日本最狂の妖刀で、誰も見た事がない異世界・骨董無双~狂気の娘を返品したいがもう遅い!!だから神が宿る骨董品達で、俺が世界を改変してやるッ!!

竹本蘭乃

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第六章:商いをする漢

193:驚愕の幽霊屋敷~呆然

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「綺麗、なんて素敵なのかしら……」
「こんなにクリアなガラス板が……グラスなど些細な物か……」
「マジスゲーぞナガレ!! なんだこりゃあ……」

 放心している三人に満足した流は、中へ入るように促す。

「さあさあ、御三方。そんな入口に立っていないで、どうぞ中へ」
「う、うむ。それでは失礼する」
「わぁ……中も素敵です。見た事も無い調度品で一杯ですね」
「これは……一つでも一財産が築けるぞ」

 部屋の中には等間隔に置かれた品の良い調度品があり、観葉植物が優し気に葉を揺らす。
 メイド達の楽団が静かに演奏を始めると、ぼんやりと明るかった部屋が、天井に設置された巨大なシャンデリアによって煌々と照らされ始める。
 それと同時に外に設置されている魔具の間接照明により、庭園が暖色系にライトアップされ、さらに花々の色合いにあった光で満たされた。

「なんだと!? あれもガラス製品なのか!?」
「夢みたいな光景……」
「うっそだろ……」

 またもや絶句する三人に苦笑いする流だったが、この世界の工業基準を考えると、さもありなんと思う。

「では皆さまお席に着いてください。バーツさんは特別席に。二人はその左右にどうぞ」

 メイド達が椅子を引き、そして三人は座る。

「うむ……なんと素晴らしい椅子だ。まるで俺が王族にでもなった気分だ……」
「なんて座り心地の良い椅子なの……」
「これは贅沢なんて言葉じゃ言い表せないぜ……」
「皆さんが無事にお席に着いたところで、早速料理を運ばせましょう。頼む」
「承知致しました」

 セバスが一礼し、部屋の奥へ視線を向けると料理が次々と運ばれてくる。

「本日はコース料理ではなく、様々な食材と、それに合う香辛料の料理を思う存分楽しんでください」

 そう流が言うと、楕円形のテーブルには所狭しと料理が並べられる。

「こいつは凄い! なんと言う攻撃的な香りだよ。思わず涎が出てくるぜ!」
「ええ、こんなの見てるだけでお腹と背中がくっつきそうですよ」
「これが料理の皿だと? まるで高級美術だな。ああ食の宝石と言ってもいい」
「さあ、冷めないうちに召しあがってください。おっと違った、冷めない工夫もされているので、アツアツで楽しめますからゆっくりとどうぞ」

 その言葉を最後に三人は無言で食事を始める。
 だがそれもつかの間、一口食べれば言葉にならない呻きを上げ、二口食べれば涙を流し、三口食べれば感動で肩が震える。

 そして――

「「「美味しすぎる!!」」」

 これが三人が食事をしてから初めて発した言葉だった。

「喜んでもらえて良かった。どうです香辛料を程よく、物によってはたっぷりと使った料理は?」
「ありえない程〝ハグ〟素材の美味さを〝モグ〟引き出しているッ!」
「ええ本当です〝モグモグ〟こんな噛めば噛む程〝ハグハグ〟美味しさが沸きだすなんて」
「たまんねえ〝ガツガツ〟こんな魂を掴まれた〝ゴクリッ〟料理は初めてだぜ」
「ははは、せめて食べてから話してくださいよ」

 流が苦笑い気味に注意するも、三人は無我夢中で食べまくる。
 それはもう見た事も無い速度だが、それでも上品に食べるのが面白かった。
 そして次から次へと運ばれる料理の数々。
 三人の食べる速度はとどまる事を知らず、加速するのだった。

 ――やがて。

「ぷはぁああ!! 食べた、死ぬほど食べたぞ」
「ふぅぅ。もう食べれません! 幸せですぅ」
「ああ、俺ももう食えねえぜ……ここで死んでも悔いはねぇ」
「それは喜んでもらえて良かった。さて、最後はデザートですが……食べますか?」
「「「もちろん!!」」」

 流は頷くと天使の飾りが付いた、黄金のハンドベルを鳴らす。
 奥からメイド達が、青色のガラス皿に丸い物を銀のトレイに乗せ運んで来る。
 それが一人三つで、白・赤・茶色の三色だった。

「これは一見地味だな……?」
「はい、今までの物から比べると何とも……」
「だなぁ。これは何なんだ、ナガレ?」
「これは主に牛の乳と卵等を凍らせた物だ、食べて見ろよファン」

 その言葉に「ありえない」と言うように、目を見開き驚く三人。

「何ッ!! どっちも生で食べると腹壊すんだぜ?」
「ええ、私もそう聞いていますが……」
「うむぅ。どちらも生で食べてはいけない食材だな」
「まぁそう言わずに食べてみてくださいよ。見た目はネットリしてるから生に見えますが、火は通してあるので安心ですよ? 最初に私が食べて見ますよ、ほら……」

 流は次々と食べ始め、あっという間に三つを完食すると「とても美味しいですよ?」と三人に空の皿を見せる。

「なんと……では我らも食べてみようじゃないか」
「はい! 流さんのを見ていたらとても美味しそうでした」
「だな、ナガレがおかしな物を出すはずがないしな」

 三人は別の種類を取り、食べ始める。

「こ、これはあああああああ!! 濃厚なミルクをダイレクトに味わっているのか俺は?」
「何これえええええ!? ミルクの味に新鮮なイチゴが凄く美味しくて冷たい……」
「甘くて冷たいぞ!? これは何だ? 香ばしくて苦みがあり、後引く美味さだ!!」
「これはアイスクリームと言って、俺の国では何時でも買えるんですよ。美味しいでしょう?」

 何時でも購入が出来る。

 その言葉にバーツ達は絶句する。こんな美味さが何時でも買える場所とはどんな所なのかと。
 特に「侍」の事を知っているバーツは、もう一つ深い所で思案する。
 それは、以前の情報ではここまで「文明が進んではいない」はずなのだから。
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