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シーズン3-大侵攻の序曲
065-みんなで食事
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ナージャの協力で、ラー・アーク含め「Ve’z」の技術はだいぶ明るみに出た。
あの機体が持っていた連射可能な最終兵器「ラルクアンシエル」は、流石にコピーできなかった。
ナージャに与えられた知識は全て応用段階のものであり、基礎の知識が存在しないのだ。
よって、復元できたラルクアンシエルはNoa-Tunに直接配備されている。
『この構造はエネルギーを集約する。既に構造データをオーロラに転送』
「ああ」
俺にはよく分からないのだが、オーロラが分かればそれでいい。
「待て、ここの構造がエネルギーを集約するなら、ここの構造は何だ? 先程は変換機と言っていたが、直接繋がっているようには見えないが」
『機関出力のエネルギー過剰、循環装置を通して集束』
「成程」
ナージャの物言いは少し言葉足らずだが、分からないほどではない。
『理解不能?』
「いや、ある程度は理解している」
『問題なし、確認』
数時間後、解析作業を一度切り上げて、俺たちは食堂へと向かう。
「食事はできるか?」
『行為的な意味であれば可能。肉体的な意味であれば、こちらも可能。この義体は人間と類似する性能を保持』
「何か好みはあるか?」
『味覚機能、未使用。嗜好無し、新規登録、必要』
「分かった」
つまり、食事は出来るが味の好みはそもそもモノを食べたことが無いので無いという訳だ。
俺は機械を操作し、二人分のチキントマト煮を注文する。
妹が好きだったメニューだ。
ナージャやルルたちは、何だか妹のようで、たまにこのメニューを食べさせている。
『料理、食物と認識』
「こうやって食べるんだ」
俺はナイフとフォークを使って、肉を口に運ぶ。
そして、咀嚼して飲み込んだ。
ナージャもそれを模倣して、同じ回数噛んで飲み込む。
『味蕾からノイズ、除去』
「しなくていい、それが”味”だ」
『理解』
オーロラが咄嗟に繰り出した人間文化(彼女にとってのキャッシュデータの塊のようなものだ)バケツの水を全部飲み干したナージャは、人間の文化に興味を持つようになった。
俺に協力しているのも、その節があっての事だ。
『体内消化領域の7割を使用』
「腹一杯か、残りは俺が食おうか?」
『衛生的な問題、処分』
「分かった」
もともとたくさん食べるための機能ではないんだろうな。
半分くらい残したので、残りは食おうかと提案したが、彼女はちゃんと断った。
別に残しても、バイオマスに再変換されるだけなのでエコだしな。
「あ、シン様!」
「おうさま!」
その時、ルルとネムがやって来た。
後ろにはゲブラーとケセドが控えている。
二機は入り口近くで止まると、邪魔にならないよう左右に分かれて停止する。
「あれ? ゲーとケーは?」
「来い、ゲブラー、ケセド」
付いてこない二機に、ネムが呼びかける。
こちらに来るべきか迷っていたようだったので、俺が命じて傍に来させる。
だいぶ賑やかになったな。
「二人は何を食べるんだ?」
「オムライス!」
「えと...その、カルパンチフを...」
ルルは控えめに、ネムは元気よく答えた。
カルパンチフとは、獣人の郷土料理で、本当にあの乗っている鳥を食べるらしい。
甘辛いソースを再現するのに手間取ったとオーロラが言っていた。
俺は表情を緩めて、二人が競うように注文コーナーへ行くのを眺めていた。
あの機体が持っていた連射可能な最終兵器「ラルクアンシエル」は、流石にコピーできなかった。
ナージャに与えられた知識は全て応用段階のものであり、基礎の知識が存在しないのだ。
よって、復元できたラルクアンシエルはNoa-Tunに直接配備されている。
『この構造はエネルギーを集約する。既に構造データをオーロラに転送』
「ああ」
俺にはよく分からないのだが、オーロラが分かればそれでいい。
「待て、ここの構造がエネルギーを集約するなら、ここの構造は何だ? 先程は変換機と言っていたが、直接繋がっているようには見えないが」
『機関出力のエネルギー過剰、循環装置を通して集束』
「成程」
ナージャの物言いは少し言葉足らずだが、分からないほどではない。
『理解不能?』
「いや、ある程度は理解している」
『問題なし、確認』
数時間後、解析作業を一度切り上げて、俺たちは食堂へと向かう。
「食事はできるか?」
『行為的な意味であれば可能。肉体的な意味であれば、こちらも可能。この義体は人間と類似する性能を保持』
「何か好みはあるか?」
『味覚機能、未使用。嗜好無し、新規登録、必要』
「分かった」
つまり、食事は出来るが味の好みはそもそもモノを食べたことが無いので無いという訳だ。
俺は機械を操作し、二人分のチキントマト煮を注文する。
妹が好きだったメニューだ。
ナージャやルルたちは、何だか妹のようで、たまにこのメニューを食べさせている。
『料理、食物と認識』
「こうやって食べるんだ」
俺はナイフとフォークを使って、肉を口に運ぶ。
そして、咀嚼して飲み込んだ。
ナージャもそれを模倣して、同じ回数噛んで飲み込む。
『味蕾からノイズ、除去』
「しなくていい、それが”味”だ」
『理解』
オーロラが咄嗟に繰り出した人間文化(彼女にとってのキャッシュデータの塊のようなものだ)バケツの水を全部飲み干したナージャは、人間の文化に興味を持つようになった。
俺に協力しているのも、その節があっての事だ。
『体内消化領域の7割を使用』
「腹一杯か、残りは俺が食おうか?」
『衛生的な問題、処分』
「分かった」
もともとたくさん食べるための機能ではないんだろうな。
半分くらい残したので、残りは食おうかと提案したが、彼女はちゃんと断った。
別に残しても、バイオマスに再変換されるだけなのでエコだしな。
「あ、シン様!」
「おうさま!」
その時、ルルとネムがやって来た。
後ろにはゲブラーとケセドが控えている。
二機は入り口近くで止まると、邪魔にならないよう左右に分かれて停止する。
「あれ? ゲーとケーは?」
「来い、ゲブラー、ケセド」
付いてこない二機に、ネムが呼びかける。
こちらに来るべきか迷っていたようだったので、俺が命じて傍に来させる。
だいぶ賑やかになったな。
「二人は何を食べるんだ?」
「オムライス!」
「えと...その、カルパンチフを...」
ルルは控えめに、ネムは元気よく答えた。
カルパンチフとは、獣人の郷土料理で、本当にあの乗っている鳥を食べるらしい。
甘辛いソースを再現するのに手間取ったとオーロラが言っていた。
俺は表情を緩めて、二人が競うように注文コーナーへ行くのを眺めていた。
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