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ε-エストジール帝国編(前編)
226-帰り道
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「ナスカはどうだったのさ」
「....別に」
帰り道。
ペルソナに運転を任せ、アルを助手席に寝かせた俺たちは、後部座席でナスカと話す。
日も沈みかけ、黄昏が訪れようとしているので、全然オープンでも構わないとの事で屋根は開いている。
暑さもすっかり収まり、涼しい風が吹いている。
「急にどうしたの、元気なくした風に」
「嫌な夢見ちまって」
「ふーん」
眠ったのはお前の方だから、自己責任だけどな。
そう言おうとして、俺はだからナスカが恨み節を吐かないのだと気付く。
「それより、居眠りしてたけど....ショーは見なくてよかったの?」
「興味ねえし」
「チケット代、今からでも借金にプラスしてもいいんだけどな」
「....ああ、構わねーよ」
何か様子が違うな。
俺は調子が狂う事に困惑しつつも、髪を指で絡め取りながら呟く。
「もしかして、借金返せるアテが見つかったかな?」
「.....」
「それとも、両親を頼る?」
「.......」
「情けないと思うけどな」
わざと煽って、情報を引き出そうとする。
その後暫くおちょくってみると、ナスカの方から折れた。
「わーーーー!! 悪かったって!! 情けねーのは分かってるよ!」
「そう」
「その目で見るなよ! ......俺だって、年中ふざけてるわけじゃねえ」
「ふざけてる自覚はあるんだ?」
俺はふっと笑ってみせる。
こいつ、わざとやってるなら流石に水に流せないぞ。
「ただ、ちょっと...思うところがあっただけなんだ」
「それが何かは教えてくれないんだ」
「言葉にできねえ」
まあ、そのうち分かることではあるか。
俺は溜息を吐く。
吹き抜けていく風が、髪を揺らす。
その感覚が鬱陶しくて、腕に巻いていたマジックバンドを解いて、髪を結える。
毛量が多くなってきたので、色々な髪型にペルソナがしてくれるが、俺は基本そういうのを覚えるのが苦手なのでポニーテールを好んでいる。
「ところで、ナスカ」
「...なんだ?」
「アルと何を話したの?」
「...バレてたか」
バレてないとでも思ったか。
ナスカがアルと2人きりになりたいなんて、そんな不自然なことはない。
あの2人がそこまで仲良い訳でもないのは俺が一番よく知っている。
何故かは分からないが、俺の前では仲良くしていても、裏では牽制し合うような動きを見せている。
ペルソナがしっかりと見ている。
「別に、ちょっと確認したいことがあっただけだ」
「アルに何かするつもり?」
「いや? ...あんたは本当に、あの子が大事なんだな」
「当然」
仕事で保護している上、俺が自分で望んで引き入れた。
だから責任は持つ。
保護者としての責任だけではなく、親代わりとしても。
「もしあんたが結婚することになったら、あの子はどうするんだ」
「それは君には関係ないし、言う気もないよ」
そもそも俺は結婚しない。
男と結婚するのは出来ればごめん被りたい、それに、そういう関係に縛られるのが嫌だ。
肉体関係とはいっても、それは契約のようなものだ。
面倒臭い。
それでも、政略上の結婚をしなければならないのなら、俺はアルをジオランドへ戻す。
「あんたも俺に隠し事をしてる、なら俺もあんたに何か話すことはねえよ」
「そう」
では無理だな。
お互いに話すことなど何もない。
俺は外へ目をやる。
左から右へ流れていく街灯の光が嫌に目立つ。
黄昏も終わり、夜がやってくるところのようだ。
「帰ったらすぐディナーかな?」
「はい、帰投から30分後にお食事です」
「了解」
到着まではまだ少しある。
俺は暫し休もうと、席と窓の間に頭を預けて目を閉じた。
「....別に」
帰り道。
ペルソナに運転を任せ、アルを助手席に寝かせた俺たちは、後部座席でナスカと話す。
日も沈みかけ、黄昏が訪れようとしているので、全然オープンでも構わないとの事で屋根は開いている。
暑さもすっかり収まり、涼しい風が吹いている。
「急にどうしたの、元気なくした風に」
「嫌な夢見ちまって」
「ふーん」
眠ったのはお前の方だから、自己責任だけどな。
そう言おうとして、俺はだからナスカが恨み節を吐かないのだと気付く。
「それより、居眠りしてたけど....ショーは見なくてよかったの?」
「興味ねえし」
「チケット代、今からでも借金にプラスしてもいいんだけどな」
「....ああ、構わねーよ」
何か様子が違うな。
俺は調子が狂う事に困惑しつつも、髪を指で絡め取りながら呟く。
「もしかして、借金返せるアテが見つかったかな?」
「.....」
「それとも、両親を頼る?」
「.......」
「情けないと思うけどな」
わざと煽って、情報を引き出そうとする。
その後暫くおちょくってみると、ナスカの方から折れた。
「わーーーー!! 悪かったって!! 情けねーのは分かってるよ!」
「そう」
「その目で見るなよ! ......俺だって、年中ふざけてるわけじゃねえ」
「ふざけてる自覚はあるんだ?」
俺はふっと笑ってみせる。
こいつ、わざとやってるなら流石に水に流せないぞ。
「ただ、ちょっと...思うところがあっただけなんだ」
「それが何かは教えてくれないんだ」
「言葉にできねえ」
まあ、そのうち分かることではあるか。
俺は溜息を吐く。
吹き抜けていく風が、髪を揺らす。
その感覚が鬱陶しくて、腕に巻いていたマジックバンドを解いて、髪を結える。
毛量が多くなってきたので、色々な髪型にペルソナがしてくれるが、俺は基本そういうのを覚えるのが苦手なのでポニーテールを好んでいる。
「ところで、ナスカ」
「...なんだ?」
「アルと何を話したの?」
「...バレてたか」
バレてないとでも思ったか。
ナスカがアルと2人きりになりたいなんて、そんな不自然なことはない。
あの2人がそこまで仲良い訳でもないのは俺が一番よく知っている。
何故かは分からないが、俺の前では仲良くしていても、裏では牽制し合うような動きを見せている。
ペルソナがしっかりと見ている。
「別に、ちょっと確認したいことがあっただけだ」
「アルに何かするつもり?」
「いや? ...あんたは本当に、あの子が大事なんだな」
「当然」
仕事で保護している上、俺が自分で望んで引き入れた。
だから責任は持つ。
保護者としての責任だけではなく、親代わりとしても。
「もしあんたが結婚することになったら、あの子はどうするんだ」
「それは君には関係ないし、言う気もないよ」
そもそも俺は結婚しない。
男と結婚するのは出来ればごめん被りたい、それに、そういう関係に縛られるのが嫌だ。
肉体関係とはいっても、それは契約のようなものだ。
面倒臭い。
それでも、政略上の結婚をしなければならないのなら、俺はアルをジオランドへ戻す。
「あんたも俺に隠し事をしてる、なら俺もあんたに何か話すことはねえよ」
「そう」
では無理だな。
お互いに話すことなど何もない。
俺は外へ目をやる。
左から右へ流れていく街灯の光が嫌に目立つ。
黄昏も終わり、夜がやってくるところのようだ。
「帰ったらすぐディナーかな?」
「はい、帰投から30分後にお食事です」
「了解」
到着まではまだ少しある。
俺は暫し休もうと、席と窓の間に頭を預けて目を閉じた。
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