日本最狂の妖刀で、誰も見た事がない異世界・骨董無双~狂気の娘を返品したいがもう遅い!!だから神が宿る骨董品達で、俺が世界を改変してやるッ!!

竹本蘭乃

文字の大きさ
125 / 486
第五章:殺盗団を壊滅せよ

124:バンディア王国

しおりを挟む
「そうでしたか……。なれば丁度良かったかもしれませんね。実は私が担当した賊ですが、古廻様のご希望に沿う人材を見つけました」
「お! 流石は〆。仕事が早いねぇ」
「うふふ、ありがとうございます。その者達から、この町に巣食う賊共の情報を聞き出したので、何時でも突入の準備は整っています」
「そうなのか! それはいい。で、その場所って?」

 〆は近くの窓まで歩いて行き窓を開ける。
 三階の建物が近場に無い事で良く見える、それなりに近い所にある建物の屋根を指差した。
 そこは他の建物より特徴的で、屋根すら丸みがあり贅が尽くされたと良く分かるものだった。

「賊はあの屋根の建物である『オルドラ大使館』内部に巣食っているようです」
「オルドラ大使館? 先日偽の金塊を運んだ場所じゃなくて?」
「はい、金塊が運び込まれた場所は、偽装施設の一つでした」
「拠点が複数あるのか? 流石賊らしいな。それでオルドラ? オルドラ大使館ねぇ……。その名前は聞いたことがあるな」

 流が思い出そうとしていると、壱が流の肩に乗って以前の話をする。

「壱:古廻はん、ほら以前に商業ギルドで古廻はんが漂着した港って設定の所でっせ。その港の統治者の名前は「オルドラ・フォン・ドーレ伯爵」と言いますねん」

 そう壱に言われると、バーツに元の所在を聞かれた時の事を思い出す。
 適当に言ったものだから、流はすでに忘れていたのだった。

「ああ! あの港か、思い出した。って、待て。その大使館って事は結構マズイんじゃないか? 地球なら他国の領土扱いだろ? こっちはどうなんだ?」
「フム。実はこちらでも同じですね。正確に言うと他国と言う訳ではありませんが、この世界の貴族は領地を持っている者が、一つの国に近いような意識を貴族同士が持っているようです」
「そうなのか。この国の国王はよくそれを許しているな」
「フム。そこが少し気になっていました。どうやらこの国の中枢は、有力貴族からは蔑ろにされている感じがあります」

 そこで流はふと思い出す。

「そう言えばこの国の名前って何だ?」
「私が捕えた元賊の話では『バンディア王国』と言うらしいですよ?」
「バンディア王国ねぇ……。それでその他国同様の大使館へと、俺はこれから攻め込む、と?」
「そうなりますね」

 〆の肯定に少し考えた後、流は指示を出す。

「商業・冒険の両ギルドのサブマス以上へと使いを出してくれ。これから攻め込むが問題は無いかとな」
「フム。承知しました」

 参はハンドベルを懐から取り出すと、セバスを呼び口頭で伝える。

「――以上の事を手紙にしたため、両ギルドへと即持って行きなさい。その場で返事を聞いてから戻る様に」

 セバスは胸に手を当てて「承知しました」と言い、スマートな動作で部屋を後にする。

「んじゃ~後は出たとこ勝負って事でいいな? それと外に転がしてある賊でどうしようもないのは憲兵隊に突き出しておいてくれ」

 三人は頷く。

「とりあえず……俺は少し寝るか」
「では異怪骨董やさんへお戻りになりますか?」
「そう言えばあっちとコッチの時間を、多少はずらす事が可能なんだったか?」
「ええ、それなりに可能でございますよ」
「なら向こうで休んだ方がゆっくり出来るか……よし戻ろう」

 流は異超門の扉を開く。
 そこへ〆が当然のように付いて来ると、壱と参は部屋を後にする。

「では古廻様。私は先に戻りまして、湯浴みと床の準備を致します」
「ああ、頼む。〆……いつもすまない」
「っ!? な、何を仰いますか。そのための私でございます。では後程」

 そう言うと〆は、そそくさと異超門への中へと飛び込むのだった。

「う~んあいつは何故顔を真っ赤にしているんだろうか? 最近顔赤すぎ……も、もしや病気か!? 因幡に後で相談しよう、そうしよう!!」

((流様、それは違いますって!!))

 扉の影からソっと覗き見る、不穏な影が何かを言っているようだったが、流には聞こえなかった。

「さて、戻って休むか……流石に疲れた……って、この後が本番か? ふふふ……ブラック企業? 何それ美味しいの? あぁ~因幡をモフりたい」

 濃厚な一日を思い出し、さらにこの後も続く殺伐とした終わらない一日を思うと、どっと疲れが押し寄せて来る。
 そんな終わらない一日を忘れるためにも、因幡をモフって殺盗団に削られたSAN値を戻そうと、流は異超門を超えていくのだった。
しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

無能認定され王宮から追放された俺、実は竜の言葉が話せたのでSSS級最凶竜種に懐かれ、気がついたら【竜人王】になってました。

霞杏檎
ファンタジー
田舎の村から上京して王宮兵士となって1年半…… まだまだ新人だったレイクは自身がスキルもろくに発動できない『無能力者』だと周りから虐げられる日々を送っていた。 そんなある日、『スキルが発動しない無能はこの王宮から出て行け』と自身が働いていたイブニクル王国の王宮から解雇・追放されてしまった。 そして挙げ句の果てには、道中の森でゴブリンに襲われる程の不遇様。 だが、レイクの不運はまだ続く……なんと世界を破壊する力を持つ最強の竜種"破滅古竜"と出会ってしまったのである!! しかし、絶体絶命の状況下で不意に出た言葉がレイクの運命を大きく変えた。 ーーそれは《竜族語》 レイクが竜族語を話せると知った破滅古竜はレイクと友達になりたいと諭され、友達の印としてレイクに自身の持つ魔力とスキルを与える代わりにレイクの心臓を奪ってしまう。 こうしてレイクは"ヴィルヘリア"と名乗り美少女の姿へと変えた破滅古竜の眷属となったが、与えられた膨大なスキルの量に力を使いこなせずにいた。 それを見たヴィルヘリアは格好がつかないと自身が師匠代わりとなり、旅をしながらレイクを鍛え上げること決める。 一方で、破滅古竜の悪知恵に引っかかったイブニクル王国では国存続の危機が迫り始めていた…… これは"無能"と虐げられた主人公レイクと最強竜種ヴィルヘリアの師弟コンビによる竜種を統べ、レイクが『竜人王』になるまでを描いた物語である。 ※30話程で完結します。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

処理中です...