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第九章:奪還作戦と、国の闇
440:道楽の極み
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「うお!? Lお前なにしてんだっ――って、えええ!? 火が入ったの、か?」
「イルミス様、これは!? まだこのような仕掛けがあるとは!!」
驚く一同。とくにエルヴィスを見て、勝ち誇ったように口角を上げる伯爵様。
「だれが……そう、だれが仕掛けは一つだと言いましたか? 本命はコチラですのよエルヴィスぅ? 薄っすらと火が入ることでスープが食材へと浸透し、レアに近い究極の味を楽しむ。それが分からないとは……愚かッ!!」
「くぅッ!? 性悪伯爵様がぁ」
「ホホホホ!! ザマァ無いですわねぇ? だから貴方はまだまだでしてよ? はい、いつもの♪」
「ぐぬううううううッ」
メイドが運んでくる一つの皿。そこに乗っている物体は異様な色をしている。
紫色のソレは、何か動いているようにも見え、微妙に声がした。
それがエルヴィスの目の前に置かれてしまう。
「ううううぅ……気持ち悪い……」
「何だそれ!? おい、まさかソレを食べるのか!?」
「正解。それがエルヴィスの特別メニューなのですわ。私が出したメニューを看破する。それが出来なければ、ソレを食すと言うゲームですのよ?」
「見事看破出来れば、報酬もあるのですがね。今回は私の負けです。くそぅ」
エルヴィスは紫色の丸いが、ドロリとした物体へナイフをいれる。
次の瞬間「ギャアアア!!」と、その物体が悲鳴をあげ、顔のようなものが浮き出てた。
その恐ろしい光景に、美琴は「ヒィィ」と声にならない悲鳴をあげ、セリアは口をパクパクさせている。
「うおおお怖い、怖すぎる……それ食べれるのか? マジかよ、死ぬぞエルヴィス」
「ナガレ。商人って奴はな、一度契約したら死んでも遂行する。それが商人としての生き方だ!」
ナイフとフォークを頭上にかかげ、エルヴィスは勢いよくムンクの叫びのような、謎の物体へと突き刺す!
紫の謎物体は、より一層激しく叫び真っ二つに裂け赤い液体を撒き散らす。
それをエルヴィスはフォークに突き刺すと、赤く滴る液体ごと一気に口へと放り込む。
歪む表情、歪む頬肉。まだ生きているのか〝ウネウネ〟と動くそれは、口から触手のようなものが這い出す。
見ている美琴とセリアはパニック寸前! 涙目で「ヒィィィ」と叫ぶと、両手で顔を覆う。
だが指の間からしっかりと見る。乙女はいつだって見たいのだ、そう言うお年頃なのだ。
「エルヴィス……お前の死は無駄にしない。あの世でも元気でな」
流は親友との別れを目に焼き付ける。その親友の顔色はさらに悪くなり、それでも無理やり咀嚼して飲み込む。
なんと言う男、いや漢なんだ! と、流は涙をながし感奮するが。
「グウウウウッ!!」
「「「エルヴィス!!」」」
「うっまあ!! うっっっまあああああい!!」
「「「……はぁ?」」」
「蜂蜜より上質で、気品ある味わい。さらに植物とは思えない、肉とも魚ともどれとも違う旨味!! さらにこの食感と、歯ざわりが癖になるッ! 甘さと旨味が詰まった謎の感覚で、私の心はもうだめでしょう。まさに至宝と言える一品ですッ!!」
苦しんでいたはずのエルヴィスだったが、いきなり復活したかと思えばコレである。
流たちは何がなんだか分からずそれを見ていたが、イルミスが拍手をしながら楽しげに口を開く。
「アハハハ。本日も気に入っていただけて何よりですわ。貴方にいつでもご提供できるようにと、専属の職人を雇いましたの。そのかいがあり、わたくし大満足ですわ」
「え~っと、これは一体どういうことだ? あれ、美味いのか?」
「ええ、最高のお味ですわよ? 一度食べたら病みつきになるほどに、ね?」
「そうなのか!! なら俺も食べさせてくれないか?」
流の言葉にドン引く一同。いくら美味な食材でも、アレを食べる勇気は無い。
そんな流に、エルヴィスは真剣に話す。
「やめておけ。確かに美味い。最高の一品だ。だがな……この後。いや、今後しばらく何を食べても『まずく感じる』おまけ付きだ」
「あら嫌だわ。まるで呪いの植物みたいな言い方は、正直感心しませんわよ?」
「フン、当たらずとも遠からずでしょうに。このマンドラの実はな、あまりに美味すぎて、しばらく舌がコレのみを欲する。だから何を食べてもまずく感じるワケだ」
「まぢかょ……」
「ああ。まったくこの性悪様の手口はいつもこうだ。盛大な餌で獲物を釣り、それを楽しみながら、罠にかかった奴が最大に困る事をする。だが、見返りもそれなりにある。性悪様、今回の相場は?」
イルミスは楽しげに微笑むと、指を一本ずつ立ち上げる。まずは人差し指、勿体つけて中指。最後にあざ笑うように薬指をあげ。
「と、まぁ三つかしらねぇ?」
「はぁ。これまた奮発しましたな」
「三つ? 金貨三枚くらいか?」
「ハハハ……桁が違うぞナガレ。竜貨三枚だ」
流はこの遊びが普通じゃない事を知る。なぜなら日本円換算で三千万円の遊びだからだ。
金持ちの遊びについていけないと思うが、それでもこの遊びの理由が知りたいと思う流であった。
「イルミス様、これは!? まだこのような仕掛けがあるとは!!」
驚く一同。とくにエルヴィスを見て、勝ち誇ったように口角を上げる伯爵様。
「だれが……そう、だれが仕掛けは一つだと言いましたか? 本命はコチラですのよエルヴィスぅ? 薄っすらと火が入ることでスープが食材へと浸透し、レアに近い究極の味を楽しむ。それが分からないとは……愚かッ!!」
「くぅッ!? 性悪伯爵様がぁ」
「ホホホホ!! ザマァ無いですわねぇ? だから貴方はまだまだでしてよ? はい、いつもの♪」
「ぐぬううううううッ」
メイドが運んでくる一つの皿。そこに乗っている物体は異様な色をしている。
紫色のソレは、何か動いているようにも見え、微妙に声がした。
それがエルヴィスの目の前に置かれてしまう。
「ううううぅ……気持ち悪い……」
「何だそれ!? おい、まさかソレを食べるのか!?」
「正解。それがエルヴィスの特別メニューなのですわ。私が出したメニューを看破する。それが出来なければ、ソレを食すと言うゲームですのよ?」
「見事看破出来れば、報酬もあるのですがね。今回は私の負けです。くそぅ」
エルヴィスは紫色の丸いが、ドロリとした物体へナイフをいれる。
次の瞬間「ギャアアア!!」と、その物体が悲鳴をあげ、顔のようなものが浮き出てた。
その恐ろしい光景に、美琴は「ヒィィ」と声にならない悲鳴をあげ、セリアは口をパクパクさせている。
「うおおお怖い、怖すぎる……それ食べれるのか? マジかよ、死ぬぞエルヴィス」
「ナガレ。商人って奴はな、一度契約したら死んでも遂行する。それが商人としての生き方だ!」
ナイフとフォークを頭上にかかげ、エルヴィスは勢いよくムンクの叫びのような、謎の物体へと突き刺す!
紫の謎物体は、より一層激しく叫び真っ二つに裂け赤い液体を撒き散らす。
それをエルヴィスはフォークに突き刺すと、赤く滴る液体ごと一気に口へと放り込む。
歪む表情、歪む頬肉。まだ生きているのか〝ウネウネ〟と動くそれは、口から触手のようなものが這い出す。
見ている美琴とセリアはパニック寸前! 涙目で「ヒィィィ」と叫ぶと、両手で顔を覆う。
だが指の間からしっかりと見る。乙女はいつだって見たいのだ、そう言うお年頃なのだ。
「エルヴィス……お前の死は無駄にしない。あの世でも元気でな」
流は親友との別れを目に焼き付ける。その親友の顔色はさらに悪くなり、それでも無理やり咀嚼して飲み込む。
なんと言う男、いや漢なんだ! と、流は涙をながし感奮するが。
「グウウウウッ!!」
「「「エルヴィス!!」」」
「うっまあ!! うっっっまあああああい!!」
「「「……はぁ?」」」
「蜂蜜より上質で、気品ある味わい。さらに植物とは思えない、肉とも魚ともどれとも違う旨味!! さらにこの食感と、歯ざわりが癖になるッ! 甘さと旨味が詰まった謎の感覚で、私の心はもうだめでしょう。まさに至宝と言える一品ですッ!!」
苦しんでいたはずのエルヴィスだったが、いきなり復活したかと思えばコレである。
流たちは何がなんだか分からずそれを見ていたが、イルミスが拍手をしながら楽しげに口を開く。
「アハハハ。本日も気に入っていただけて何よりですわ。貴方にいつでもご提供できるようにと、専属の職人を雇いましたの。そのかいがあり、わたくし大満足ですわ」
「え~っと、これは一体どういうことだ? あれ、美味いのか?」
「ええ、最高のお味ですわよ? 一度食べたら病みつきになるほどに、ね?」
「そうなのか!! なら俺も食べさせてくれないか?」
流の言葉にドン引く一同。いくら美味な食材でも、アレを食べる勇気は無い。
そんな流に、エルヴィスは真剣に話す。
「やめておけ。確かに美味い。最高の一品だ。だがな……この後。いや、今後しばらく何を食べても『まずく感じる』おまけ付きだ」
「あら嫌だわ。まるで呪いの植物みたいな言い方は、正直感心しませんわよ?」
「フン、当たらずとも遠からずでしょうに。このマンドラの実はな、あまりに美味すぎて、しばらく舌がコレのみを欲する。だから何を食べてもまずく感じるワケだ」
「まぢかょ……」
「ああ。まったくこの性悪様の手口はいつもこうだ。盛大な餌で獲物を釣り、それを楽しみながら、罠にかかった奴が最大に困る事をする。だが、見返りもそれなりにある。性悪様、今回の相場は?」
イルミスは楽しげに微笑むと、指を一本ずつ立ち上げる。まずは人差し指、勿体つけて中指。最後にあざ笑うように薬指をあげ。
「と、まぁ三つかしらねぇ?」
「はぁ。これまた奮発しましたな」
「三つ? 金貨三枚くらいか?」
「ハハハ……桁が違うぞナガレ。竜貨三枚だ」
流はこの遊びが普通じゃない事を知る。なぜなら日本円換算で三千万円の遊びだからだ。
金持ちの遊びについていけないと思うが、それでもこの遊びの理由が知りたいと思う流であった。
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