【完結!!】妹と婚約者に虐げられ全てを奪われた光の大聖女は、断罪された後なぜか【シン・魔女】となり、もふもふ殿下の呪いまで解呪し溺愛された件

竹本蘭乃

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ドス黒い仮面

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 一瞬そう考えたけど、痛みと苦しみで空腹だったお腹から、苦いものが吐き出されてむせてしまう。
 でも衛兵はそんな事を気にもせず、両肩を引きずりあげて立たせると、そのまま引きずって入り口まですすむ。

「ゲホっ……ま゛、ま゛っ゛て゛……何かのまちがえ……」
「ええい黙れ魔女め!!」

 さらに衛兵に殴られ、景色が三重に見えたと同時に、意識が保てなくなった。
 もうだめかもしれない。そう思いながらも急速に視界が暗くなり、完全に意識を手放す……。



 ◇◇◇



 闇堕ちしたワタクシの姉。常闇の魔女、エリーシアが謁見の間より連れ出され、重厚なかしの木の扉が閉じた事で父上が口を開く。

「なんという事だ。我が王家からあのような穢れがうまれようとは……」
「父上……心中をおさっしいたしますわ」

 玉座に腰を落とし、右手で顔を覆いながら重々しくため息を吐く。
 そんな父上へと静かに近づきながら、足元まで来ると同時にひざまずく。

「父上……いえ、国王陛下ご安心を。お姉さまの代わりと言っては役不足ですが、こちらを御覧ください」

 そう言いながら右手のこうを差し出すと、父上は「何を言って……おおおそれは!?」と驚く。
 ふふ、当然よ。これは紛れもない聖印なのだから。
 あの夜、私は契約をした。そう……あの厄災の魔女と〝エリーシアを売り渡す契約〟を。

 そこでもらったのは、この〝闇堕ちしたように偽装する呪術が込められたコンパクト〟と、聖印をワタクシへと移す術式が込められた指輪。
 ついでに父上もその周囲も、コンパクトの力でワタクシの虜にできて満足ですわ。
 そう内心ほくそ笑んでいると、父上が玉座から降りてきてワタクシの肩を優しく包む。

「なんと、なんという事だ。神はまだ我らを見捨ててはおらなんだか……」
「はい父上。昨日魔女めがみ様が訪れ、ワタクシに聖印を移すと言われ困惑しておりました」

 その言葉で謁見の間は「「「おおお!!」」」と声が重なり歓喜にふるえる。
 それを聞き父上も「さもあろう」とうなずくと、ワタクシの言葉を待つ。

魔女めがみ様はおっしゃりました。明日の正午に姉上が闇に染まる、と」
「なんと!? それはどういう意味だ?」
「はい……信じたくはありませんでしたが、残念ながら姉上は厄災の魔女と契約し、この国を滅ぼそうと思っていたようです。だからそれが本当かどうかを、静かに見守っておりましたが……うぅ。まさかこのような事になろうとは……」

 肩を震わせ下をむきながら泣いて見せる。そう、城に来る道化師よりも極上の演技ですわ。
 なんという完璧な演技。そう思うとさらに体が喜びでふるえる。
 それがさらにリアリティを生み、父上が涙をながして抱きかかえてくれた。ふっ、笑えますわね。


▷▷▷▷▷▷完結まで残り――6話
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