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シーズン8-オルトス王国侵攻編
162-向上する生産計画
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さて。
エミドの侵攻は俺の手元にあった星系の構造物をあらかたぶっ壊してくれたわけだが、それは同時にメリットにもなった。
資材を一旦回収し、各地に双方向のアクセラレーションゲートを設置することで、採掘艦隊を各地に送り込み、代わりに採掘支援用のストラクチャではなく防衛用のストラクチャを配置、大型輸送艦であるノアズ・アークを複数生産して中央へ輸送、それをホールドスターの周囲に新設した新しい構造物、ルフタ周辺に保存、生産を続けている。
「”時の揺り篭”の基礎理論をアップグレード出来たのはよかったな」
ナージャが一向に帰って来ないので、仕方なく時の揺り篭をオーロラと一緒に基礎理論から研究したのだ。
時間連続体の再生速度を低下させる....という訳なのだが、これがまた俺には難しすぎた。
『人間には研究すら不可能な分野です、私のような人工知能が、自己分裂によって無数の演算を重ね、それでも数百年先で辿り着けるようなものです』
とオーロラは言っていた。
では、なぜ理解できたのか?
それは、回収したエミドの技術だ。
エネルギー転送によって稼働していたとはいえ、そのエネルギー変換技術、演算装置の簡略化機構、推力への伝達方式.....まあ、学べることは大量にあった。
何より、エネルギーを拡散するシールド、デッドコピーではあるが複製する事が出来た。
その理論の応用で、ついに俺たちは時の揺り篭を改造、同じくデッドコピーを複製した。
その名は、「時神の鍛冶場」。
「だが、流石にエネルギー消費がでかすぎたな」
『ですが、現状最高効率の生産施設です』
ヘーパイストスの残骸と合体した時神の鍛冶場こそが、ルフタなのである。
コアが十個連結され、それでやっと時神の鍛冶場にエネルギーを供給できている。
シールドや防御システム、攻撃システムに転用するエネルギーはない。
防衛上は大きな欠陥だが、亜空間に沈められないのも更に痛い。
『現在の採掘サイクルであれば、五年以内にルフタを十基建造可能です』
「凄いことになりそうだな」
惑星開発で、下部部品の生産量をミスった時と同じことになりそうだ。
上の部品の生産速度が速すぎて、パーツが足りなくなるのだ。
『現在、防衛に割くシステムリソースが少数のため、大規模な採掘艦隊を運用して採掘を行っております』
「ワームホール内部は?」
『現在、採掘資源の特定を終了、アステロイドベルト及び月資源の採掘を開始しました』
「資源を表示しろ」
ワームホール「ヌルレス」と「アークルート」には現在、Noa-Tun連邦の領域主張ユニットが展開している。
回収した時空結晶体の共振装置からワームホール制御にも成功し(またもやデッドコピー)、エミドの侵攻は阻止できている。
それでも奇襲を仕掛けてくることはあるが、弱点が露呈しているので対処は楽だ。
「P.O.Dの兵器転用は上手く行ってるか?」
『それなのですが.......レーザーに纏わせることで、シールドに対する有効打になるかと思われます』
「成程? やってみろ」
俺たちは星々を飲み込む飢えた獣なんだが、それでも殺した獲物の肉や皮を利用する方法くらい知っている。
エミドの技術は何もかも解析し、取り込む。
そうすることで、この世界のまだ見ぬ国家に比較的アドバンテージを取る事が出来る。
「主力艦の戦力復帰状況は?」
『現在、残存している主力艦群は32、その内21が現在修復中です』
「うーむ.....やっぱりバラすべきじゃなかったか」
ナグルファーは70隻を全部バラして組み上げた小惑星級。
だが、その戦力が70に匹敵するかは正直微妙なところだ。
本当に、分解しなければよかった.....
『現在、新たな上位艦種の建造を進めています』
「ほう? 何だったかな」
『大陸級旗艦級戦艦です』
「......おい、待て。前の比じゃ足りないぞ」
大規模ユニオンでも、グランドオーダーはそうそう出せない。
ストラクチャに入港できないほどの巨大さであり、飛んでるだけで潮汐に影響が出るレベルの超巨大母艦だ。
そのジャンプ範囲は凄まじく、SCC宇宙の約三分の一を一回で飛べる。
だが......
「燃料は? こいつをジャンプさせる燃料は流石に.....」
『アークルートに燃料となる気体が凍結した惑星を発見しました。採掘に時間が掛かるとはいえ、運用に必要な燃料は確保できるかと』
一発で小惑星級一回のジャンプの四回分が持っていかれる。
戦力の即時展開には向いているが、全く資源の不足気味には悩ましいものがあるな.....
「だが、オルトスへの侵攻は計画通り行う」
『分かりました』
現状、隣接している国家がオルトス以外情報がない。
となれば一挙に乗り込み、制圧して政権を簒奪。
周辺国家の情報を得つつ、ゲートを破壊して商路を遮断、アクセラレーションゲートを使って周辺国家に更に展開――――そうして、世界から人間を滅ぼして永遠の安寧を得る。
まあ、これくらいやらないと....俺の「計画」からは遠い。
「待ってろよ、流歌」
まだまだ、戦いは始まったばかりだ。
エミドの侵攻は俺の手元にあった星系の構造物をあらかたぶっ壊してくれたわけだが、それは同時にメリットにもなった。
資材を一旦回収し、各地に双方向のアクセラレーションゲートを設置することで、採掘艦隊を各地に送り込み、代わりに採掘支援用のストラクチャではなく防衛用のストラクチャを配置、大型輸送艦であるノアズ・アークを複数生産して中央へ輸送、それをホールドスターの周囲に新設した新しい構造物、ルフタ周辺に保存、生産を続けている。
「”時の揺り篭”の基礎理論をアップグレード出来たのはよかったな」
ナージャが一向に帰って来ないので、仕方なく時の揺り篭をオーロラと一緒に基礎理論から研究したのだ。
時間連続体の再生速度を低下させる....という訳なのだが、これがまた俺には難しすぎた。
『人間には研究すら不可能な分野です、私のような人工知能が、自己分裂によって無数の演算を重ね、それでも数百年先で辿り着けるようなものです』
とオーロラは言っていた。
では、なぜ理解できたのか?
それは、回収したエミドの技術だ。
エネルギー転送によって稼働していたとはいえ、そのエネルギー変換技術、演算装置の簡略化機構、推力への伝達方式.....まあ、学べることは大量にあった。
何より、エネルギーを拡散するシールド、デッドコピーではあるが複製する事が出来た。
その理論の応用で、ついに俺たちは時の揺り篭を改造、同じくデッドコピーを複製した。
その名は、「時神の鍛冶場」。
「だが、流石にエネルギー消費がでかすぎたな」
『ですが、現状最高効率の生産施設です』
ヘーパイストスの残骸と合体した時神の鍛冶場こそが、ルフタなのである。
コアが十個連結され、それでやっと時神の鍛冶場にエネルギーを供給できている。
シールドや防御システム、攻撃システムに転用するエネルギーはない。
防衛上は大きな欠陥だが、亜空間に沈められないのも更に痛い。
『現在の採掘サイクルであれば、五年以内にルフタを十基建造可能です』
「凄いことになりそうだな」
惑星開発で、下部部品の生産量をミスった時と同じことになりそうだ。
上の部品の生産速度が速すぎて、パーツが足りなくなるのだ。
『現在、防衛に割くシステムリソースが少数のため、大規模な採掘艦隊を運用して採掘を行っております』
「ワームホール内部は?」
『現在、採掘資源の特定を終了、アステロイドベルト及び月資源の採掘を開始しました』
「資源を表示しろ」
ワームホール「ヌルレス」と「アークルート」には現在、Noa-Tun連邦の領域主張ユニットが展開している。
回収した時空結晶体の共振装置からワームホール制御にも成功し(またもやデッドコピー)、エミドの侵攻は阻止できている。
それでも奇襲を仕掛けてくることはあるが、弱点が露呈しているので対処は楽だ。
「P.O.Dの兵器転用は上手く行ってるか?」
『それなのですが.......レーザーに纏わせることで、シールドに対する有効打になるかと思われます』
「成程? やってみろ」
俺たちは星々を飲み込む飢えた獣なんだが、それでも殺した獲物の肉や皮を利用する方法くらい知っている。
エミドの技術は何もかも解析し、取り込む。
そうすることで、この世界のまだ見ぬ国家に比較的アドバンテージを取る事が出来る。
「主力艦の戦力復帰状況は?」
『現在、残存している主力艦群は32、その内21が現在修復中です』
「うーむ.....やっぱりバラすべきじゃなかったか」
ナグルファーは70隻を全部バラして組み上げた小惑星級。
だが、その戦力が70に匹敵するかは正直微妙なところだ。
本当に、分解しなければよかった.....
『現在、新たな上位艦種の建造を進めています』
「ほう? 何だったかな」
『大陸級旗艦級戦艦です』
「......おい、待て。前の比じゃ足りないぞ」
大規模ユニオンでも、グランドオーダーはそうそう出せない。
ストラクチャに入港できないほどの巨大さであり、飛んでるだけで潮汐に影響が出るレベルの超巨大母艦だ。
そのジャンプ範囲は凄まじく、SCC宇宙の約三分の一を一回で飛べる。
だが......
「燃料は? こいつをジャンプさせる燃料は流石に.....」
『アークルートに燃料となる気体が凍結した惑星を発見しました。採掘に時間が掛かるとはいえ、運用に必要な燃料は確保できるかと』
一発で小惑星級一回のジャンプの四回分が持っていかれる。
戦力の即時展開には向いているが、全く資源の不足気味には悩ましいものがあるな.....
「だが、オルトスへの侵攻は計画通り行う」
『分かりました』
現状、隣接している国家がオルトス以外情報がない。
となれば一挙に乗り込み、制圧して政権を簒奪。
周辺国家の情報を得つつ、ゲートを破壊して商路を遮断、アクセラレーションゲートを使って周辺国家に更に展開――――そうして、世界から人間を滅ぼして永遠の安寧を得る。
まあ、これくらいやらないと....俺の「計画」からは遠い。
「待ってろよ、流歌」
まだまだ、戦いは始まったばかりだ。
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