輸送艦オリオン~SF異世界に転生したら、女体化したうえ大型輸送艦の艦長になりました!最強輸送艦で商人プレイ!~

黴男

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ε-エストジール帝国編(前編)

214-海辺のホテル

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数時間後。
俺たちは現地のホテルにチェックインを済ませていた。
王国の企業が経営元のホテルで、バリアフリー完備だったので選んだ。

「いい雰囲気だね」
「ああ」

ロビーをウロチョロするアルを眺めつつ、俺はソファにもたれかかるナスカに同意を求める。
ナスカは気のない返事を返す。
ロビーはやる気のない噴水があり、あちらこちらに水路が張り巡らされていて、水音が耳を楽しませてくれる。
外はちょっと暑かったから、冷房が汗ばんだ肌に触れて気持ちが良い。

「部屋の準備は30分後に出来るそうです」
「そう」

レセプションで話していたペルソナが戻って来た。
このホテルは一応高級に類するホテルなので、斜面に沿って一室のバルコニーがずらっと並ぶ形になっている。

「故郷を思い出すぜ」
「へえ、良いとこ住んでるじゃん」

ナスカは感慨深げに呟く。
その呟きを拾い、俺はナスカがどこに住んでいたか考える。
とんでもない野郎だが教養は感じるし、やはり地中海気候に近い中流家庭生まれなんだろう。
あまり気にしたことはないが、顔の彫りは深くないし、肌色を考えるとハーフかな?

「良いところかはわかんねえな...飛び出してきたしな」
「なんで戻ろうと思ったの?」

気になる。
飛び出して来た場所に戻るって、どういう心境なんだ?

「わかんねえ...まあ、色々と心境の変化って奴だ」
「ふうん」

このポジティブの塊のような男にも悩む事はあるのか。
俺は顎に手を当てる。

「リリー様、お部屋の準備が出来たようです」
「お、ありがとう...アル、行くよ!」
「はーい!」

返事を考えている間にペルソナがやって来て、そう言った。
俺はアルを呼び、みんなで部屋へと向かう。
ナスカは変わらず楽しげにしていたが、それが俺にはよく分からなかった。



「どうぞ」
「わぁーー! すごい!」

部屋に入ると、アルが真っ先に叫んだ。
元富裕層のアルでも、こういう部屋に驚くことはあるのか。
部屋はベッドが二つ、ソファが一つにテレビもある。
キッチンは流石にないが、中型の冷蔵庫が一つ、中にはウェルカムドリンクのボトルが三つ入っていた。

「お...俺のベッドは?」
「奴隷は床で寝てね」
「...りょーかい」

ひでえ言い草だとは我ながら思うが、今回のホテル代に1ミリも貢献してないやつのベッドまで用意する必要は感じなかった。
ソファで寝てもらおう。

「ペルソナも悪いけど、椅子で休んで」
「はい」

俺は車椅子で部屋を突っ切り、バルコニーに繋がる窓を開ける。
開けた瞬間、潮風が部屋に吹き込んできた。
バルコニーはベッドとビーチベッドがそれぞれ二つ、パラソルが一つ置いてあった。

「まあ、良い感じだね」
「ああ」

ウェルカムドリンクの水を飲み干しながら、ナスカが同意する。
ボトルを握りつぶすように飲んでいて、一瞬でボトルから水が無くなった。

「...水は買わないからね」
「ああ、わかってる」

ホントにわかってんのかよ。
そう思いつつ、俺はまだ陽が高い事を確かめる。

「海、行こうか」
「賛成!」

アルが手を挙げる。
ナスカは無効票として、ペルソナは...

「良いと思います、リリー様はまだOKは出せませんが...」
「それは分かってるよ」

アルとナスカが遊べれば良い。
俺はそう思って、荷物からとあるものを取り出した。

「じゃーん、ナスカ用の競泳パンツも買ってあるんだ」
「なっ...!?」

ナスカが面食らったような顔をして、そのまま柱に激突した。
何か驚くようなことでもしたかな。
よく分からないが、まあとにかく行くか。
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