日本最狂の妖刀で、誰も見た事がない異世界・骨董無双~狂気の娘を返品したいがもう遅い!!だから神が宿る骨董品達で、俺が世界を改変してやるッ!!

竹本蘭乃

文字の大きさ
426 / 486
第九章:奪還作戦と、国の闇

426:石油?

しおりを挟む
 嵐影の額に浮かぶ紋様。それは円形と、それを囲むように翼のようなものが浮かび上がっていた。
 驚く全員。レッド・ドラゴンなどはイケナイもので大地を濡らす。
 そんな状況を呆然と見ながら、全員は一度顔を見合わせると、流は思い出したように話し出す。

「そいつは……ああそうだ。嵐影、おまえの爺さんにも似たような紋様があったぞ!」
「……マ?」
「そうだ。今のおまえにそれが出ている。ほら、見てみろよ」

 流はそう言うと、悲恋の腹を横にして嵐影の顔に映す。

「…………マ……」

 それを見た嵐影は驚き、つぶらな瞳で流と悲恋に写った自分を見つめる。
 やがてそれが本当の事だとわかると、嵐影は立ち上がり。

「……マママ~ママ~マッマッマ~!!」
「お、おう。たしかにおまえの言う通りだ。あの時の爺さん、疾風はやてとの会話に出てきてた事と似ている……いや、多分同じなんだろう」
「……マァ」
「って事は、コイツはおまえのモノになったと思っていいだろう」

 嵐影と流はレッド・ドラゴンに視線をうつす。どうやらまだ怯えているようで、巨体をブルブルと震えさせ、嵐影と流を交互に見る。

「ぅ……うう。やっぱり殺すのだな……そうか。我はここで死ぬのか……せめて痛くしないでね?」

 自分の最後を悟るレッド・ドラゴンは、滝のように青い瞳から涙ながす。
 そこに嵐影はしずかに近寄ると、そっと右手を出してそれを拭う。
 殺されると思ってビクリと震えるレッド・ドラゴンは、以外な展開に大きな青い瞳で嵐影を凝視する。

「……マァ」
「ぇ、助けてくれるの?」
「……マ~」
「そ、そりゃあもちろん! 助けてくれるなら、何でも言うことを聞きますよ!!」
「……マッママ」
「わっかりました! 今日からえっと……お名前は?」
「……マ」
「ランエイさんですね! ランエイさんの手下になります!!」

 レッド・ドラゴンが自分の胸をドンと叩き、腹からながれている青い血が、その反動で嵐影の顔へと〝ぺちょり〟と飛び散る。
 嵐影は嫌そうに一つうなる。その瞬間だった、嵐影の胸が光だし首飾りのような模様が出現し、その一つが赤く染まり輝く。
 それと同時にレッド・ドラゴンの胸にも、一つの模様が浮かび上がり、まるで首飾りのような形になる。
 

「ぬおおおおお!? 今、ランエイさんと我はつながった……な、なんだ……力が湧き上がる!?」

 レッド・ドラゴンは突如咆哮をあげる。その口からは、青い炎が吹き出す。それはレッド・ドラゴンが夢にまで見た「本当の炎」であった。

「わ……我が……本当の炎のブレスを……。うぅ、嬉しいいいいいい」

 感動したレッド・ドラゴンは、天に向け炎を何度も吹き出す。それは天をも穿つ勢いで吹き上がり、夕暮れの平原を明るく染める。
 それを見た遠くの街は、さらに恐怖で警報を打ち鳴らす。
 やがてそれも落ち着き、レッド・ドラゴンは嵐影へ向き直ると、頭をさげるのだった。

「もう本当に一生ついていく所存です、ランエイさん!!」
「……マァ」
「え? その人間、ナガレさんがランエイさんの主? そ、そいつは失礼しました。オイ、ナガレさん、これから世話になるぞ!!」
「お前さぁ、偉そうなんだか、弱そうなんだかはっきりしろよ。で、どうして襲いかかってきた?」
「ヒィッ!? そ、そんな睨まないでくださいよ。言いますから」

 レッド・ドラゴンは流たちを、襲った理由について話し出す。どうやら上位の竜からの指示らしく、その話は得体のしれない人間のようなものからだったらしい。
 その内容に流は難しい顔をしながら話を聞くと、思いつく事があると口を開く。

「――つまり、その人間は『俺とにたような雰囲気』だったと?」
「そ、そうなんです旦那。ナガレの旦那と同じように、人とは思えない雰囲気と威圧感を放っていました。だからてっきりそいつが来たのかと思い、理由を聞き殺してやろうかと……スミマセン」
「まぁそれはもういい。で、その指示とはなんなんだよ?」
「え~っとですねぇ。あ、そうそう。なんでも人間なのに、人間じゃない雰囲気のヤツが近くに来たら食べていいって言ってましたね!!」
「……おい、それって俺の事じゃねぇのか? ん?」

 流とレッド・ドラゴンは顔を見つめると、レッド・ドラゴンは「あ!」と一言驚く。

「そうか! 今思えばナガレの旦那の事か!! 納得」
「はぁ……そうなると、やっぱりこれは」
『人形がらみの、アルマーク商会でしょうね』
「またウチが関係しているのか……。早急に爺さんに合わないと、いけなくなったな」

 そうエルヴィスはつぶやくと、遠くの山をジっと見つめる。その様子にセリアもルーセントも黙って見ているだけだった。
 しばらくレッド・ドラゴンと話をしていると、面白い発見もあった。どうやらあの水は実は燃えるらしい。
 だが火を付けたくらいでは燃えず、火の上級魔法か、落雷にでも吹きかけないと燃えないとのことだ。
 
「と言うことはだ、燃える水を吐き出していたが、燃やす手段なくて水のブレスになっていたと?」
「自分でもよく分かんないんですけどねぇ、多分そうです」
「駄竜めぇ……ん? あれは」
「戦闘準備完了ってところかしらね」

 流たちは町の方から駆けてくる武装集団を確認すると、全員疲れた表情で顔を見渡すのだった。
しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

無能認定され王宮から追放された俺、実は竜の言葉が話せたのでSSS級最凶竜種に懐かれ、気がついたら【竜人王】になってました。

霞杏檎
ファンタジー
田舎の村から上京して王宮兵士となって1年半…… まだまだ新人だったレイクは自身がスキルもろくに発動できない『無能力者』だと周りから虐げられる日々を送っていた。 そんなある日、『スキルが発動しない無能はこの王宮から出て行け』と自身が働いていたイブニクル王国の王宮から解雇・追放されてしまった。 そして挙げ句の果てには、道中の森でゴブリンに襲われる程の不遇様。 だが、レイクの不運はまだ続く……なんと世界を破壊する力を持つ最強の竜種"破滅古竜"と出会ってしまったのである!! しかし、絶体絶命の状況下で不意に出た言葉がレイクの運命を大きく変えた。 ーーそれは《竜族語》 レイクが竜族語を話せると知った破滅古竜はレイクと友達になりたいと諭され、友達の印としてレイクに自身の持つ魔力とスキルを与える代わりにレイクの心臓を奪ってしまう。 こうしてレイクは"ヴィルヘリア"と名乗り美少女の姿へと変えた破滅古竜の眷属となったが、与えられた膨大なスキルの量に力を使いこなせずにいた。 それを見たヴィルヘリアは格好がつかないと自身が師匠代わりとなり、旅をしながらレイクを鍛え上げること決める。 一方で、破滅古竜の悪知恵に引っかかったイブニクル王国では国存続の危機が迫り始めていた…… これは"無能"と虐げられた主人公レイクと最強竜種ヴィルヘリアの師弟コンビによる竜種を統べ、レイクが『竜人王』になるまでを描いた物語である。 ※30話程で完結します。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

処理中です...