分かりました!」
適宜ペルソナがパラソルで体温を調整してくれることを期待して、俺は太陽の下で目を閉じた。
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