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シーズン3-大侵攻の序曲
080-Noa-Tun艦隊大決戦(後編)
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突如、ゲートと共に現れた、大量の艦隊。
だが帝国はそれを見越して、救援艦隊を準備していた。
海賊もどきなど、一瞬で片付く...そう、ステーションの人間達は思い込んでいた。
だが、実際は...
「何だよ...イチコロじゃん」
そう発したステーションの子供と同じ感想を、皆が抱いた。
侵略者は、恐るべき兵装で、防衛艦隊を一瞬で踏み潰したのだ。
帝国の標準である46cm四連装レーザー砲の斉射を受けてもびくともせず、その攻撃力は小型艦であったとしても標準砲を上回っていた。
そして何より、隔絶していたのは練度の違いであった。
『こちらc23巡洋艦! 斉射を受けている、持たな...ぐわああああっ!』
『くそ、こちらも撃たれて...なっ、被弾率が...ぎゃああああ!』
侵略者の艦隊は、別々の対象を狙う帝国軍の艦隊とは違い、全ての船が同じ対象を狙っていた。
勿論、そのターゲットが沈めば、即座に別の対象へ切り替わる。
その選別方法は適当などではなく、的確に重要な役割を持った船を狙って来ていた。
『何故...何故ステーションを狙わない...?』
戦略的に攻撃対象であるステーションには一切手をつけない艦隊に、旗艦に座乗する指揮官ダウハスは不気味なものを覚えていた。
まるで、ステーションなど一撃で破壊できるとばかりに何もしないのだ。
まさか、避難民すら逃げられずに崩壊したステーションと何か関係が...? そうダウハスは疑う。
だが実際は、全く異なる。
避難民の船団は、ゲート前に多重展開された設置型ワープ妨害に引っかかり、まとめて拉致されたのである。
範囲型インターディクションは、円形の範囲を持つが、展開された時点でワープ進路がその範囲にぶつかる場合は、範囲ギリギリで停止するのである。
『ぬうっ!? 何だ、何が起きている!?』
『て、敵からの集中攻撃を受けています!』
『最早これまで...敵へ降伏の通信を送れ!』
『ダメです、応答なし!』
旗艦が集中攻撃を受け始め、ダウハスは泣く泣く降伏の意思を示さざるを得なかった。
だが、帰って来たのは沈黙のみ。
その時、ダウハスの脳裏にVe‘zとエミドという、二つの勢力が過った。
どちらも沈黙を貫く...監視者と調律者である。
であれば、目の前の敵は何か...?
『侵略者...!』
その呟きと共にシールドが消し飛び、旗艦はあっという間に宇宙という海の藻屑と化した。
『旗艦がやられた! くそ、逃げ...何で、何でワープできない!?』
旗艦が墜とされるや否や、逃げ出そうとした帝国兵達は、周囲に浮かぶインターディクションコアの存在に気が付かずにワープで逃亡を試みる。
だが、歪んだ重力場の中では、FTL航行の航路確立が不可能である。
そして、残存艦隊は......Noa-Tun旗艦セレスティアルの最終兵器「クリア・スカイ」によって貫かれ、そのほぼ全体を喪失した。
そして、射線上にあったステーションも例外ではなく...
『ママぁ、助けてっ!』
『ああ...この...悪魔めっ!』
クリア・スカイに巻き込まれ、その大部分が融解し、内部にいた人間は漏れなく全員が蒸発した。
それでも残った生命反応を確実に抹殺すべく、艦隊から吐き出されたドローンが残骸へと向かっていく。
『攻撃艦隊、最後のステーションへと回頭せよ。既にゲートの封鎖は完了した。地上攻撃隊が出撃したので、ターゲットリストから除外せよ』
シンの声が響き、その場にいた全ての艦がオーロラの意思で回頭を始める。
そして、最後のステーション攻略を開始した。
最後のステーションは非武装であり、第一、第二ステーションに防衛を任せていた。
そのため、急遽イニシエーター艦隊を出撃させ、脱出ポッドを鹵獲しつつステーション内で帝国人を屠殺する作戦へと変更された。
『やめてくれっ、故郷には家族が...あああ!』
同時に、第三ステーション内では悲痛な声が響いていた。
地上攻撃艦隊が、都市部には中性子弾頭を、過疎部には戦術核弾頭による爆撃を行なっていたためである。
都市に密集していた帝国人は恐るべき未知なる攻撃により、遮蔽物などお構いなしに死に、地方は核の炎で二度と住むことのできない地獄と化した。
『何だってんだ...俺たちが何をした!』
帝国兵の一人は叫ぶ。
だが、全ては無意味である。
無辜なる民を殺すこと、それによって生まれる無限の負の連鎖。
それが起こることを知る者による、無差別虐殺。
そして、その兵達は皆命令にのみ従う鉄の兵隊。
『突破された...!』
突入ボットが管制室の扉を吹き飛ばす。
職員達は応戦するが、レーザーガン程度で突入ボットのシールドを傷付ける事は不可能である。
『アーナの仇ぃぃ!!』
泣きながら突撃した男は、脳を撃たれて倒れた。
それを皮切りに、無慈悲な精密射撃が始まり、5分と経たずに最後の生存者たちはその命を散らした。
『作戦終了。全艦隊は記録を行うためその場で待機せよ。戦闘機隊、ドローンは一度帰還し補給を行え』
こうして。
Noa-Tun連邦による無慈悲なる進撃。
全ての国家に対して、侵略者として現れたNoa-Tun連邦の、最初の虐殺が幕を閉じた。
通信妨害によって全てが隠匿された、静かなるこの侵略は、同時期に起きたVe’zの反撃によるヴァンデッタ帝国の激戦と合わさり、各国家に大きな衝撃を与え...大いなる嵐を呼び込むこととなったのだった。
だが帝国はそれを見越して、救援艦隊を準備していた。
海賊もどきなど、一瞬で片付く...そう、ステーションの人間達は思い込んでいた。
だが、実際は...
「何だよ...イチコロじゃん」
そう発したステーションの子供と同じ感想を、皆が抱いた。
侵略者は、恐るべき兵装で、防衛艦隊を一瞬で踏み潰したのだ。
帝国の標準である46cm四連装レーザー砲の斉射を受けてもびくともせず、その攻撃力は小型艦であったとしても標準砲を上回っていた。
そして何より、隔絶していたのは練度の違いであった。
『こちらc23巡洋艦! 斉射を受けている、持たな...ぐわああああっ!』
『くそ、こちらも撃たれて...なっ、被弾率が...ぎゃああああ!』
侵略者の艦隊は、別々の対象を狙う帝国軍の艦隊とは違い、全ての船が同じ対象を狙っていた。
勿論、そのターゲットが沈めば、即座に別の対象へ切り替わる。
その選別方法は適当などではなく、的確に重要な役割を持った船を狙って来ていた。
『何故...何故ステーションを狙わない...?』
戦略的に攻撃対象であるステーションには一切手をつけない艦隊に、旗艦に座乗する指揮官ダウハスは不気味なものを覚えていた。
まるで、ステーションなど一撃で破壊できるとばかりに何もしないのだ。
まさか、避難民すら逃げられずに崩壊したステーションと何か関係が...? そうダウハスは疑う。
だが実際は、全く異なる。
避難民の船団は、ゲート前に多重展開された設置型ワープ妨害に引っかかり、まとめて拉致されたのである。
範囲型インターディクションは、円形の範囲を持つが、展開された時点でワープ進路がその範囲にぶつかる場合は、範囲ギリギリで停止するのである。
『ぬうっ!? 何だ、何が起きている!?』
『て、敵からの集中攻撃を受けています!』
『最早これまで...敵へ降伏の通信を送れ!』
『ダメです、応答なし!』
旗艦が集中攻撃を受け始め、ダウハスは泣く泣く降伏の意思を示さざるを得なかった。
だが、帰って来たのは沈黙のみ。
その時、ダウハスの脳裏にVe‘zとエミドという、二つの勢力が過った。
どちらも沈黙を貫く...監視者と調律者である。
であれば、目の前の敵は何か...?
『侵略者...!』
その呟きと共にシールドが消し飛び、旗艦はあっという間に宇宙という海の藻屑と化した。
『旗艦がやられた! くそ、逃げ...何で、何でワープできない!?』
旗艦が墜とされるや否や、逃げ出そうとした帝国兵達は、周囲に浮かぶインターディクションコアの存在に気が付かずにワープで逃亡を試みる。
だが、歪んだ重力場の中では、FTL航行の航路確立が不可能である。
そして、残存艦隊は......Noa-Tun旗艦セレスティアルの最終兵器「クリア・スカイ」によって貫かれ、そのほぼ全体を喪失した。
そして、射線上にあったステーションも例外ではなく...
『ママぁ、助けてっ!』
『ああ...この...悪魔めっ!』
クリア・スカイに巻き込まれ、その大部分が融解し、内部にいた人間は漏れなく全員が蒸発した。
それでも残った生命反応を確実に抹殺すべく、艦隊から吐き出されたドローンが残骸へと向かっていく。
『攻撃艦隊、最後のステーションへと回頭せよ。既にゲートの封鎖は完了した。地上攻撃隊が出撃したので、ターゲットリストから除外せよ』
シンの声が響き、その場にいた全ての艦がオーロラの意思で回頭を始める。
そして、最後のステーション攻略を開始した。
最後のステーションは非武装であり、第一、第二ステーションに防衛を任せていた。
そのため、急遽イニシエーター艦隊を出撃させ、脱出ポッドを鹵獲しつつステーション内で帝国人を屠殺する作戦へと変更された。
『やめてくれっ、故郷には家族が...あああ!』
同時に、第三ステーション内では悲痛な声が響いていた。
地上攻撃艦隊が、都市部には中性子弾頭を、過疎部には戦術核弾頭による爆撃を行なっていたためである。
都市に密集していた帝国人は恐るべき未知なる攻撃により、遮蔽物などお構いなしに死に、地方は核の炎で二度と住むことのできない地獄と化した。
『何だってんだ...俺たちが何をした!』
帝国兵の一人は叫ぶ。
だが、全ては無意味である。
無辜なる民を殺すこと、それによって生まれる無限の負の連鎖。
それが起こることを知る者による、無差別虐殺。
そして、その兵達は皆命令にのみ従う鉄の兵隊。
『突破された...!』
突入ボットが管制室の扉を吹き飛ばす。
職員達は応戦するが、レーザーガン程度で突入ボットのシールドを傷付ける事は不可能である。
『アーナの仇ぃぃ!!』
泣きながら突撃した男は、脳を撃たれて倒れた。
それを皮切りに、無慈悲な精密射撃が始まり、5分と経たずに最後の生存者たちはその命を散らした。
『作戦終了。全艦隊は記録を行うためその場で待機せよ。戦闘機隊、ドローンは一度帰還し補給を行え』
こうして。
Noa-Tun連邦による無慈悲なる進撃。
全ての国家に対して、侵略者として現れたNoa-Tun連邦の、最初の虐殺が幕を閉じた。
通信妨害によって全てが隠匿された、静かなるこの侵略は、同時期に起きたVe’zの反撃によるヴァンデッタ帝国の激戦と合わさり、各国家に大きな衝撃を与え...大いなる嵐を呼び込むこととなったのだった。
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