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シーズン8-オルトス王国侵攻編
191-ブラスティオート補給分断戦(前編)
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さて、色々あったわけだが…
まだまだ休んではいられない。
現在、王国軍は早期にジャンプドライブによって隣接星系にジャンプ・アウト、ビルジースプライムに隣接するクレートレーク星系に布陣している。
ゲートはぶっ壊してあるが、頑張れば辿り着けない距離ではないのが問題である。
そこで、
「王国の補給線を分断する」
という案が出た。
提案したのは当然、アインスだ。
その辺は流石皇女様というわけだ。
同じく元皇女のディーヴァも乗っかって、ブラスティオート星系を攻撃することで的確に補給を断つことが出来ると提案してきた。
王国軍の補給ルートは複数あるのだが、ブラスティオート星系には商業ハブがあり、そこさえ攻撃してしまえば、あとはあまり安全でないルートを通らざるを得ないようだ。
王国の内情に詳しいフィーアに聞いてみたところ、「カルメナス」なる海賊団の首都星系に接続される違法ゲートが隠されている星系群に隣接しているらしく、王国軍であっても襲撃に遭う可能性は十分にあるそうだ。
カルメナスと交渉してもいいが、相手の求めるメリットがよくわからないので辞めておく。
というか、王国からの情報では少し前に大きな戦いがあり、カルメナスは何らかの勢力下にあるようだ。
簡単に協力はしないだろう。
『では、これより作戦行動を開始します』
今回の指揮官はドライで、ゼクスが追随している。
フュンフとゼクスは新規雇用の指揮官で、元々はハンナとゼシカと言う名前である。…もっと言えば、『悠久の双子』とも言う。
信仰とはまた違った側面で俺を神聖視する癖があるものの、再教育の必要がないほど忠誠心が高い。
『帝王様』
「司令官でいい」
『…司令官、ぼくは今回、何をすればいいのですか?』
「指揮はドライが行う。誇り高き(笑)竜人の戦士だぞ、敬意を払え」
『はい』
ドライは艦隊を分散させ、ゲートに置いた遮蔽監視船の情報をもとに待ち伏せを行う。
今回は王国軍の輸送艦隊のみだが、王国内での輸送艦隊襲撃ならビッグネームとの遭遇も視野に入れた方がいいかもな。
『c-31ポイントで会敵しました、ワープ妨害フィールドを展開して襲撃します』
「索敵警戒、ホドは作戦宙域で待機せよ」
『…はい』
輸送船団とは言っても、しっかり武装している。
だが、そんなものはボムとECMジャミングの前には無駄である。
しかし、伏兵がいる危険性を考慮し、索敵は十分に行う必要があるのだ。
「敵の新型レーダーは、こちらの非遮蔽特化艦の遮蔽フィールドの歪みを看破できるらしい、爆撃艦はともかく、ワープ妨害艦はスキャン内に敵が映った瞬間に退避させろ」
『把握しています!』
うん、ドライは真面目でいいな。
ゼクスの方は亜空間で待機だ。
『ローカル通信を傍受! 救難信号が到達した模様』
『離脱! スキャン範囲外へと一旦ワープ妨害艦を逃がします!』
悪くない判断速度だ。
王国艦船は一点火力より機動性に特化しているのだ。
ワープ妨害装備は持っていないようだが(ワープドライブとの相性が悪いようだ)、ワープ妨害艦は元々耐久力に欠ける側面がある。
早期に逃がすのは悪い判断ではない。
『全艦隊、ポイントS-21に集合!』
『現界』
ホドが亜空間から飛び出し、そのままワープする。
思えば、指揮官用機体の中では珍しくワープ機能持ちだな、ホド...
ケテルはワープ機能を持たないし、マルクトは指揮艦サンダルフォンと合体しているのでワープ機能がある。
ただし、遮蔽能力はないので、あくまで亜空間潜伏がメインだが。
『偵察艦から報告。敵は一度、ポイントD-22に集合する模様』
『ワープ中の輸送艦隊の集合地点の概算を特定』
ドライの指示はほぼ問題がない。
コバルトのサポートもあり、敵の動きに合わせて常に動き続けられている。
止まる事は艦隊戦においては最大の愚行だからな、悪い判断ではない。
実際、俺も指揮する数が大きくなると、艦隊を止める愚行をよく犯す。
意図的にそこに配置する以外では、余計な襲撃のリスクを生む行為である。
『ワープの軸線を特定、ポイントD-41にスクアッドを急行させます』
「誘いの可能性もあるぞ」
『はい! スクアッドを二つ付随させます』
ドライは引き続き指示を出し続ける。
指揮官クラスは、インプラントを自在に使えるからな....実質俺より処理能力の面では上を行っている。
俺は引き続き、戦況を見守るのだった。
まだまだ休んではいられない。
現在、王国軍は早期にジャンプドライブによって隣接星系にジャンプ・アウト、ビルジースプライムに隣接するクレートレーク星系に布陣している。
ゲートはぶっ壊してあるが、頑張れば辿り着けない距離ではないのが問題である。
そこで、
「王国の補給線を分断する」
という案が出た。
提案したのは当然、アインスだ。
その辺は流石皇女様というわけだ。
同じく元皇女のディーヴァも乗っかって、ブラスティオート星系を攻撃することで的確に補給を断つことが出来ると提案してきた。
王国軍の補給ルートは複数あるのだが、ブラスティオート星系には商業ハブがあり、そこさえ攻撃してしまえば、あとはあまり安全でないルートを通らざるを得ないようだ。
王国の内情に詳しいフィーアに聞いてみたところ、「カルメナス」なる海賊団の首都星系に接続される違法ゲートが隠されている星系群に隣接しているらしく、王国軍であっても襲撃に遭う可能性は十分にあるそうだ。
カルメナスと交渉してもいいが、相手の求めるメリットがよくわからないので辞めておく。
というか、王国からの情報では少し前に大きな戦いがあり、カルメナスは何らかの勢力下にあるようだ。
簡単に協力はしないだろう。
『では、これより作戦行動を開始します』
今回の指揮官はドライで、ゼクスが追随している。
フュンフとゼクスは新規雇用の指揮官で、元々はハンナとゼシカと言う名前である。…もっと言えば、『悠久の双子』とも言う。
信仰とはまた違った側面で俺を神聖視する癖があるものの、再教育の必要がないほど忠誠心が高い。
『帝王様』
「司令官でいい」
『…司令官、ぼくは今回、何をすればいいのですか?』
「指揮はドライが行う。誇り高き(笑)竜人の戦士だぞ、敬意を払え」
『はい』
ドライは艦隊を分散させ、ゲートに置いた遮蔽監視船の情報をもとに待ち伏せを行う。
今回は王国軍の輸送艦隊のみだが、王国内での輸送艦隊襲撃ならビッグネームとの遭遇も視野に入れた方がいいかもな。
『c-31ポイントで会敵しました、ワープ妨害フィールドを展開して襲撃します』
「索敵警戒、ホドは作戦宙域で待機せよ」
『…はい』
輸送船団とは言っても、しっかり武装している。
だが、そんなものはボムとECMジャミングの前には無駄である。
しかし、伏兵がいる危険性を考慮し、索敵は十分に行う必要があるのだ。
「敵の新型レーダーは、こちらの非遮蔽特化艦の遮蔽フィールドの歪みを看破できるらしい、爆撃艦はともかく、ワープ妨害艦はスキャン内に敵が映った瞬間に退避させろ」
『把握しています!』
うん、ドライは真面目でいいな。
ゼクスの方は亜空間で待機だ。
『ローカル通信を傍受! 救難信号が到達した模様』
『離脱! スキャン範囲外へと一旦ワープ妨害艦を逃がします!』
悪くない判断速度だ。
王国艦船は一点火力より機動性に特化しているのだ。
ワープ妨害装備は持っていないようだが(ワープドライブとの相性が悪いようだ)、ワープ妨害艦は元々耐久力に欠ける側面がある。
早期に逃がすのは悪い判断ではない。
『全艦隊、ポイントS-21に集合!』
『現界』
ホドが亜空間から飛び出し、そのままワープする。
思えば、指揮官用機体の中では珍しくワープ機能持ちだな、ホド...
ケテルはワープ機能を持たないし、マルクトは指揮艦サンダルフォンと合体しているのでワープ機能がある。
ただし、遮蔽能力はないので、あくまで亜空間潜伏がメインだが。
『偵察艦から報告。敵は一度、ポイントD-22に集合する模様』
『ワープ中の輸送艦隊の集合地点の概算を特定』
ドライの指示はほぼ問題がない。
コバルトのサポートもあり、敵の動きに合わせて常に動き続けられている。
止まる事は艦隊戦においては最大の愚行だからな、悪い判断ではない。
実際、俺も指揮する数が大きくなると、艦隊を止める愚行をよく犯す。
意図的にそこに配置する以外では、余計な襲撃のリスクを生む行為である。
『ワープの軸線を特定、ポイントD-41にスクアッドを急行させます』
「誘いの可能性もあるぞ」
『はい! スクアッドを二つ付随させます』
ドライは引き続き指示を出し続ける。
指揮官クラスは、インプラントを自在に使えるからな....実質俺より処理能力の面では上を行っている。
俺は引き続き、戦況を見守るのだった。
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