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シーズン6-ビージアイナ戦線編
156-ラッカン移動
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私たちは二日掛けてラッカンのゲートに到着、通過した。
正直、ここまでは順調だ。
『こちら王国軍、貴艦らの所属を明かせ!』
「こちらはエンフォース所属、カル・クロカワだ。この船はアドアステラ、登録済みのIDのはずだ」
『確認した、直ぐにこの場からワープするように』
厳重だな....と私は思ったけれど、ここは戦地だ。
内通者の存在は、防衛機構に綻びを生む。
「改めて考えると、ここは戦地なんだな....」
「....カル、くれぐれも油断しないでね」
「勿論だ」
ラビの言葉に、私は再び気を引き締める。
戦場においては、敵はこちらを必ず殺す気で来る。
王国領内で使用できない武器すら、向こうでは咎められもしないのだから。
ワープ中の船を捕らえる超大型のインターディクション装置もある以上、油断はしたくてもできない。
「...緊張するなあ」
ワープ中は基本的に暇だ。
だけど、戦場でゆっくりする訳にもいかないので、私は軽めのトレーニングメニューをこなし、シャワーを浴びてブリッジに戻った。
緊張している私とは対照的に、皆は落ち着いた様子で、それぞれ読書をしたり、ミニゲームをプレイしている。
自分の命を計算に入れることが、こんなに緊張する原因になるなんて思わなかった。
「カル、緊張してるの?」
「...ああ」
「じゃあ、私が和らげてあげる」
ラビが抱きついて来た。
私はそれを嫌だとは思わなかった。
暖かくて、牧草みたいな匂いがする。
でも。
「海藻のシャンプーは辞めた方がいいと思うぞ」
「ご意見ありがとうございます...ってね、落ち着いた?」
「ああ」
ラビは奴隷時代を気にしているようで、匂いの強いシャンプーを使いがちなんだよね。
それは別にいい事なんだけど、チョイスがなかなかマニアックなので、次は普通のものを使って欲しい。
そんなこんなで、アドアステラは最初のワープを終了した。
たどり着いたのは第28通信塔のある宙域で、近づき過ぎると撃たれる。
「次のワープに入る」
「ワープドライブ起動します」
ノルスがワープドライブをアクティブ化させ、アドアステラは再度ワープに入る。
今度もまた、何も出ないかと思われたけど...
『未知の信号からインターディクションを受けています』
「!」
私は素早くコンソールを操作し、駆動系のシステムから「ワープブースター」を選択する。
直後、アドアステラはワープ空間の中で更なるワープに突入する。
『インターディクション、途絶。』
「主人、今のは?」
「ワープブースターだよ。どこでも即席でワープできる装置だが、クールダウンがある。こうやってワープ妨害を受けた時は、即座にこれで離脱すればいい」
「成程...凄いですね」
旅の必須品だが、今まで使わなかったのは、この装置が膨大なCPUリソースを消費するからである。
シトリンによるクリーンアップ作業で漸くCPUリソースに余裕のできたアドアステラだからこそ、これを使える。
『燃料の消費もないのですね』
「ないんだよ」
基本、便利な装置は燃焼を消費するものだけど。
こういうのは消費がなく使えるから便利なものだ。
「クロコムに入ったらハイパージャンプを使おう」
流石にワープブースター頼りでクロコム横断は難しいだろうし。
ワープブースターのおかげでワープ速度も上がっているので、今日中にはクロコムのゲート付近にある前哨基地に入れるだろう。
そう判断して、私は肩に入った力を抜いた。
正直、ここまでは順調だ。
『こちら王国軍、貴艦らの所属を明かせ!』
「こちらはエンフォース所属、カル・クロカワだ。この船はアドアステラ、登録済みのIDのはずだ」
『確認した、直ぐにこの場からワープするように』
厳重だな....と私は思ったけれど、ここは戦地だ。
内通者の存在は、防衛機構に綻びを生む。
「改めて考えると、ここは戦地なんだな....」
「....カル、くれぐれも油断しないでね」
「勿論だ」
ラビの言葉に、私は再び気を引き締める。
戦場においては、敵はこちらを必ず殺す気で来る。
王国領内で使用できない武器すら、向こうでは咎められもしないのだから。
ワープ中の船を捕らえる超大型のインターディクション装置もある以上、油断はしたくてもできない。
「...緊張するなあ」
ワープ中は基本的に暇だ。
だけど、戦場でゆっくりする訳にもいかないので、私は軽めのトレーニングメニューをこなし、シャワーを浴びてブリッジに戻った。
緊張している私とは対照的に、皆は落ち着いた様子で、それぞれ読書をしたり、ミニゲームをプレイしている。
自分の命を計算に入れることが、こんなに緊張する原因になるなんて思わなかった。
「カル、緊張してるの?」
「...ああ」
「じゃあ、私が和らげてあげる」
ラビが抱きついて来た。
私はそれを嫌だとは思わなかった。
暖かくて、牧草みたいな匂いがする。
でも。
「海藻のシャンプーは辞めた方がいいと思うぞ」
「ご意見ありがとうございます...ってね、落ち着いた?」
「ああ」
ラビは奴隷時代を気にしているようで、匂いの強いシャンプーを使いがちなんだよね。
それは別にいい事なんだけど、チョイスがなかなかマニアックなので、次は普通のものを使って欲しい。
そんなこんなで、アドアステラは最初のワープを終了した。
たどり着いたのは第28通信塔のある宙域で、近づき過ぎると撃たれる。
「次のワープに入る」
「ワープドライブ起動します」
ノルスがワープドライブをアクティブ化させ、アドアステラは再度ワープに入る。
今度もまた、何も出ないかと思われたけど...
『未知の信号からインターディクションを受けています』
「!」
私は素早くコンソールを操作し、駆動系のシステムから「ワープブースター」を選択する。
直後、アドアステラはワープ空間の中で更なるワープに突入する。
『インターディクション、途絶。』
「主人、今のは?」
「ワープブースターだよ。どこでも即席でワープできる装置だが、クールダウンがある。こうやってワープ妨害を受けた時は、即座にこれで離脱すればいい」
「成程...凄いですね」
旅の必須品だが、今まで使わなかったのは、この装置が膨大なCPUリソースを消費するからである。
シトリンによるクリーンアップ作業で漸くCPUリソースに余裕のできたアドアステラだからこそ、これを使える。
『燃料の消費もないのですね』
「ないんだよ」
基本、便利な装置は燃焼を消費するものだけど。
こういうのは消費がなく使えるから便利なものだ。
「クロコムに入ったらハイパージャンプを使おう」
流石にワープブースター頼りでクロコム横断は難しいだろうし。
ワープブースターのおかげでワープ速度も上がっているので、今日中にはクロコムのゲート付近にある前哨基地に入れるだろう。
そう判断して、私は肩に入った力を抜いた。
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