日本最狂の妖刀で、誰も見た事がない異世界・骨董無双~狂気の娘を返品したいがもう遅い!!だから神が宿る骨董品達で、俺が世界を改変してやるッ!!

竹本蘭乃

文字の大きさ
192 / 486
第六章:商いをする漢

192:狂気の幽霊屋敷~真骨頂

しおりを挟む
「やあいらっしゃい。本日は楽しんで行ってください」
「うむ、ナガレ。今日は招いてもらって感謝する。楽しませてもらうぞ。ふふふ……楽しみだな本当に!」
「ナガレ様。本日はお招きいただきまして、ありがとうございます。楽しみすぎて一日があっと言う間でした」
「ようナガレ、今日もまたやっかいになるぜ。また美味い料理に期待してるぜ?」
「期待以上の物を用意したぞ? ま、楽しんでいってくれ。じゃあ皆こっちへ。場所は二階だから昇降機で登るからな」

 流の後をついて行く三人。正面の巨大な台座には大きな白獅子と、白虎が雌雄を決するような剥製が置かれており、思わず三人は魅入ってしまう。

「前に来た時は無かったよな……」
「これは凄い迫力だ、まるで生きているかのようだな……」
「凄すぎてちょっと怖いくらいです……」

 その時だった。突如目の前の二体が咆哮したかと思うと、置物の白獅子と白虎が動き出し、戦い始める。

「きゃああああああ!?」
「なんだと!?」
「おいおいおい! ナガレ、どーなっていやがるんだ!?」

 驚く三人に流は笑って答える。

「大丈夫だ、あいつらは人形さ。ほら、こっちを全然気にしていないだろう?」
 
 二頭は雌雄を決すべく戦いを続けるが、どこも怪我も無く台座の上で飛び上がったり、噛みついたり、爪で斬り割いたりと、多様な演出を見せてくれる。

「し、信じられん。これが演出と言うのか……」
「こいつあ驚いた……こんなの見た事ねーぜ……」
「な、ナガレ様。迫力ありすぎて腰がぬけそうです」
「さあさあ、そろそろ二階へ行きますよ」
「う、うむ」「はぇぇぇ」「驚いたぜ……」

 驚きも冷めやらぬうちに、昇降機があるホールへと到着する。
 メイドがドアを開け、中に四人が乗ったのを確認すると、四人を乗せたドアが閉まる。

 すると操作盤の前が揺らめいたかと思うと、メイド服を着た若い娘が突如現れた。
 その生気を失った真っ白な顔は、以外にも美しく、背中まで伸びた黒髪は実によく手入れをされているようだったが、何故か不気味に輝いている。

「……いらっしゃいませお客様。お二階で……よろしいでしょうか?」
「ヒィィィィィ!?」
「こ、この娘はゴーストなのか!?」
「おいおい、ナガレこいつもエキストラかよ!?」
「ははは、驚いたろう? ここにいたゴーストの一人だ。たまたま生き残って(?)な。それで話を聞くと、魔具のこの昇降機が気に入っているらしくてね。何もしないなら昇降機係として雇ってもいいと言ったら、二つ返事でこの通りさ」

 その流の発言に凍り付く面々。

「豪胆にもほどがあるぞナガレ……」
「ナガレ様の心は鋼よりお強いんですね……」
「ぶっ飛んだ奴だとは思っていたが、ここまで来ると笑うしかねぇ……」
「まぁ害は全く無いので安心を。いつもありがとうなミレ」

 ミレと呼ばれたゴーストの娘は、死者なのに頬を染める。

「頬を染めた……」
「生きてるみたいですね……」
「よく見ると可愛い子だな……」

 ファンは別の意味で見とれていたが、昇降機は二階へと到着する。

「……到着しました……足元に注意してくだ……さい」
「「「足元?」」」

 三人は思わず足元を見る。すると足元に手が三人の足を掴むように、沢山伸びていた。
 さらにご丁寧に床が暗黒の大穴のように見えるようになっており、落ちたら二度と助からないだろうと言う視覚効果付だ。

「「「うわあああああああああ!?」」」

 そんな三人を面白そうに眺める漢がいた。

「ははは。お前達、その辺にしないか」
「はいご主人様……。では失礼します……」

 そう言うとミレと手も同時に消え失せ、床も元の大理石に戻る。
 そして実にいい笑顔で、流は三人へと告げる。

「どうですかな、我が幽霊屋敷は?」
「「「心臓に悪すぎる!!!!」」」
「お気にいっていただけて何よりです。さて、冗談はここまでにしてダイニングルームへどうぞ」
「う、うむ……大丈夫なのか本当に……」
「不安が山のように積もっています……」
「ナガレ、頼むぜ本当によぅ……」

 そんな三人は顔を青くして、ダイニングルームの前へと向かうのだった。
 三人は今にも倒れそうな程憔悴していたが、やっとの事でダイニングルームの前へと着く。
 綺麗に着飾った衣服は微妙に乱れ、その様子はまるで長時間戦った後の疲弊した兵士のような、魂が抜け落ちた顔だった。

「驚かないでくださいよ、ここからが本番ですからね?」
「ナ、ナガレ。まだ幽霊が出るのか!?」
「ナガレ様……もう私倒れても良いですか?」
「俺もぶっ倒れそうだぞナガレ……」
「ははは、それは見てのお楽しみと言う事で――頼む」

 その瞬間、扉の両脇に置いてある巨大な鎧が動き出し、片方が高さ二メートル五十センチ・横一メートル半の扉を開く。

「ぬぉ!? 今度は鎧の化け物か!? な……ん、だと……」
「もう、駄目…………はぇ? こ、これは……」
「うわあ!? マジかよ……って、嘘だろ……」

 三人の目の前に広がるのは驚愕の光景だった。
 満点の星空に流星が瞬き、その美しさを余すことなく表現する、額縁のように整った空間がそこにあった。

 見ればその薄暗い空間は外とは断絶されており、どうやらガラスのようであると思うが、自分達の知っているガラスとはかけ離れた美しき窓を見て、三人はその場で魅入ってしまう。
しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

無能認定され王宮から追放された俺、実は竜の言葉が話せたのでSSS級最凶竜種に懐かれ、気がついたら【竜人王】になってました。

霞杏檎
ファンタジー
田舎の村から上京して王宮兵士となって1年半…… まだまだ新人だったレイクは自身がスキルもろくに発動できない『無能力者』だと周りから虐げられる日々を送っていた。 そんなある日、『スキルが発動しない無能はこの王宮から出て行け』と自身が働いていたイブニクル王国の王宮から解雇・追放されてしまった。 そして挙げ句の果てには、道中の森でゴブリンに襲われる程の不遇様。 だが、レイクの不運はまだ続く……なんと世界を破壊する力を持つ最強の竜種"破滅古竜"と出会ってしまったのである!! しかし、絶体絶命の状況下で不意に出た言葉がレイクの運命を大きく変えた。 ーーそれは《竜族語》 レイクが竜族語を話せると知った破滅古竜はレイクと友達になりたいと諭され、友達の印としてレイクに自身の持つ魔力とスキルを与える代わりにレイクの心臓を奪ってしまう。 こうしてレイクは"ヴィルヘリア"と名乗り美少女の姿へと変えた破滅古竜の眷属となったが、与えられた膨大なスキルの量に力を使いこなせずにいた。 それを見たヴィルヘリアは格好がつかないと自身が師匠代わりとなり、旅をしながらレイクを鍛え上げること決める。 一方で、破滅古竜の悪知恵に引っかかったイブニクル王国では国存続の危機が迫り始めていた…… これは"無能"と虐げられた主人公レイクと最強竜種ヴィルヘリアの師弟コンビによる竜種を統べ、レイクが『竜人王』になるまでを描いた物語である。 ※30話程で完結します。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...