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シーズン3-大侵攻の序曲
068-意外な客人
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緊急事態というのは、突然起こるものだ。
その日、俺は戦闘指揮所で非常食糧を口にしていた。
気にするなと言ったのだが、ナージャも一緒に食べている。
『味蕾の反応が比較的薄弱。エネルギー総量は通常の食物より高いように思える』
「だろうな、嗜好品というよりは行動食に近い」
戦闘指揮所は、ルルが作ったらしいプチ・シン人形で溢れかえっていた。
異様な光景だが、殺風景な以前よりはマシに思える。
『”紅茶”なる液体、意味不明。水分を摂取するのに、香料、追加成分不要と思考』
「その辺は個人の嗜好だな。ただ水を飲むのが嫌な人間もいる」
『理解』
俺は食事を片付け、パック一式を畳んでダストボックスに放り込む。
さあ、これから仕事だ――――
『緊急事態発生。緊急事態発生。広域索敵網にワープ反応。数:1。推定質量から判断すると、シャトルもしくはポッド級と思われます』
俺はコンソールの保護フィールドを消し、操作を始めた。
「状況報告」
『第四惑星付近にワープ反応。領域隠蔽ユニットを何らかの手段で突き破って来たものと予測されます』
「まずいな、すぐに艦隊を派遣しろ。ただしすぐに攻撃はするな。ワープ妨害をかけて捕縛しろ。ジャンプピンガー展開の気配あれば即刻撃墜せよ」
『はい』
すぐにインプとブラインドファイス艦隊が編成され、格納庫からスクランブル発進していく。
「領域隠蔽ユニットのシステムチェック、二本目を起動しろ」
『既に行っております』
領域隠蔽ユニットは稼働しっ放しだったからな。
定期的にリペアを掛けていたものの、内部のクリスタルか何かが消耗している可能性はある。
『敵を視認。武装なし、脱出ポッドのようなモノと予測されます』
「ワープ妨害をかけろ」
『既に試行しています。抵抗の様子はなし、キャスケットに収納します』
小型船の係留に特化した特殊輸送艦キャスケットが後続で到着し、ポッドを収納してワープする。
それと同時に艦隊も撤収を始める。
「さて、一体何者なんだ....?」
俺は一握りの不安を胸に、ドックへと向かうのだった。
小型艦調整用の隔離ドックにポッドを運び込み、俺は見下ろし方の制御室でポッドを見下ろす。
作業用ドローンがポッドを開き、中にいた人間を小突く。
「オ.......」
中にいた人間が、顔を上げる。
そして、慌てて周囲を見渡すそぶりを見せた。
すぐに逃げ出そうとするが、既にドックは隔離されている。
「オーロラ、対話を試みてくれ」
『そこの御方、呼びかけに応じることはできますか?』
「リューヴェッテン! リューヴェッテン!」
ダメだな。
全く言語が違う。
「オーロラ、ポッドの制御コンピューターをハッキングできるか?」
『はい、それで言語情報を?』
「そうだ」
オーロラはしばらく作業をしていたものの、諦めたように肩を落とす。
『かなり旧式のコンピュータです。直接の回線接続が必要ですから、一度あの人間を無力化しなければいけません』
「そうか...任せる」
『はい』
いや...待て。
最近オーロラに任せっきりなのも悪いな。
「オーロラ、やっぱり俺がやろう。扉の一つを開けて、中間の小部屋に食料を置いてみてくれ」
『分かりました』
5分ほど経ってから、扉の一つが開く。
作業員の出入り用の出入り口だが、途中の小部屋が休憩所になっている。
そこに、非常食キットを置いておいた。
男は袋を破り、それがビスケットだとわかると齧り付いた。
「食べ物の概念はほとんど変わらないのか」
『今のうちに解析を開始します』
ポッドに無数のコードが絡み付き、あらゆる端子から情報を抜き取っていく。
あのケーブルの通信速度なら、1分もあれば事足りる。
『言語解析。推定言語名『ターニア・オルトゥス・イティシモ』頻出単語オルトゥスから、オルトゥス...もしくはオルトス語と思われます』
「そのまま解析を頼む」
話が通じることが大前提だからな。
俺はオーロラの解析を待つのであった。
その日、俺は戦闘指揮所で非常食糧を口にしていた。
気にするなと言ったのだが、ナージャも一緒に食べている。
『味蕾の反応が比較的薄弱。エネルギー総量は通常の食物より高いように思える』
「だろうな、嗜好品というよりは行動食に近い」
戦闘指揮所は、ルルが作ったらしいプチ・シン人形で溢れかえっていた。
異様な光景だが、殺風景な以前よりはマシに思える。
『”紅茶”なる液体、意味不明。水分を摂取するのに、香料、追加成分不要と思考』
「その辺は個人の嗜好だな。ただ水を飲むのが嫌な人間もいる」
『理解』
俺は食事を片付け、パック一式を畳んでダストボックスに放り込む。
さあ、これから仕事だ――――
『緊急事態発生。緊急事態発生。広域索敵網にワープ反応。数:1。推定質量から判断すると、シャトルもしくはポッド級と思われます』
俺はコンソールの保護フィールドを消し、操作を始めた。
「状況報告」
『第四惑星付近にワープ反応。領域隠蔽ユニットを何らかの手段で突き破って来たものと予測されます』
「まずいな、すぐに艦隊を派遣しろ。ただしすぐに攻撃はするな。ワープ妨害をかけて捕縛しろ。ジャンプピンガー展開の気配あれば即刻撃墜せよ」
『はい』
すぐにインプとブラインドファイス艦隊が編成され、格納庫からスクランブル発進していく。
「領域隠蔽ユニットのシステムチェック、二本目を起動しろ」
『既に行っております』
領域隠蔽ユニットは稼働しっ放しだったからな。
定期的にリペアを掛けていたものの、内部のクリスタルか何かが消耗している可能性はある。
『敵を視認。武装なし、脱出ポッドのようなモノと予測されます』
「ワープ妨害をかけろ」
『既に試行しています。抵抗の様子はなし、キャスケットに収納します』
小型船の係留に特化した特殊輸送艦キャスケットが後続で到着し、ポッドを収納してワープする。
それと同時に艦隊も撤収を始める。
「さて、一体何者なんだ....?」
俺は一握りの不安を胸に、ドックへと向かうのだった。
小型艦調整用の隔離ドックにポッドを運び込み、俺は見下ろし方の制御室でポッドを見下ろす。
作業用ドローンがポッドを開き、中にいた人間を小突く。
「オ.......」
中にいた人間が、顔を上げる。
そして、慌てて周囲を見渡すそぶりを見せた。
すぐに逃げ出そうとするが、既にドックは隔離されている。
「オーロラ、対話を試みてくれ」
『そこの御方、呼びかけに応じることはできますか?』
「リューヴェッテン! リューヴェッテン!」
ダメだな。
全く言語が違う。
「オーロラ、ポッドの制御コンピューターをハッキングできるか?」
『はい、それで言語情報を?』
「そうだ」
オーロラはしばらく作業をしていたものの、諦めたように肩を落とす。
『かなり旧式のコンピュータです。直接の回線接続が必要ですから、一度あの人間を無力化しなければいけません』
「そうか...任せる」
『はい』
いや...待て。
最近オーロラに任せっきりなのも悪いな。
「オーロラ、やっぱり俺がやろう。扉の一つを開けて、中間の小部屋に食料を置いてみてくれ」
『分かりました』
5分ほど経ってから、扉の一つが開く。
作業員の出入り用の出入り口だが、途中の小部屋が休憩所になっている。
そこに、非常食キットを置いておいた。
男は袋を破り、それがビスケットだとわかると齧り付いた。
「食べ物の概念はほとんど変わらないのか」
『今のうちに解析を開始します』
ポッドに無数のコードが絡み付き、あらゆる端子から情報を抜き取っていく。
あのケーブルの通信速度なら、1分もあれば事足りる。
『言語解析。推定言語名『ターニア・オルトゥス・イティシモ』頻出単語オルトゥスから、オルトゥス...もしくはオルトス語と思われます』
「そのまま解析を頼む」
話が通じることが大前提だからな。
俺はオーロラの解析を待つのであった。
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