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第五章:殺盗団を壊滅せよ
155:芝居化決定!?
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嵐影の背に揺られながら、先程話した内容を思い出す流。
(どうやら骨董やさんの道具も万能じゃないって事か……相性やその場であった物を見繕う目を養わいとな)
ふと見ると嵐影の耳がパタパタを動いているのが可愛いらしい。
思わず付け根をコリコリとかいてみると、嬉しそうに「……マァ~」と鳴いた。
「嵐影、昨日は色々大変だったけど、お前を友とする事も出来たし、ゴミも掃除出来たし、姉妹も解放出来たし、大変だったけど差し引くといい日だったな」
「……マ」
「ははは、それは俺もだよ。お互い強くなったもんだ……って、お前さ。もしかしてだけど、以前の十倍早く走れたりしてな?」
「……マ?」
「いやいや! ここで走ったら交通事故ならぬ、ラーマン事故になるから!!」
「……マァ……」
嵐影は残念そうに首を左右に振ると、視線の先に偶然知り合いのラーマンがいたようだった。
丁度目的地の商業ギルドへと付いた事もあり、流は嵐影を一撫でする。
「……マ?」
「ああ良いよ、俺がギルドに行ってる間話してるといいさ」
嵐影は一瞬止まってから、知り合いのラーマンを手招きして呼び寄せる。
そのまま嵐影とラーマンが歩いていると、どこからともなく他のラーマンも流達の後ろに付いて来ていた。
「ギルドには着いたけど、なんだ? ラーマンがいっぱいだな……」
商業ギルドへ着くまで気が付かなかったが、何時の間にかラーマンが十数頭集まっている。
そんな珍しい光景を商業ギルドから出て来た客も、驚きの表情でそれを眺めている。
「じゃあ嵐影。ちょっと行って来るから、適当にくつろいでいてくれ」
「……マ」
嵐影は右手をフリフリと流へと振ると、他のラーマンを連れて木陰へと向かって行くのが見えた。
「さて……何が出るかお楽しみってね」
商業ギルドのドアは冒険者ギルドと違って普通のドアだった。
よく手入れがされているようで、油がしっかりと染み込んだ蝶番は異音を立てずに動き出す。
ドアをゆっくりと押して中へ入ると、内部はハチの巣をつついたような状態だった。
「うわぁ……これってやっぱり俺のせいだよな……」
「あ、ナガレ様! お待ちしていました、どうぞこちらへ!」
「よぅメリサ。その……これってやっぱり?」
「はい、殺盗団がらみで阿鼻叫喚と言ったところですよ。詳しくはギルドマスターの所へ行きましょう」
「お、おい」
流はメリサに手を引かれながら、人で溢れかえるホールをかき分けマスタールームへと到着する。
「マスター、ナガレ様をお連れしました」
「ナガレだと!? 早く入ってもらえ!!」
切羽詰まった様子のバーツは、部屋にいた部下達を一端下がらせながらも、メリサへ茶を持ってくるように指示を出す。
「ふぅ~。よく来てくれたナガレ、昨日の事は聞いたぞ。よくこの短期間で、あの凶賊を殲滅出来た……しかも見たところ無傷じゃないか?」
「ええ、まぁ苦労はしましたよ……本当にね」
「さもありなん、正しく巨滅の英雄に相応しい功績だな」
先程部屋から出て行った人達の事を思い出し、流は少し申し訳なく思う。
「それで良かったんですか、忙しい所に来てしまって?」
「ああ問題無い、むしろお前と会う方が重要だ。何故という顔をしているな? はは、それはお前が一番情報を持っているからだよ。冒険者ギルドも今頃はハチの巣をつついてるだろ? だから情報の連携がイマイチでな。そこで当事者のお前に話を聞きたいって訳だ」
「あ~なるほど」
そこへメリサが丁度お茶を持ってきたので、三人で情報をすり合わせる。
その話にバーツとメリサは芝いを見ているように一喜一憂し、時には怒り、時には顔を青くし、驚きと感動の洪水に溺れながらも流の話に聞き入っていた。
「――と言う訳で、外での殺盗団は外道のカワード共に壊滅し、今程話した大使館の内部は悪魔と、その僕を倒したと言う訳です」
「し、信じられない程濃密な一日だったのだな! とても人の成せる事とは思えない働きだ!!」
「ナガレざま……よ、よぐ無事で戻っで来れまぢだね!!」
バーツは顔を上気させたように興奮し、流の活躍を頷きながら聞き入っており、メリサに至っては涙腺崩壊で流の無事を喜んでくれている。
「いやぁ、そこまで喜んで貰えるとは、冒険者冥利に尽きるって感じですかね? っと、本業はあくまで商人ですけどね」
「何を言っているんだ。今やお前は両ギルドにとって、なくてはならない存在になったと言うのに。う~む……この話を劇や芝いにしたらウケる! 間違いなくな!! ただオルドラが抗議してくるのは目に見えているな……。よしそこを何とかして売り出そう!」
「それは良いお考えですよ、ギルドマスター♪」
何やら二人でよからぬ方向へ話が流れ始め、焦る流は元に戻そうとする。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。俺を芝いにしたって面白くも何ともないですよ。それよりこれ! これを見てください!」
流は慌てて出がけにロッティから貰った思い出す。その言葉に二人は興味深そうに流を見つめるが、説明もなしに資料をバーツに渡すのだった。
(どうやら骨董やさんの道具も万能じゃないって事か……相性やその場であった物を見繕う目を養わいとな)
ふと見ると嵐影の耳がパタパタを動いているのが可愛いらしい。
思わず付け根をコリコリとかいてみると、嬉しそうに「……マァ~」と鳴いた。
「嵐影、昨日は色々大変だったけど、お前を友とする事も出来たし、ゴミも掃除出来たし、姉妹も解放出来たし、大変だったけど差し引くといい日だったな」
「……マ」
「ははは、それは俺もだよ。お互い強くなったもんだ……って、お前さ。もしかしてだけど、以前の十倍早く走れたりしてな?」
「……マ?」
「いやいや! ここで走ったら交通事故ならぬ、ラーマン事故になるから!!」
「……マァ……」
嵐影は残念そうに首を左右に振ると、視線の先に偶然知り合いのラーマンがいたようだった。
丁度目的地の商業ギルドへと付いた事もあり、流は嵐影を一撫でする。
「……マ?」
「ああ良いよ、俺がギルドに行ってる間話してるといいさ」
嵐影は一瞬止まってから、知り合いのラーマンを手招きして呼び寄せる。
そのまま嵐影とラーマンが歩いていると、どこからともなく他のラーマンも流達の後ろに付いて来ていた。
「ギルドには着いたけど、なんだ? ラーマンがいっぱいだな……」
商業ギルドへ着くまで気が付かなかったが、何時の間にかラーマンが十数頭集まっている。
そんな珍しい光景を商業ギルドから出て来た客も、驚きの表情でそれを眺めている。
「じゃあ嵐影。ちょっと行って来るから、適当にくつろいでいてくれ」
「……マ」
嵐影は右手をフリフリと流へと振ると、他のラーマンを連れて木陰へと向かって行くのが見えた。
「さて……何が出るかお楽しみってね」
商業ギルドのドアは冒険者ギルドと違って普通のドアだった。
よく手入れがされているようで、油がしっかりと染み込んだ蝶番は異音を立てずに動き出す。
ドアをゆっくりと押して中へ入ると、内部はハチの巣をつついたような状態だった。
「うわぁ……これってやっぱり俺のせいだよな……」
「あ、ナガレ様! お待ちしていました、どうぞこちらへ!」
「よぅメリサ。その……これってやっぱり?」
「はい、殺盗団がらみで阿鼻叫喚と言ったところですよ。詳しくはギルドマスターの所へ行きましょう」
「お、おい」
流はメリサに手を引かれながら、人で溢れかえるホールをかき分けマスタールームへと到着する。
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「ナガレだと!? 早く入ってもらえ!!」
切羽詰まった様子のバーツは、部屋にいた部下達を一端下がらせながらも、メリサへ茶を持ってくるように指示を出す。
「ふぅ~。よく来てくれたナガレ、昨日の事は聞いたぞ。よくこの短期間で、あの凶賊を殲滅出来た……しかも見たところ無傷じゃないか?」
「ええ、まぁ苦労はしましたよ……本当にね」
「さもありなん、正しく巨滅の英雄に相応しい功績だな」
先程部屋から出て行った人達の事を思い出し、流は少し申し訳なく思う。
「それで良かったんですか、忙しい所に来てしまって?」
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「あ~なるほど」
そこへメリサが丁度お茶を持ってきたので、三人で情報をすり合わせる。
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「――と言う訳で、外での殺盗団は外道のカワード共に壊滅し、今程話した大使館の内部は悪魔と、その僕を倒したと言う訳です」
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「ナガレざま……よ、よぐ無事で戻っで来れまぢだね!!」
バーツは顔を上気させたように興奮し、流の活躍を頷きながら聞き入っており、メリサに至っては涙腺崩壊で流の無事を喜んでくれている。
「いやぁ、そこまで喜んで貰えるとは、冒険者冥利に尽きるって感じですかね? っと、本業はあくまで商人ですけどね」
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