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050:な、何が起きたかありのまま話すぜ
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まずはルアーを海底まで沈めようとした時、ふいに大物の気配を感じ、思わず黄金ルアーをソイツへと向けてしまう。
けどこれがいけなかった。予想以上の大物で、思い切り魚が走り始める。
しかもこの魚は口でルアーをくわえたワケじゃなく、背びれ付近に引っかかった、ぞくに言うスレ掛かりと言うものだ。
だからこそ魚が一番逃げやすい形であり、最大限に自信の力を発揮して逃げれる場所にルアーがあった。
「ヤ、ヤバイぞ相棒! こいつはかなりの大物な、マグロクラスはありそうだぞ!?」
『確かにこれはスゴイ引きです! 気をつけて、このままなら海中へ引きずり込まれますぞ!!』
思い切り海中へと逃げようとする魚を、無理やり相棒を立てて抵抗。
しかしそれでも間に合わず、リールから糸が強制的に放出が始まった。
だがこのリールは相棒の力により、糸は無限に出ていく。
そうなれば時間はかかるが、絶対に負ける気はしない。
「こうなったら俺のMP釣が尽きるのが早いか、それともデカ魚がバテるのが先か、勝負といこうじゃねぇか!!」
『そうです。主と私なら、絶対に釣り上げれますとも!』
それに「当然ッ!」と答えつつ、さらに力を込めて思い切り引く。
折れそうなほど曲がり、それでも釣り竿として優秀な相棒だからこそ、この力強い引きでも堪えられた。
そのままどれほど魚とファイトをしたかは不明だが、気がつけばかなり沖合まで糸が出ているのを感じる。
通常のリールだったら、確実に糸が切られて終了といったところか。
しかし突如、いきなり魚の動きが止まった感触が伝わり驚く。
「ッゥ!? 何だ? いきなり引きが止まったぞ?」
『ゴッド・ルアーと私な以上、糸が切れたはありえませんし、一体何が……』
二人で困惑していると、さっきまでとは違う手応えでズシリと重くなる。
「おいおい、今度は別な感じで重くなったぞ……」
『んんん。もしかしたらあまり暴れたので、死んでしまったのかも?』
「ええ!? それは嫌だなぁ。頑張って釣ったのに、ひどく負けた気分になる」
とは言えこのままでは仕方ながない。
自慢の星座の名前を冠するスゲェリールのレプリカで、一気にルアーを巻き取る。
やはりすごく重く、しかも水抵抗が半端じゃない。
「うわぁ……これはマジで、魚が死んじゃった感じだよな」
『せっかくの海釣り最初の獲物が、まさかの死んだ魚だとは……』
どれだけ沖まで出たのか知らないが、いつまでたっても中々ルアーが回収できない。
次第にお互い無言となり、ただリールを巻き取る音だけがオーシャンブルーの海に響く。
やがてしばらく巻き続けると、いよいよ魚の影が海上に見えてきた。
どうやらやはり死んでいたようで、海面を波を立てて引きずっている。
「やっぱりなぁ。ハァ~負けだ負け。この世界最初の海釣りは、大負けからスタートしたな」
『厳密に言うと勝ちではありますが、主のその気持とても分かります』
さらに引き寄せる魚の死体。
こうなりゃヤケだ。もう遠慮はいらないと、思いっきりリールを巻き取ることにする。
すると海面に浮いていた魚の死体は、突如海の中へと消え去る。
どうやら強く引いたせいで、波に飲み込まれて一時海中へと入ったようだ。
そのまま雑に一気に巻取り、白い影が海中に見えた事で一気に引っ張り上げる。それはそれはスッゴク雑に。
「はいはい。ふぃ~っしゅ……ぎゃあああああああ!?」
『あ、主どうしましぎゃああああああああああああ!?』
海面から弧を描き、ぶっこ抜いた魚の死体は、なぜか顔面蒼白で純白のローブを着た、美しい娘の土左衛門だった。
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ついに50話となりました。
ここまで来れたのは全て、あなた様のおかげです。
お気に入りや、コメントをいただき、とても感謝感謝です(´;ω;`)
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けどこれがいけなかった。予想以上の大物で、思い切り魚が走り始める。
しかもこの魚は口でルアーをくわえたワケじゃなく、背びれ付近に引っかかった、ぞくに言うスレ掛かりと言うものだ。
だからこそ魚が一番逃げやすい形であり、最大限に自信の力を発揮して逃げれる場所にルアーがあった。
「ヤ、ヤバイぞ相棒! こいつはかなりの大物な、マグロクラスはありそうだぞ!?」
『確かにこれはスゴイ引きです! 気をつけて、このままなら海中へ引きずり込まれますぞ!!』
思い切り海中へと逃げようとする魚を、無理やり相棒を立てて抵抗。
しかしそれでも間に合わず、リールから糸が強制的に放出が始まった。
だがこのリールは相棒の力により、糸は無限に出ていく。
そうなれば時間はかかるが、絶対に負ける気はしない。
「こうなったら俺のMP釣が尽きるのが早いか、それともデカ魚がバテるのが先か、勝負といこうじゃねぇか!!」
『そうです。主と私なら、絶対に釣り上げれますとも!』
それに「当然ッ!」と答えつつ、さらに力を込めて思い切り引く。
折れそうなほど曲がり、それでも釣り竿として優秀な相棒だからこそ、この力強い引きでも堪えられた。
そのままどれほど魚とファイトをしたかは不明だが、気がつけばかなり沖合まで糸が出ているのを感じる。
通常のリールだったら、確実に糸が切られて終了といったところか。
しかし突如、いきなり魚の動きが止まった感触が伝わり驚く。
「ッゥ!? 何だ? いきなり引きが止まったぞ?」
『ゴッド・ルアーと私な以上、糸が切れたはありえませんし、一体何が……』
二人で困惑していると、さっきまでとは違う手応えでズシリと重くなる。
「おいおい、今度は別な感じで重くなったぞ……」
『んんん。もしかしたらあまり暴れたので、死んでしまったのかも?』
「ええ!? それは嫌だなぁ。頑張って釣ったのに、ひどく負けた気分になる」
とは言えこのままでは仕方ながない。
自慢の星座の名前を冠するスゲェリールのレプリカで、一気にルアーを巻き取る。
やはりすごく重く、しかも水抵抗が半端じゃない。
「うわぁ……これはマジで、魚が死んじゃった感じだよな」
『せっかくの海釣り最初の獲物が、まさかの死んだ魚だとは……』
どれだけ沖まで出たのか知らないが、いつまでたっても中々ルアーが回収できない。
次第にお互い無言となり、ただリールを巻き取る音だけがオーシャンブルーの海に響く。
やがてしばらく巻き続けると、いよいよ魚の影が海上に見えてきた。
どうやらやはり死んでいたようで、海面を波を立てて引きずっている。
「やっぱりなぁ。ハァ~負けだ負け。この世界最初の海釣りは、大負けからスタートしたな」
『厳密に言うと勝ちではありますが、主のその気持とても分かります』
さらに引き寄せる魚の死体。
こうなりゃヤケだ。もう遠慮はいらないと、思いっきりリールを巻き取ることにする。
すると海面に浮いていた魚の死体は、突如海の中へと消え去る。
どうやら強く引いたせいで、波に飲み込まれて一時海中へと入ったようだ。
そのまま雑に一気に巻取り、白い影が海中に見えた事で一気に引っ張り上げる。それはそれはスッゴク雑に。
「はいはい。ふぃ~っしゅ……ぎゃあああああああ!?」
『あ、主どうしましぎゃああああああああああああ!?』
海面から弧を描き、ぶっこ抜いた魚の死体は、なぜか顔面蒼白で純白のローブを着た、美しい娘の土左衛門だった。
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ついに50話となりました。
ここまで来れたのは全て、あなた様のおかげです。
お気に入りや、コメントをいただき、とても感謝感謝です(´;ω;`)
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