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第一章:素敵な出会い、それは狂った妖刀でした
008:【森を抜けよう】第一村人との遭遇】
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「そう言えばこのまま鍵鈴を持っているのも危険だな、しまうにしても袋ってのも壊れそうだしなぁ」
そんな事を思っていたら鍵鈴がまた緑色に発光をし始め、持ち手にスっと吸い込まれた。
「うわ! 手の中に入っていった……嘘だろ。なにこれファンタジー? いやすでにこの状況がファンタジーだよな。じゃあ出すときはどうするんだ? う~ん……とりあえず呼んでみるか?」
流は何となく、お約束のように鍵鈴が消えた右手を前に突き出し強く言い放つ。
「来い、鍵鈴!」
すると突き出した右手に鍵鈴が音も無く出て来た。
「出たよ、オイ。それじゃあもしかして『アレ』も呼べるのか!? よし、言うぞ、言っちゃうぞ! 全国の大きな少年少女の夢を今こそ形に!! こほん、いくぞ……『すてーーたすおーーぷーーん!!』…………アレェ?」
両手を胸の前に勢いよく突き出す。しかし何も出なかったのにガッカリしつつも、厨二病が今だ癒えていない自分に赤面しながら「もう二度とコレは言うまい。絶対にだ!」と心に硬く誓う流であった。
高台の草原を歩くうちに、崖から降りる道を見つける。時折人が歩いているのか、道は下の森まで続いており、そのまま森の奥へと繋がっていた。
変に脇にそれては迷うかもしれないと、流は獣道よりはいくらかマシな道をしばらく歩く。
「結構深い森だな。そう言えば〆の奴が動物もかなりいると言っていた気がするな。それに動物と交流とか何するんだよ? 餌付けか? そう言えば爺さんが言ってたな、狐と会ったらルールールーって言えば仲よくなれるって」
などと呟きながら森を横断していく。よく見れば鬱蒼と茂っている森の中には、生き物の気配が濃密に感じられた。
流は不思議と色々な気配に敏感と言うより、異常に感知しやすく、霊的な存在もハッキリと感じる事が出来た。
さらに動物が考えている事が良くわかり、近所の犬や猫に大人気だった。
ちょっとした自慢だが、たまに猫の集会にはゲスト扱いで呼ばれたりする。
しばらく森の中の道を歩いていると、右前方から動物のような生き物の気配が近づく。
「ん? 何かが近づいて来るな……右前方からか、熊とかじゃければいいが」
流は思わず美琴に手を伸ばす。それに答えるかのように美琴も軽く震える。
その時だった、林から現れたのは薄暗い緑色をした小学五年生ほどの背丈で、汚い布製の三角帽を被った存在と目が合う。
それは猿のような顔つきだが、耳が左右に異様に長く、目は大きく、さらに充血しており、腰簑はしているがとても文明人とは思えない容姿だった。
(OH……あれと交流せねばならないとは……ハードル高すぎじゃね?)
「あー、こんにち~わ! そこの緑色の人。私、日本人デスネー、ワ~カリマスカー?」
実に怪しげな笑顔を浮かべ、片手を上げながら何故かカタコトに挨拶してみる。日本人のある意味様式美だ。
「無反応? 異世界言語理解は仕事しろ。もしかして挨拶が違うのか? ならば、ボンジュ~ル。ヘロ~。オラ。ナマステ~」
流が色々な言語の挨拶を試みるが、緑の小人は不思議そうに首を傾げながら流を見つめている。
やがて不思議そうに見つめていた目は、次第に鋭くなって来たかのように思った頃、緑の小人が話し出す。
「ナガ……」
「え? ナガ? そう、俺は流だよろしくね!」
「ナギャギャギャ!!」
それは突然だった。緑色の小人は手に持っていた、槍のような物を突き立て攻撃して来た!
「うわ!? 危ないだろ! マテ、ハウス! 今ならアメちゃんやるぞ!」
さらに攻撃をする緑の小人に焦る流は、さらに上乗せした良案を出す。
「うおッ、怒ったのか? なら『二つ』やるから落ち着け!! 怪我でもしたらどうする!」
「ギャルルル! シャ」
「くそッ! どうやら文明的なお付き合いは無理だこれは。こうなったら敵として処理するしかないか! 頼むぞ美琴!」
流は腰に装備した美琴を初めて抜き放つ、戦闘中だと言うのにあまりの美しい刀身に一瞬意識を持っていかれる。
瞬間、何処を攻撃すればいいのかが瞬時に理解出来た。
「っ!? 何だ? って今はそれ所じゃない」
緑の小人は槍の長さを生かし流を仕留めようと、左右に突きを放ちながらジリジリと流に迫ってくる。
流が刀身に意識を持って行かれたのを、怯んだと思った緑の小人は、その隙に槍を流の腹目掛けて突き出して来た。
その行動を予測した流れは必死に体を反らせ、槍の攻撃を躱しバックステップで背後に飛ぶ。
「甘い! 伊達にクソジジイに喧嘩剣術叩きこまれてねーよ! これで仕舞いだ!!」
着地と同時に今度は緑の小人へ向け一足飛び掛かり、そして小人の首目掛けて美琴を迷いなく突き刺す。
「グガ・・ァ・・・」
緑色の小人は苦し気に声を漏らす。その直後、緑の小人の首が胴体より吹き飛んだ。
「な!? なんだ!! なんで首がぶっ飛ぶんだ……ファンタジーこえー」
あまりの凄惨な状況に、自分がした事ながらも真っ青になる。だから何かを話さずにはいられなかった。
「それともあれか! 俺の隠された力が今、ついに、覚☆醒! なーんてな、ハッハッはぁ~……。テンション上げねーとやってらんないわ。まさかの第一緑人殺害事件になっちまうとはなぁ。あれがこっちの世界で人間扱いだったらどーするよ、ホント」
その時、流の頭上で何か軽い物が〝ポン〟と弾けるような音がした。
「ん、何か音が……これは?」
ちょっと前に見たばかりの巻物がゆっくりと落ちて来た。
そんな事を思っていたら鍵鈴がまた緑色に発光をし始め、持ち手にスっと吸い込まれた。
「うわ! 手の中に入っていった……嘘だろ。なにこれファンタジー? いやすでにこの状況がファンタジーだよな。じゃあ出すときはどうするんだ? う~ん……とりあえず呼んでみるか?」
流は何となく、お約束のように鍵鈴が消えた右手を前に突き出し強く言い放つ。
「来い、鍵鈴!」
すると突き出した右手に鍵鈴が音も無く出て来た。
「出たよ、オイ。それじゃあもしかして『アレ』も呼べるのか!? よし、言うぞ、言っちゃうぞ! 全国の大きな少年少女の夢を今こそ形に!! こほん、いくぞ……『すてーーたすおーーぷーーん!!』…………アレェ?」
両手を胸の前に勢いよく突き出す。しかし何も出なかったのにガッカリしつつも、厨二病が今だ癒えていない自分に赤面しながら「もう二度とコレは言うまい。絶対にだ!」と心に硬く誓う流であった。
高台の草原を歩くうちに、崖から降りる道を見つける。時折人が歩いているのか、道は下の森まで続いており、そのまま森の奥へと繋がっていた。
変に脇にそれては迷うかもしれないと、流は獣道よりはいくらかマシな道をしばらく歩く。
「結構深い森だな。そう言えば〆の奴が動物もかなりいると言っていた気がするな。それに動物と交流とか何するんだよ? 餌付けか? そう言えば爺さんが言ってたな、狐と会ったらルールールーって言えば仲よくなれるって」
などと呟きながら森を横断していく。よく見れば鬱蒼と茂っている森の中には、生き物の気配が濃密に感じられた。
流は不思議と色々な気配に敏感と言うより、異常に感知しやすく、霊的な存在もハッキリと感じる事が出来た。
さらに動物が考えている事が良くわかり、近所の犬や猫に大人気だった。
ちょっとした自慢だが、たまに猫の集会にはゲスト扱いで呼ばれたりする。
しばらく森の中の道を歩いていると、右前方から動物のような生き物の気配が近づく。
「ん? 何かが近づいて来るな……右前方からか、熊とかじゃければいいが」
流は思わず美琴に手を伸ばす。それに答えるかのように美琴も軽く震える。
その時だった、林から現れたのは薄暗い緑色をした小学五年生ほどの背丈で、汚い布製の三角帽を被った存在と目が合う。
それは猿のような顔つきだが、耳が左右に異様に長く、目は大きく、さらに充血しており、腰簑はしているがとても文明人とは思えない容姿だった。
(OH……あれと交流せねばならないとは……ハードル高すぎじゃね?)
「あー、こんにち~わ! そこの緑色の人。私、日本人デスネー、ワ~カリマスカー?」
実に怪しげな笑顔を浮かべ、片手を上げながら何故かカタコトに挨拶してみる。日本人のある意味様式美だ。
「無反応? 異世界言語理解は仕事しろ。もしかして挨拶が違うのか? ならば、ボンジュ~ル。ヘロ~。オラ。ナマステ~」
流が色々な言語の挨拶を試みるが、緑の小人は不思議そうに首を傾げながら流を見つめている。
やがて不思議そうに見つめていた目は、次第に鋭くなって来たかのように思った頃、緑の小人が話し出す。
「ナガ……」
「え? ナガ? そう、俺は流だよろしくね!」
「ナギャギャギャ!!」
それは突然だった。緑色の小人は手に持っていた、槍のような物を突き立て攻撃して来た!
「うわ!? 危ないだろ! マテ、ハウス! 今ならアメちゃんやるぞ!」
さらに攻撃をする緑の小人に焦る流は、さらに上乗せした良案を出す。
「うおッ、怒ったのか? なら『二つ』やるから落ち着け!! 怪我でもしたらどうする!」
「ギャルルル! シャ」
「くそッ! どうやら文明的なお付き合いは無理だこれは。こうなったら敵として処理するしかないか! 頼むぞ美琴!」
流は腰に装備した美琴を初めて抜き放つ、戦闘中だと言うのにあまりの美しい刀身に一瞬意識を持っていかれる。
瞬間、何処を攻撃すればいいのかが瞬時に理解出来た。
「っ!? 何だ? って今はそれ所じゃない」
緑の小人は槍の長さを生かし流を仕留めようと、左右に突きを放ちながらジリジリと流に迫ってくる。
流が刀身に意識を持って行かれたのを、怯んだと思った緑の小人は、その隙に槍を流の腹目掛けて突き出して来た。
その行動を予測した流れは必死に体を反らせ、槍の攻撃を躱しバックステップで背後に飛ぶ。
「甘い! 伊達にクソジジイに喧嘩剣術叩きこまれてねーよ! これで仕舞いだ!!」
着地と同時に今度は緑の小人へ向け一足飛び掛かり、そして小人の首目掛けて美琴を迷いなく突き刺す。
「グガ・・ァ・・・」
緑色の小人は苦し気に声を漏らす。その直後、緑の小人の首が胴体より吹き飛んだ。
「な!? なんだ!! なんで首がぶっ飛ぶんだ……ファンタジーこえー」
あまりの凄惨な状況に、自分がした事ながらも真っ青になる。だから何かを話さずにはいられなかった。
「それともあれか! 俺の隠された力が今、ついに、覚☆醒! なーんてな、ハッハッはぁ~……。テンション上げねーとやってらんないわ。まさかの第一緑人殺害事件になっちまうとはなぁ。あれがこっちの世界で人間扱いだったらどーするよ、ホント」
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