【完結】SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀

黴男

文字の大きさ
204 / 247
シーズン8-オルトス王国侵攻編

198-アバターVSアドアステラ(後編)

しおりを挟む
アドアステラは、包囲されつつも戦闘を続けていた。
....というか、攻撃そのものが効いてないな、こりゃ....

「しょうがない、ディーヴァ」
『なんじゃ?』
「A.O.Iを使え」
『.....正気か?』
「ああ」

Arrow.Of.Indra。
インドラの矢と呼称したあの弾頭は、反応が起きると同時に周囲の空間の全てを焼き尽くす。
アドアステラといえども無事では済まない、だからこそ不安なのだろう。

「やれ」
『うむ...分かったのじゃ』

流歌はこの程度は死なない。
そもそも、宇宙空間でも生きているに違いない。
でなければ、俺の....いや、余計な感傷はいらない。

「次からは構造を見直しだな」

アルテアに連絡を取ったところ、俺の才能だけの問題ではないようだ。
この船自体に不純物が多く、聖遺物にうまく力が通らないらしい。
艦上部から放たれたA.O.Iが、真っすぐアドアステラに向かっていく。
そして、爆発。

「効いた! 成程、強すぎる威力のものは防ぎきれないか!」

つまりあれは、採掘艦が使うNEXUS防護フィールドのような一定時間攻撃無効タイプの聖遺物ではなく、レジストを99%にまで高めるもののようだ。
レジストを99%に上げても、主力艦の砲撃一発で沈むのはSSCのお約束だ。

「オーロラ! レーザーの変調クリスタルを超近接型に変更! ミサイルは”ピアサー弾頭”に!」
『了解!』

どちらも、極限まで威力を上げる代わりに射程距離が最低限にまで縮まるものだ。
だが、この距離なら当たる。

『換装完了』
「撃ち方始め!」

相手の防御を常に上回れれば損傷を与えられる。
それさえわかればいい。
俺はオーロラに命じて、船首をアドアステラへと向けた。
つまり、防御を抜いた瞬間だけは、対キネス防御は発動しない。
そこさえやれれば、後は...

『敵艦、艦首部にエネルギー収束を確認!』
「何っ!?」

この位置、この軌道、間違いない。
確実に俺を殺そうとして、武装を使っている。

「素晴らしい...」

そうだ、そうでなければいけない。
だいぶ前倒しになるが、しかし計画は成就する。
今この瞬間に...

『させぬ!』

な?

「ディーヴァ、何やってる!」
『お主、死ぬ気か!?』

シュッツェ・フリューゲルスが五連のシールドを構築し、アドアステラの一撃は容易に防がれた。
ああもう、こうなったらやるしかないじゃないか。

「...A.O.Iを合わせろ!」
『うむ!』

俺は引き金を引く。
飛んで行ったA.O.Iが炸裂すると同時に、アドアステラを消滅の光が薙ぎ払った。
これで、アドアステラの方はどうにかなったな。
あとは、流歌の方をどう始末するか...

『アドアステラ、急速離脱していきます』
「え?」

どうやら、微妙にタイミングが合わなかったようだ。
ボロボロになったアドアステラが速度を上げ、妨害を振り切って逃げていくのが視界の端に見えた。
放たれた三発のA.O.Iのうち、当たったのは一発だけ、俺が撃つのが早すぎて、二発分は吹き飛ばしてしまったと見ていいだろう。


「止めろ、必ずここで仕留めるんだ!」
『アドアステラ、道の干渉波を検知。こちらの妨害モジュールが効いていないようです』
「影響遮断か...」

そんなモジュールがあったような気がする。
上手く使ったな、流歌。
だが...次こそは。
次こそは必ず、計画を成就させてみせるからな!

「流歌、俺は負けない。次は...お前を、本拠地で待つ」

俺は静かに、そう呟くのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記

ノン・タロー
ファンタジー
 ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。  これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。 設定 この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。 その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

処理中です...