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シーズン8-オルトス王国侵攻編
161-R.A.G.N.A.R.O.K
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オルトス前線に存在する星系、ガザツ星系。
そこを、オルトス王国軍の哨戒艦隊が航行していた。
『指揮官、やはりパーラット星系へのゲートは停止したままです』
『了解した、予定の航路に戻る。艦隊、我等に続け』
哨戒艦隊の構成は、コルベット8、フリゲート4、駆逐艦3、巡洋艦2、戦艦1である。
かつてビージアイナ帝国とオルトス王国は敵対状態にあり、敵との戦闘に最も適したものとされる構成を取っている。
指揮艦は巡洋艦3のうちの一隻であり、戦艦に対して適切な指示を出せるようになっているのだ。
『全艦、ワープ連動』
『連動ワープ開始します!』
そして、その宙域を艦隊が離れようとしていたその瞬間。
艦隊の中央部で何かが放出され、ワープ妨害フィールドが真球の形状に形成された。
『何事だ! 状況を報告!』
『シールド、船体に損傷なし! ただし、ワープコアに異常発生! ワープベクトルが正常に作動しません!』
妨害フィールドに囚われた艦隊は、それから脱そうと動き出す。
だが、それを張った者たちがそれを許容するはずがない。
「指揮官殿! 次元振動を検知! 何者かがワープでこの宙域に侵入してきます!」
「何!?」
そして、宙域にそれらは現れた。
Noa-Tunの新鋭艦隊。
動き始めた彼らは、レーザーとミサイルで艦隊を襲撃する。
互いの数はほとんど変化がないが、王国軍の射程外であるために反撃できず、一方的な引き撃ちを許してしまう。
「艦隊損耗率、80%!」
「ほぼ全滅だと!? バカな、敵は帝国軍ではないのか?!」
「既存のIDと一致しません、未知の勢力です!」
「あり得ん、国家に属さぬ賊がこんな技術を...」
旗艦の巡洋艦は逃げ出そうとするが、その時。
Noa-Tun艦隊の一隻から放出された艦載機が、物凄い速度で旗艦へと向かってきていた。
「艦長! 放っておけ、艦載機一つに何ができる...何っ!?」
しかし、艦載機の目的は射撃ではなかった。
それは人型に変形し、甲板の上に降り立ったのだ。
そして、両腕がそのまま機銃へと変形し、ブリッジを撃ち貫いた。
足元が固定されているからこそできる、精密射撃である。
ブリッジを失った旗艦はそこで静止し、変形した艦載機は大きく跳躍、再び戦闘機モードへと変形して飛び去った。
後には、破壊された艦隊の残骸のみが残るのであった。
夢を見ていた。
何の夢だったかは朧げだが、多分妹の夢だ。
もう幾度となく見る、昔の夢だ。
「う...」
あの夢を見る度に、俺は部屋に備え付けのトイレで吐く。
だが今日は、何故か吐き気が襲って来なかった。
なぜかと言えば、周囲は俺の部屋ではなかったからだ。
「あー...そういや、そうか」
目の前には、タウミエルの設計図がホログラムで浮かんでいた。
昨日は遅くまで、オーロラとタウミエルの変形機構について話し合っていたのだ。
変形して人型になり、地上兵器またはコンシールド兵器のような隠蔽運用が出来るのは望ましい事だ。
しかし、現実的に考えて変形後の隙が大きすぎるため、変形は迅速かつ精密に行わなければならない。
こればかりは、オーロラが数学的な面からアプローチを行い、俺がそれに対して人間的な感覚からの注文を入れるという形にするしかなかった。
「だが、仮にも形にはなったな」
これで、以前は不可能だった変形が可能になる。
足がついたことで、甲板などに降り立ち強行突破ができるわけだ。
「オーロラ、オルトス王国への侵攻計画は出来たか?」
『初期攻撃案は作成しました』
オルトス王国は、ビージアイナ帝国と国境で接している国家だ。
流石にビージアイナを何度も退けているだけあり、対主力艦戦力や、通常戦力も豊富だろう。
今回は前線だけの侵攻に留め、敵戦力の概要を把握して、クリストフから貰った情報や、ビージアイナから奪取した情報と照合する。
「では、その初期計画に新兵器や新規製造ロットの艦船を含めて演算、ブラッシュアップを始めろ」
『はい、了解しました』
作戦立案はオーロラに頼り切りというわけではなく、俺の方でも独自に計画を立てている。
ただ、それは今この場所で作るというわけではない。
ここは暗すぎるし、静か過ぎるからな。
食堂でゆっくりやろう。
俺は立ち上がり、研究室を後にした。
そこを、オルトス王国軍の哨戒艦隊が航行していた。
『指揮官、やはりパーラット星系へのゲートは停止したままです』
『了解した、予定の航路に戻る。艦隊、我等に続け』
哨戒艦隊の構成は、コルベット8、フリゲート4、駆逐艦3、巡洋艦2、戦艦1である。
かつてビージアイナ帝国とオルトス王国は敵対状態にあり、敵との戦闘に最も適したものとされる構成を取っている。
指揮艦は巡洋艦3のうちの一隻であり、戦艦に対して適切な指示を出せるようになっているのだ。
『全艦、ワープ連動』
『連動ワープ開始します!』
そして、その宙域を艦隊が離れようとしていたその瞬間。
艦隊の中央部で何かが放出され、ワープ妨害フィールドが真球の形状に形成された。
『何事だ! 状況を報告!』
『シールド、船体に損傷なし! ただし、ワープコアに異常発生! ワープベクトルが正常に作動しません!』
妨害フィールドに囚われた艦隊は、それから脱そうと動き出す。
だが、それを張った者たちがそれを許容するはずがない。
「指揮官殿! 次元振動を検知! 何者かがワープでこの宙域に侵入してきます!」
「何!?」
そして、宙域にそれらは現れた。
Noa-Tunの新鋭艦隊。
動き始めた彼らは、レーザーとミサイルで艦隊を襲撃する。
互いの数はほとんど変化がないが、王国軍の射程外であるために反撃できず、一方的な引き撃ちを許してしまう。
「艦隊損耗率、80%!」
「ほぼ全滅だと!? バカな、敵は帝国軍ではないのか?!」
「既存のIDと一致しません、未知の勢力です!」
「あり得ん、国家に属さぬ賊がこんな技術を...」
旗艦の巡洋艦は逃げ出そうとするが、その時。
Noa-Tun艦隊の一隻から放出された艦載機が、物凄い速度で旗艦へと向かってきていた。
「艦長! 放っておけ、艦載機一つに何ができる...何っ!?」
しかし、艦載機の目的は射撃ではなかった。
それは人型に変形し、甲板の上に降り立ったのだ。
そして、両腕がそのまま機銃へと変形し、ブリッジを撃ち貫いた。
足元が固定されているからこそできる、精密射撃である。
ブリッジを失った旗艦はそこで静止し、変形した艦載機は大きく跳躍、再び戦闘機モードへと変形して飛び去った。
後には、破壊された艦隊の残骸のみが残るのであった。
夢を見ていた。
何の夢だったかは朧げだが、多分妹の夢だ。
もう幾度となく見る、昔の夢だ。
「う...」
あの夢を見る度に、俺は部屋に備え付けのトイレで吐く。
だが今日は、何故か吐き気が襲って来なかった。
なぜかと言えば、周囲は俺の部屋ではなかったからだ。
「あー...そういや、そうか」
目の前には、タウミエルの設計図がホログラムで浮かんでいた。
昨日は遅くまで、オーロラとタウミエルの変形機構について話し合っていたのだ。
変形して人型になり、地上兵器またはコンシールド兵器のような隠蔽運用が出来るのは望ましい事だ。
しかし、現実的に考えて変形後の隙が大きすぎるため、変形は迅速かつ精密に行わなければならない。
こればかりは、オーロラが数学的な面からアプローチを行い、俺がそれに対して人間的な感覚からの注文を入れるという形にするしかなかった。
「だが、仮にも形にはなったな」
これで、以前は不可能だった変形が可能になる。
足がついたことで、甲板などに降り立ち強行突破ができるわけだ。
「オーロラ、オルトス王国への侵攻計画は出来たか?」
『初期攻撃案は作成しました』
オルトス王国は、ビージアイナ帝国と国境で接している国家だ。
流石にビージアイナを何度も退けているだけあり、対主力艦戦力や、通常戦力も豊富だろう。
今回は前線だけの侵攻に留め、敵戦力の概要を把握して、クリストフから貰った情報や、ビージアイナから奪取した情報と照合する。
「では、その初期計画に新兵器や新規製造ロットの艦船を含めて演算、ブラッシュアップを始めろ」
『はい、了解しました』
作戦立案はオーロラに頼り切りというわけではなく、俺の方でも独自に計画を立てている。
ただ、それは今この場所で作るというわけではない。
ここは暗すぎるし、静か過ぎるからな。
食堂でゆっくりやろう。
俺は立ち上がり、研究室を後にした。
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