日本最狂の妖刀で、誰も見た事がない異世界・骨董無双~狂気の娘を返品したいがもう遅い!!だから神が宿る骨董品達で、俺が世界を改変してやるッ!!

竹本蘭乃

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第四章:凶賊と、人類最高の【ざまぁ】はこちらです

111:幽霊屋敷へ帰館しよう

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「はぁ~。全くナガレは困った朴念仁だよ。だからお前達が赤面している意味が分かってないから諦めろ、色々とな?」

 そう三人娘に言うと、更に顔を真っ赤にして頷いてしまうのだった。

「む!? 俺の何処が朴念仁何だよ、失敬な」
「そう言うところだよ。そうだ、こんな事をしている暇は無かったんだな。向こうに『ラーマン』を待たせてある、それに乗ってお前の屋敷へ戻ってくれ。多分今頃は……」
「ああ、そうだったな。じゃあ急いで戻るか。それと注文していた物はラーマンに?」
「どうにか間に合ったぜ、問題無く装備してある」
「よっし、なら行くか!!」

 流は野営地の設営を指示しているアレドに出発すると挨拶に向かう。どうやら慣れた作業らしく、余裕な感じを見て遠慮無く話しかける。


「アレドさん、俺は家に戻るよ。今頃襲撃されてるかも知れないからね」
「そうか……ナガレばかり苦労を掛けるようですまない。せめて怪我をしないように祈っているよ」
「ありがとう、じゃあ行ってみますよ」
「ああそうだ。町へ戻って何か騎士団等に頼みたい事があれば、私の名前を出してかまわない。せめてこの位はさせてくれ」

 アレドは懐から手紙を出すと流に渡す。どうやら特殊な加工が施してあるらしく、封印が青銀色に輝いていた。

「ありがとう、もしもの時は使わせてもらいます。では!」

 アレドに別れを告げ、そのままファンと三人娘達は流に着いて来る。
 ファンは思い出しように数時間前の出来事を、恨みがましく話し出す。

「しっかしナガレよ~。殺盗団に見つからない様にカレリナをここへ連れて来る偽装のためとは言え、俺の偽物が死ぬのは流石にゾっとしたぜ? まぁ、お前んとこのシンさんが言ってた通り、実際襲われた訳だがな。あいつらどこで見てやがるんだろうなホント!」
「いやぁ、それは本当にすまなかったよ。本当はお前じゃない別の役者を用意するはずだったんだが、お前が丁度来てくれたからつい……な?」
「まぁいいけどよ、もし俺が賊に襲われて死んだらあんな感じなんだなぁ……。それよりあの役者、本当に死んでたみたいだったが大丈夫なのか?」
「あ、ああ。問題は無いよ。何度でも蘇るみたいだしな」
「アンデッドでも知り合いにいるのかよ……」
「まぁ、それも含めて貴重な体験だったろ?」
「ちがいねぇ~」

 ファンは思い出すと何故なぜか笑えるようで、少し笑った後で流に聞く。
 
「この後どうするんだ? やっぱり一人で行くのか?」
「そのつもりだ、早く行かないと門が閉まってしまうからな」

 その言葉を聞いて娘達が慌てて話す。

「ナガレ、一人で行くのか?」
「ナガレさん……出来れば私達も行きたいです!」
「ナガレ様、私は二人と違って戦う事が出来ませんが、何でもします!」

 三人は決意も固く、流について行きたいと懇願こんがんする。

「あ、いや。その気持ちは嬉しいんだけどな、俺の家には戦闘力の塊みたいな奴らがいてな、そいつらが負けるなんて事は無いから大丈夫なんだ。それに戻るには足が必要だしな。お前達の気持ちには本当に感謝している、ありがとうな。落ち着いたら遊びに来てくれよ」

 三人は最初はガッカリとした表情だったが、最後に「遊びにおいで」と言うお誘いを聞いて、跳ね上がる様に顔をあげると高速で頷いた。

「じ、じゃあ今度遊びに行かせてもらおうかな!」
「そうだねお姉ちゃん!」
「ナガレ様私も行きます!」
「お、おう。何時でも来てくれよ?」

 ファンは「若いねぇ~」と、呟きながらも呆れて見ているのだが、そう言うところがオヤジっぽいと言われている事に、本人は気が付かないのが残念である。

「全く仕方ない奴だ。ほれ、ナガレ。ラーマンが来たぞ」
「ん? おお~! あの装備なら早く帰れそうだ」
「全くあんな注文は初めてだって、工房のオヤジが嘆いてたぞ? そんなにいいのかそれ?」
「まあな。簡単な作りだったから時間もかからないと聞いていたが、仕事早すぎだな」
「だろう? なにせ屋号が「何でも出来ちゃうドワーフのお店」って名前だからな」

 そんな二人の目線の先には、流が特注した物を背負っているラーマンがのっそりと歩いて来る。
 その背中をよく見れば、流が発注した「くらあぶみ」が装備されていた。

「騎兵を見ていると、こっちの国の人は鞍のような物しか無いだろう? あれだと安定性に欠けるし、何より高速で移動が難しい。そこでこの形の鞍と、足元の安定性と踏ん張りを助ける鐙だ。まあ見ててくれ」

 そう言うと流れはラーマンへ挨拶すると、颯爽とその背にまたがった。

「じゃあ皆、俺は一足先に町へ戻る。三人はファンとゆっくりと帰って来てくれ。それじゃあファン、後は頼むな」
「おう、任せとけってんだ!」
「「「気を付けて!!」」」
「ああ! じゃあな!!」

 流れはラーマンへ乗ると、いつものスピードで歩き出す。
 ポンポンとラーマンのうなじを撫でつつ、流は一つのお願いをしてみる。
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