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シーズン4-スリーパー防衛編
104-覚醒?
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「ギャアアアアアッ!?」
悲鳴を上げて下がったのは、カナードの方だった。
片手を抑えて、何が起こったのか分からないような顔をしている。
「き、君は――――」
「どうしたの?」
その光景を見ていたファイスは、カルの変化に気づく。
息切れ一つ起こしていない。
不思議なほどに、落ち着いている。
「その力は......! 何で隠していたんだい?」
「力? 大したことはしていないよ」
直後。
地面に落ちていたニケが浮き上がり、カルの元まで飛んでいく。
「トレーニングで到達できる領域だから」
「どう考えても努力でたどり着ける領域ではないだろう!?」
カルはニケをキャッチして、エネルギーパックを交換する。
「私、ずっと思ってたんだ。これくらい強ければ、お兄ちゃんも私を見捨てないって――――でも、全然違うんだよね」
カナードはカルに向かって飛び出すが、カルが右腕を突き出した直後吹き飛ばされた。
その強靭な肉体から繰り出される跳躍力ですら、今のカルには及ばない。
「もっと強くならなきゃ.....もっと。もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと!!」
そう連呼するカルの顔は、最早人間の顔ではなかった。
あらゆる表情が抜け落ち、ただ無表情で、息を切らすことなく「もっと」と言っていた。
「君は――――異常者だ!」
「カナード。人のことは言えないよね」
直後。
カルはニケを上に向けて連射した。
天井の留め具が破損し、ディスプレイが落下してくる。
同時に、留め具によって固定されていた重い機材も。
「ファイス、危ない!」
「ぐうッ!?」
呆然と立っていたファイスは、カルによって吹き飛ばされ難を逃れる。
不思議なことに、崩落した天井は全てカルを避けて落ちていた。
そして。
「君は本当に....興味深いね......」
瓦礫に潰されたカナードは、完全に動く事が出来なくなっていた。
カルは近くの配線にカルセールを翳し、エネルギーを充填する。
「最後に言い残すことは?」
「.......僕と父親の関係を知りたいだろう? それから、僕の研究についても.....忘れないで、『BRSRB』というパスワードを、上のコンピューターに打ち込むんだ。データの書き出しと、この施設を自爆させる装置が起動する筈だ」
カナードは、打つ手がないと悟ったのか目を閉じた。
そしてカルは、引き金に手をかける。
「貴方とは、友達でいたかったな」
「僕もさ」
そして、銃声が響いた。
カルセールによる一撃は、カナードの頭を吹き飛ばし、死に至らしめた。
「........ファイス?」
「はっ」
ファイスは恐ろしかった。
見知った主人が、別の存在に変わってしまったように思えていたからだ。
「パスワードは覚えた?」
「はい」
「後は.....お願い......」
そして、カルの身体が力を失う。
ファイスが駆け寄って、抱きしめると....
小さな寝息が聞こえてきた。
「貴方様は.......」
ファイスは寝息を立てる主を見下ろし、もっと強くならねばと密かに決意するのだった。
悲鳴を上げて下がったのは、カナードの方だった。
片手を抑えて、何が起こったのか分からないような顔をしている。
「き、君は――――」
「どうしたの?」
その光景を見ていたファイスは、カルの変化に気づく。
息切れ一つ起こしていない。
不思議なほどに、落ち着いている。
「その力は......! 何で隠していたんだい?」
「力? 大したことはしていないよ」
直後。
地面に落ちていたニケが浮き上がり、カルの元まで飛んでいく。
「トレーニングで到達できる領域だから」
「どう考えても努力でたどり着ける領域ではないだろう!?」
カルはニケをキャッチして、エネルギーパックを交換する。
「私、ずっと思ってたんだ。これくらい強ければ、お兄ちゃんも私を見捨てないって――――でも、全然違うんだよね」
カナードはカルに向かって飛び出すが、カルが右腕を突き出した直後吹き飛ばされた。
その強靭な肉体から繰り出される跳躍力ですら、今のカルには及ばない。
「もっと強くならなきゃ.....もっと。もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと!!」
そう連呼するカルの顔は、最早人間の顔ではなかった。
あらゆる表情が抜け落ち、ただ無表情で、息を切らすことなく「もっと」と言っていた。
「君は――――異常者だ!」
「カナード。人のことは言えないよね」
直後。
カルはニケを上に向けて連射した。
天井の留め具が破損し、ディスプレイが落下してくる。
同時に、留め具によって固定されていた重い機材も。
「ファイス、危ない!」
「ぐうッ!?」
呆然と立っていたファイスは、カルによって吹き飛ばされ難を逃れる。
不思議なことに、崩落した天井は全てカルを避けて落ちていた。
そして。
「君は本当に....興味深いね......」
瓦礫に潰されたカナードは、完全に動く事が出来なくなっていた。
カルは近くの配線にカルセールを翳し、エネルギーを充填する。
「最後に言い残すことは?」
「.......僕と父親の関係を知りたいだろう? それから、僕の研究についても.....忘れないで、『BRSRB』というパスワードを、上のコンピューターに打ち込むんだ。データの書き出しと、この施設を自爆させる装置が起動する筈だ」
カナードは、打つ手がないと悟ったのか目を閉じた。
そしてカルは、引き金に手をかける。
「貴方とは、友達でいたかったな」
「僕もさ」
そして、銃声が響いた。
カルセールによる一撃は、カナードの頭を吹き飛ばし、死に至らしめた。
「........ファイス?」
「はっ」
ファイスは恐ろしかった。
見知った主人が、別の存在に変わってしまったように思えていたからだ。
「パスワードは覚えた?」
「はい」
「後は.....お願い......」
そして、カルの身体が力を失う。
ファイスが駆け寄って、抱きしめると....
小さな寝息が聞こえてきた。
「貴方様は.......」
ファイスは寝息を立てる主を見下ろし、もっと強くならねばと密かに決意するのだった。
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