日本最狂の妖刀で、誰も見た事がない異世界・骨董無双~狂気の娘を返品したいがもう遅い!!だから神が宿る骨董品達で、俺が世界を改変してやるッ!!

竹本蘭乃

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第九章:奪還作戦と、国の闇

460:四本目

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「ジジイ流・参式! 四連斬!!」

 拡散型の連斬を放ちながら、屋根より飛来。八人の賊はそれに反応できず、眉間に斬撃をもらい、そのまま倒れる。
 着地と同時に、流はまだ立っている賊へ斬りかかり、二人の賊の首を跳ねた。
 それを見た娘は、助かったと心から安堵したかのように、流へと感謝をのべるのだが。

「あ、ありがとうございます!! あの、これ解いてもらえませんか?」
「いやぁ~そしたいのは山々なんだが、まだボスさんが健在なんでねぇ」
「そ、そんなぁ……」

 茶色い髪の十代後半くらいの娘は、そばかす顔を歪め涙目になる。そして叫ぶように助けを求めた。

「お願い!! もう足が痛いし、服も剥ぎ取られそうなの! 助けてください!!」
「わかったわかった。少し待っててくださいねぇ~?」
「ぐがあああああ!!」
「おいおい、眉間に打ち込んでもまだ生きてるのか? 巨漢は強いねぇ」

 巨漢の男は、野球のバッド十本分くらいの棍棒を流へと叩きつける。
 それを悲恋で弾くように斬り上げると、巨漢の男の顔面に棍棒がめり込む。
 たまらず倒れる巨漢の男。死んでいるようだが、なぜか攻撃されると生者のような行動をとるのが不思議だ。

 そのまま流はジャンプし、巨漢の男の喉に美琴を突き刺しトドメを刺す。
 ビクンと一度巨漢を揺らすと、そのまま動かなくなった。どうやら倒せたらしい。
 流は「やれやれ」と呟くと、そのまま逆さに吊るされた娘の元へと行く。
 衣服は破られ、下着がチラリと見えている。さらに縛られた足首からは血がにじみ出ており、傷が深いのがわかる。

「またせたな。俺は別に待ってないが」
「な、何を言っているの? お願い助けてください! もう耐えられないの!」
「はいはい。じゃあ動かないでね?」

 担いだ悲恋をロープめがけて一閃。地上二メートルの高さに、逆さで吊るされていた娘は、そのまま地面へと落下し……〝ボギッ〟と鈍い音を響かせ、首の骨を折って死亡する。

「あらまぁ、死んじゃった」
『鬼畜ですね。ほんと』
「だってねぇ……」
『まぁねぇ……』

 流はそのまま娘の遺体へと近寄ると、悲恋を振りかぶる。そして無表情で娘の首を斬り飛ばす。
 その後ゆっくりと広場中央に生えている木を見上げると、おもむろに左後方へと悲恋を構える。

「そろそろ顔を見せたらどうなんだ? なぁ、アンデッド使いさんよ? ジジイ流・薙払術ていふつじゅつ! 巨木斬!!」

 目の前の巨木へ放つ、巨木斬。その無骨で巨木をもへし折る斬撃は、斬ると言うより「へし折った」かのように巨木をなぎ倒す。
 メキメキとへし折られた中から出てきたのは、繭のような白い物に包まれた物体。
 その繭に亀裂が入ると、そこから羽の生えた虫のような顔つきの生き物が現れる。

「おぉ~虫人間?」
『ネーミングセンスって何でしたっけ?』
「ウルサイわ! それよりアレ」
『ええ。人質……ですかね?』

 流が見たその先にいるもの。虫人間と呼んだメスぽい体つきの、人間と虫の中間みたいな存在が左手に持つもの、それは人間の女だった。
 これと言った特徴のない茶髪の女は、気絶しているらしく、まったく動かない。その女の髪を持ったまま、虫人間は流の前に降りてくる。

「オイ。よくも私の巣を粉々にしてくれたな? この礼はキッチリとさせてもらおう」
「なに、礼を言われるほどのものじゃない。あぁ、ついでにコイツもくれてやろう。ジジイ流・刺突術しとつじゅつ! 針孔三寸しんくさんずん!!」

 複眼で三つの刺突を見つめる虫人間。手に持つ短剣でそれらを二つまで弾き飛ばす、が。

「そんな安物でそこまで防げば上等」
「チィッ!!」

 虫人間は短剣が持たないと判断し、そのまま放置するように投げ捨てながら回避する。
 流石いい目を持っているようで、その行動に迷いがない。
 その際に左手に持っていた女を放り投げると、その衝撃で女が目覚めたようだ。
 虫人間はもう一本の短剣で流へと斬りつける。しかし流は何事もないように、あくびをしながらそれを弾き返している。
 
「ふぁ~あ。俺早起きしたろ? だから眠いんだよ。だから早く、次の休める所へ行って寝たいのよ」
「黙れッ!! くそッ」
「うぅん……ここは一体……って、ヒィィィッ!? 一体何が起きているの!!」

 そう女が言うのも無理はない。女の目の前でいきなり火花が複数回散ったのだから。
 見れば知らない男と、虫のような羽を生やした人間らしいものが戦っていた。

「よ~目覚めたかい? 今すぐ終わらせるから、待っていろよな」
「クソ、もう勝った気でいるのか!!」
「当然だろ? だってこうだろう?」

 流は左手に妖気を込めると、それを具現化する。そして――。

「ジジイ流・投擲術とうてきじゅつ! 飛竜牙!!」

 虫人間へ投擲された、妖気で出来た四本のクナイ。それが三本、虫人間の眉間・喉・鳩尾に当たり絶命し――。

「ギャグゥッ!?」
「あぁすまない。手元が狂った」

 最後の一本が虫人間の股の下を通過し、後ろにいた女の右肩へと突き刺さる。
 怯んだ虫人間を袈裟懸けに一閃し、それを駆除すると、流はゆっくりと女へと近寄る。

「おまたせ、大丈夫かい?」
「ど、どの口がいうの!?」
「だってなぁ……茶番は終わりだ」

 流は女の喉元へ悲恋を突きつけると、女の正体を暴くのだった。
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