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第五章:殺盗団を壊滅せよ
144:最終決戦! オルドラ大使館~EX.ⅲ
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「大体どうなんだ? 契約者の姉はすでに『契約解除』になったようだし、お前ボルツを騙したろう?」
「知らんな、勝手にボルツなる者が勘違いしただけの事」
「勘違い、か。つまり指摘出来たのにしなかった訳だ。oh~神よ、悪魔の風上にも置けないゲスなモーリスに『祝福』をお与えください! エーメィンッ!!」
「ぶごろっぺがぁあああ!? お前、お前、お前ェェェッ!! 何さらっと神に祈りを捧げている! しかも私の事を願うだと!? 真正の馬鹿なのか!!」
「あ、いや、ごめんね。そこまで苦しむとは思わなかったんだ……てへぺろ」
「殺してやる……第七地獄の苦痛よりさらに酷い目に合わせてやる!!」
流はどこぞの狂気その物が神父のように、モーリスへ神の慈悲を乞う。
そんな神との接点は、クリスマスの時しか思い出さない「不心得者の願い」にもかかわらず、それなりのダメージを与えたようだった。神様偉大過ぎ。エーメィンッ!!
モーリスは冷静な考えが吹っ飛んだ様子で、青髪を掻きむしる。
冷静さを失った顔は怒りで真っ赤だったが、徐々に青く変わっていく。
すると背中が膨れ始め突如爆ぜたかと思うと、中から左右合わせて四本の青い腕が這い出るように出現し、その手には短剣が握られている。
顔や手、そして破れた服の隙間から見える肌の色は、全身青色になったのが良く分かる変身ぶりだった。
「こっちが本体って訳……ね」
モーリスは全ての手に短剣を持ち、その中でも真ん中の腕二本で、短剣を手に流へと迫る。
刹那、流の第六感がけたたましく警鐘を鳴らす。
「何だ!? チィッ! 疾風発動!!」
流はコンマ八秒を無駄にして疾風を発動する。
直後、流がいた場所に直径四メートル程の暗闇が出現する。
闇は円形状で、それが床から数センチ浮いており、奥へ吸い込むような渦が巻いていた。
しかし徐々にそれも薄れて来ているようで、外側から徐々に崩壊しだす。
「……逃したか。まあいい、次の開門まで見逃してやる」
(開門だと? どこかへ繋がるゲイトって訳か。どの道ろくな場所じゃなさそうだな。それより問題はこいつ等か)
流は百鬼の眼が全て閉じた感覚を感じていた。
理由は分からないが効果を止めていた百鬼の眼を、疾風を発動するために再発動した瞬間、全ての眼が閉じてしまった。
(これはアレか? 圧倒的な力って程でもないが、多分ゲイトが原因かもしれない。それか悪魔には効果が薄いとかか? 何にせよ残り八眼あったものが一瞬で持って行かれた事実は変わらないか。フッ……なら取る手は一つ!)
「ヒィィ~!? 悪魔の旦那ぁぁ!! 一体何をしたんですかい?」
「馬鹿にしてるのか貴様あぁ! まあいい。ふ、フフフフ……ハハハハ~!! どうだ。これが俺の本当の力だ!」
これまで一方的だった展開が、自分の業一つで覆す事が出来た事に酔っている悪魔がそこにいた。
「実に子悪党臭いですが、そのお力は本物です! その短剣であんなゲイトを開くなんて凄すぎるっす!!」
「何だか馬鹿にされている気もしないでもないが……いいだろう。別に知れたとて、どうと言う事は無い。そうだ、この『極楽送りの双剣』の力だ。凄かろう? 欲しかろう? ククク」
「おお! それは凄いですねダンナ!! で、何処に繋がってるんです、アレ?」
そう聞きながらコッソリと「起きろ寝坊助」と付け加えるのも忘れない。
「ん? 最後が聞き取れなかったが……まあいい。気分が良いから教えてやろう。簡単だ、あの穴の行きつく先は『死の国』だ。残った人形達から聞いたんだろう? あいつらの解放を願っているお前だ。なら同じ所へと送ってやれば寂しくもないだろう? あぁ~、私はなんて優しいんだ」
「そうなんですかい!! いや~、心の広いダンナだぁ。で……死の国ってのは地獄の事ですかい?」
「ンンン? まぁそうだな、魔界と地獄の中間って感じか。と、言っても分からないだろうがなぁ?」
(コイツは本当にここの大使なのか? あまりにも馬鹿すぎる)
流は内心呆れながらも、モーリスから情報をさらに引き出そうと、心にもない事を話す。
それに気が付かず快くしたモーリスは、マヌケにもさらに情報を提供する。
「流石ダンナ! 人知の及ばない知恵も力も持ってるなんて尊敬シチャウナ~」
「ククク、そうだろう、そうだろう。それが俺がここの大使に任命された理由の一つでもあるからな」
「それは……何ですかい?」
モーリスは実に得意げな顔で話し出す。
「フフン。それはなぁ~、私が死の国へと魂と肉体を送る事が出来るのは分かるな? そこでこの町で得た質の良い『魂力』をオルドラ城へ送る事で、来る日に備えるのだよ。まぁ私も品質管理のために味見は少しするがな」
「来る日……ですかい?」
「ああ、そうだ。っと、いくら死にゆくお前にでもこれ以上は言えんなぁ。どうだ、楽しんでくれたかな?」
「ええ、それはもう…………馬鹿の見本市をこれでもかと披露されて、お腹いっぱいになるほどにはな」
「ッ!? だ、騙したな!! 悪魔より悪魔的な言動をするヤツがッ! この、悪魔めッ!!」
「悪魔に悪魔って言われた俺って一体!?」
憤慨するモーリス。驚愕する流。二人の思いは今「何て酷い奴!!」と言う思いで一杯だったが、どっちもどっちだと美琴は思うのであった。
「知らんな、勝手にボルツなる者が勘違いしただけの事」
「勘違い、か。つまり指摘出来たのにしなかった訳だ。oh~神よ、悪魔の風上にも置けないゲスなモーリスに『祝福』をお与えください! エーメィンッ!!」
「ぶごろっぺがぁあああ!? お前、お前、お前ェェェッ!! 何さらっと神に祈りを捧げている! しかも私の事を願うだと!? 真正の馬鹿なのか!!」
「あ、いや、ごめんね。そこまで苦しむとは思わなかったんだ……てへぺろ」
「殺してやる……第七地獄の苦痛よりさらに酷い目に合わせてやる!!」
流はどこぞの狂気その物が神父のように、モーリスへ神の慈悲を乞う。
そんな神との接点は、クリスマスの時しか思い出さない「不心得者の願い」にもかかわらず、それなりのダメージを与えたようだった。神様偉大過ぎ。エーメィンッ!!
モーリスは冷静な考えが吹っ飛んだ様子で、青髪を掻きむしる。
冷静さを失った顔は怒りで真っ赤だったが、徐々に青く変わっていく。
すると背中が膨れ始め突如爆ぜたかと思うと、中から左右合わせて四本の青い腕が這い出るように出現し、その手には短剣が握られている。
顔や手、そして破れた服の隙間から見える肌の色は、全身青色になったのが良く分かる変身ぶりだった。
「こっちが本体って訳……ね」
モーリスは全ての手に短剣を持ち、その中でも真ん中の腕二本で、短剣を手に流へと迫る。
刹那、流の第六感がけたたましく警鐘を鳴らす。
「何だ!? チィッ! 疾風発動!!」
流はコンマ八秒を無駄にして疾風を発動する。
直後、流がいた場所に直径四メートル程の暗闇が出現する。
闇は円形状で、それが床から数センチ浮いており、奥へ吸い込むような渦が巻いていた。
しかし徐々にそれも薄れて来ているようで、外側から徐々に崩壊しだす。
「……逃したか。まあいい、次の開門まで見逃してやる」
(開門だと? どこかへ繋がるゲイトって訳か。どの道ろくな場所じゃなさそうだな。それより問題はこいつ等か)
流は百鬼の眼が全て閉じた感覚を感じていた。
理由は分からないが効果を止めていた百鬼の眼を、疾風を発動するために再発動した瞬間、全ての眼が閉じてしまった。
(これはアレか? 圧倒的な力って程でもないが、多分ゲイトが原因かもしれない。それか悪魔には効果が薄いとかか? 何にせよ残り八眼あったものが一瞬で持って行かれた事実は変わらないか。フッ……なら取る手は一つ!)
「ヒィィ~!? 悪魔の旦那ぁぁ!! 一体何をしたんですかい?」
「馬鹿にしてるのか貴様あぁ! まあいい。ふ、フフフフ……ハハハハ~!! どうだ。これが俺の本当の力だ!」
これまで一方的だった展開が、自分の業一つで覆す事が出来た事に酔っている悪魔がそこにいた。
「実に子悪党臭いですが、そのお力は本物です! その短剣であんなゲイトを開くなんて凄すぎるっす!!」
「何だか馬鹿にされている気もしないでもないが……いいだろう。別に知れたとて、どうと言う事は無い。そうだ、この『極楽送りの双剣』の力だ。凄かろう? 欲しかろう? ククク」
「おお! それは凄いですねダンナ!! で、何処に繋がってるんです、アレ?」
そう聞きながらコッソリと「起きろ寝坊助」と付け加えるのも忘れない。
「ん? 最後が聞き取れなかったが……まあいい。気分が良いから教えてやろう。簡単だ、あの穴の行きつく先は『死の国』だ。残った人形達から聞いたんだろう? あいつらの解放を願っているお前だ。なら同じ所へと送ってやれば寂しくもないだろう? あぁ~、私はなんて優しいんだ」
「そうなんですかい!! いや~、心の広いダンナだぁ。で……死の国ってのは地獄の事ですかい?」
「ンンン? まぁそうだな、魔界と地獄の中間って感じか。と、言っても分からないだろうがなぁ?」
(コイツは本当にここの大使なのか? あまりにも馬鹿すぎる)
流は内心呆れながらも、モーリスから情報をさらに引き出そうと、心にもない事を話す。
それに気が付かず快くしたモーリスは、マヌケにもさらに情報を提供する。
「流石ダンナ! 人知の及ばない知恵も力も持ってるなんて尊敬シチャウナ~」
「ククク、そうだろう、そうだろう。それが俺がここの大使に任命された理由の一つでもあるからな」
「それは……何ですかい?」
モーリスは実に得意げな顔で話し出す。
「フフン。それはなぁ~、私が死の国へと魂と肉体を送る事が出来るのは分かるな? そこでこの町で得た質の良い『魂力』をオルドラ城へ送る事で、来る日に備えるのだよ。まぁ私も品質管理のために味見は少しするがな」
「来る日……ですかい?」
「ああ、そうだ。っと、いくら死にゆくお前にでもこれ以上は言えんなぁ。どうだ、楽しんでくれたかな?」
「ええ、それはもう…………馬鹿の見本市をこれでもかと披露されて、お腹いっぱいになるほどにはな」
「ッ!? だ、騙したな!! 悪魔より悪魔的な言動をするヤツがッ! この、悪魔めッ!!」
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