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第二章:偉大なる称号
046:流クン、今、恥ずかしいの?
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店内で〆と壱が本来の姿で手帳を相手にしている頃、流は脱衣所に入っていた。
「おーい、うさちゃ~ん。おいでおいで~おいしいエサがあるよ~」
「あー! お客じーん、おかえりなさーい。お湯が良い感じに沸いているのですよ」
仮にも神様をつかまえて、「エサ」と言い放つ漢に神罰がくだる事もなく、因幡を呼ぶと、トテテテテと駆けよって来る。
「でもボクは『うさちゃん』じゃないのです! りっぱなレディなのです」
そう言うと因幡はスタンピングを〝スタタタタン〟として怒りを表した。怒るところはそこなのだろうか?
「まあまあ、そう怒るなよ。ほら、異世界のニンジンを沢山買ってきたから、食べてみろよ?」
「わ~! お客人大好きなのです♪」
「まずはこれを食べて見な? 驚くぞ~」
そう言うと流は「肉味」を因幡にあげたが、あげてから草食動物なのに肉をあげてもいいのかと少し悩む。
そう言うことは、もっと早く気が付いて欲しいものである。
「うわ~なにこれ~!? お肉の味がするのですよ! 美味しいのです、凄いのです!」
「お、おぅ……お前は肉とか食べるのか?」
「え? 食べるのですよ。あ~! どうせボクが草食動物とかって思っているのです? 何度もいいますけど、ボクの本当は綺麗なお姉さんなのですよ。ただ今は、本来の姿に戻っているだけなのです」
「俺には因幡さんの本来で、本当の姿がよく分からないのですよ」
「もう! そうやってみんなでボクを馬鹿にしちゃってさ!」
「まあまあ、そう怒るなよ。ほら、こっちが本命だぜ? うんまいぞ~」
流はリュックから、もう一本のピンク色のニンジンを因幡へと渡す。
「ほあ? これも味が違うのです?」
「フフフ、食べて見ろよ?」
因幡はニンジンを一口かじると、耳がブルブルと付け根から震えて、いつも中折れしている耳がピーンと立ち上がる。
「うわ~美味しいのです! いちごの味がするのですよ~。お客人、美味しいよー! わーい♪」
因幡はぴょんぴょん跳ねながら、ニンジンを両手に持って喜んでいた。
「おいおい、そんなに跳ねたらニンジンを落としちゃうぞ? そこに座って落ち着いて食べろよ」
そう言うと流は、因幡を抱っこして長椅子に座らせる。
「はう~。レディーを気安く抱き上げるなんて……恥ずかしいのです。顔が真っ赤になってしまうのです」
「でも白うさぎで、モフモフだから分かんないぞ?」
「なのです」
そう言うと二人は笑い合った。
因幡がとても喜んでくれた事に満足した流は、四阿温泉郷に入る。かけ湯をしてから檜風呂に入るとすぐに野太い声が聞こえた。
「おい、小僧! 待っておったぞ、今日こそワシの中へといざなってくれよう!」
「煩いぞ、たぬ爺! せっかくの風呂が台無しだ」
「ガッハッハッハッハ! そう言うな小僧。ワシも客が来なくて暇なんじゃよ」
「はぁ~。まあいずれ入る時も来るかもしれないから、全く期待しないで待っててくれよ」
「うむ、期待して待っとるぞ。それはそうと、店の方で何かあったか? 今、この風呂場は完全に孤立しておる」
「そうなのか? 特に何も無かったと思うが……」
「それならいいんじゃがな、まあもし何かあったら、あの女狐めが飛んで来ようて」
「女狐か、それは言い得て妙だな! 俺もあいつに嵌められて帰れなくなったみたいなもんだからな」
「何ぃ? 小僧もか! ワシも似たような経緯で風呂番をするはめになったのだが、今となっては、ココこそがワシの生きがいそのもなんじゃよ」
「そうなのか? まあ俺も命の危機にここ数日であって、今日もこれからまた死闘をする羽目になりそうなんだが、不思議とな……恨むどころか感謝すらしているよ。なぜだろうな……」
二人は目を瞑りじっくりと考えて見る。
「「きっとあの女狐の妖術に違いない!!」」
「小僧もそう思うか!」
「たぬ爺もか!」
意気投合して大笑いが風呂場に響き渡る。
すると「あらあら」と何処かで聞いた声が聞こえた。
「〆:あらあらあら~? 一体誰の事かしら? ねえ古廻様?」
振り向けば〆が居た?
「え……ど、どちら様ですか?」
「〆:まあ! 古廻様、先程まで一緒だった女を忘れるなんて酷いじゃありませんか?」
「ほ、本当に〆なのか? え……たぬ爺、これ本当に〆?」
そこには一糸まとわぬ姿のケモ耳娘がいた。とても美しい金色の髪で、肌は新雪のように白く、エーゲ海を思わせる瞳が肌と髪の色を尚強調する。
その自然で驚くほど美しい妖艶な顔立ちと、大きくてモフっとした耳の先端は白く、背後には一本、モフモフっとした金色で先端が白い尻尾が一本生えていた。
そして、たぬ爺はまるで信楽焼の狸のように固まって、浴槽は縮みあがっていた。
一方流はいきなり現れた傾国とも言える絶世の美女を見て、ブツブツと独り言を言いながら、下を向いてしまう。
突然現れた傾国の娘とも言える容姿を持つ〆に、流石の流クンも照れているのだろうか?
☆*:゚♪+。.☆.+**:゚+。☆彡
【あなた様に大感謝♪】
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「あー! お客じーん、おかえりなさーい。お湯が良い感じに沸いているのですよ」
仮にも神様をつかまえて、「エサ」と言い放つ漢に神罰がくだる事もなく、因幡を呼ぶと、トテテテテと駆けよって来る。
「でもボクは『うさちゃん』じゃないのです! りっぱなレディなのです」
そう言うと因幡はスタンピングを〝スタタタタン〟として怒りを表した。怒るところはそこなのだろうか?
「まあまあ、そう怒るなよ。ほら、異世界のニンジンを沢山買ってきたから、食べてみろよ?」
「わ~! お客人大好きなのです♪」
「まずはこれを食べて見な? 驚くぞ~」
そう言うと流は「肉味」を因幡にあげたが、あげてから草食動物なのに肉をあげてもいいのかと少し悩む。
そう言うことは、もっと早く気が付いて欲しいものである。
「うわ~なにこれ~!? お肉の味がするのですよ! 美味しいのです、凄いのです!」
「お、おぅ……お前は肉とか食べるのか?」
「え? 食べるのですよ。あ~! どうせボクが草食動物とかって思っているのです? 何度もいいますけど、ボクの本当は綺麗なお姉さんなのですよ。ただ今は、本来の姿に戻っているだけなのです」
「俺には因幡さんの本来で、本当の姿がよく分からないのですよ」
「もう! そうやってみんなでボクを馬鹿にしちゃってさ!」
「まあまあ、そう怒るなよ。ほら、こっちが本命だぜ? うんまいぞ~」
流はリュックから、もう一本のピンク色のニンジンを因幡へと渡す。
「ほあ? これも味が違うのです?」
「フフフ、食べて見ろよ?」
因幡はニンジンを一口かじると、耳がブルブルと付け根から震えて、いつも中折れしている耳がピーンと立ち上がる。
「うわ~美味しいのです! いちごの味がするのですよ~。お客人、美味しいよー! わーい♪」
因幡はぴょんぴょん跳ねながら、ニンジンを両手に持って喜んでいた。
「おいおい、そんなに跳ねたらニンジンを落としちゃうぞ? そこに座って落ち着いて食べろよ」
そう言うと流は、因幡を抱っこして長椅子に座らせる。
「はう~。レディーを気安く抱き上げるなんて……恥ずかしいのです。顔が真っ赤になってしまうのです」
「でも白うさぎで、モフモフだから分かんないぞ?」
「なのです」
そう言うと二人は笑い合った。
因幡がとても喜んでくれた事に満足した流は、四阿温泉郷に入る。かけ湯をしてから檜風呂に入るとすぐに野太い声が聞こえた。
「おい、小僧! 待っておったぞ、今日こそワシの中へといざなってくれよう!」
「煩いぞ、たぬ爺! せっかくの風呂が台無しだ」
「ガッハッハッハッハ! そう言うな小僧。ワシも客が来なくて暇なんじゃよ」
「はぁ~。まあいずれ入る時も来るかもしれないから、全く期待しないで待っててくれよ」
「うむ、期待して待っとるぞ。それはそうと、店の方で何かあったか? 今、この風呂場は完全に孤立しておる」
「そうなのか? 特に何も無かったと思うが……」
「それならいいんじゃがな、まあもし何かあったら、あの女狐めが飛んで来ようて」
「女狐か、それは言い得て妙だな! 俺もあいつに嵌められて帰れなくなったみたいなもんだからな」
「何ぃ? 小僧もか! ワシも似たような経緯で風呂番をするはめになったのだが、今となっては、ココこそがワシの生きがいそのもなんじゃよ」
「そうなのか? まあ俺も命の危機にここ数日であって、今日もこれからまた死闘をする羽目になりそうなんだが、不思議とな……恨むどころか感謝すらしているよ。なぜだろうな……」
二人は目を瞑りじっくりと考えて見る。
「「きっとあの女狐の妖術に違いない!!」」
「小僧もそう思うか!」
「たぬ爺もか!」
意気投合して大笑いが風呂場に響き渡る。
すると「あらあら」と何処かで聞いた声が聞こえた。
「〆:あらあらあら~? 一体誰の事かしら? ねえ古廻様?」
振り向けば〆が居た?
「え……ど、どちら様ですか?」
「〆:まあ! 古廻様、先程まで一緒だった女を忘れるなんて酷いじゃありませんか?」
「ほ、本当に〆なのか? え……たぬ爺、これ本当に〆?」
そこには一糸まとわぬ姿のケモ耳娘がいた。とても美しい金色の髪で、肌は新雪のように白く、エーゲ海を思わせる瞳が肌と髪の色を尚強調する。
その自然で驚くほど美しい妖艶な顔立ちと、大きくてモフっとした耳の先端は白く、背後には一本、モフモフっとした金色で先端が白い尻尾が一本生えていた。
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一方流はいきなり現れた傾国とも言える絶世の美女を見て、ブツブツと独り言を言いながら、下を向いてしまう。
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