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097:聖女の覚悟
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その言葉を理解しつつ、馬鹿笑いしながら俺を罵るゲス天使を尻目に、迫る堕天使を燃やし尽くす。
が、やはり焼け石に水。苦々しく思いながら相棒に問う。
「デミゴッドになった今の状態でも、あの門を壊すことは不可能か?」
『無理です。さきほどルアーが当たった時に感じましたが、あれは天界側から作られたもの。もう少し後ならいざしらず、デミゴッドになったばかりでは無理です』
「やはりそうか……なら方法は一つしかないな」
『あの堕天使共を呼び寄せる力を封じる、ですな?』
「あぁ、今の俺なら出来るはずだ!」
そう言いながら堕天使の群れの奥に潜む、ゲスダーを見つけてそこまでの道を作る。
釣り糸を螺旋状にしながら、一気に堕天使を駆逐し駆けつけた。
「ほぅ、よくぞここまで来れたものですね。そろそ――」
ゲスダーが何か言っているが、かまわずにグッタリとしているアリシアへと叫ぶ。
「アリシア! おい、アリシア!! 目を覚ましてくれ!」
それが通じたのか、ぐったりと項垂れていたが「ぅぅ……ヤマトさん……」と、やっと話しながら俺をみる。
「すぐに助けてやる! 頼むぞゴッド・ルアー!」
第一形態の黄金のルアーを投げて、ゲス天使の中からアリシアを釣り出す。そう今の俺なら余裕で出来る。
ヤツの体内へと侵入し、色々なモノに侵食されたアリシアの体を、〝スキル:真・人釣一体〟で構造を探り、理解し、それを解き放ち釣り上げる――はずだった。
「ッ、なぜ釣り上げれない!?」
『主よ、原因は一つ……アリシアです。彼女が救出を拒んでいるから、肉体が分離できないのです』
「な、なに!? どういう事だアリシア?!」
さみしげに微笑みながら、アリシアは話す。
それは一目で彼女の本心だと伝わった。
「ヤマトさん。助けようとしてくれて、ありがとうございます。ですが、私はもう……無理です」
「何を言っているんだ!?」
「もうすぐ私の体の中にある、女神の力も消え去ります。そうすればあの天の門も閉じ、この騒ぎも終わります。のこった堕天使が心残りですが……」
苦しげに泣き笑いの顔でアリシアは続ける。
「それにもし、私がこのまま生きていても、また兄上にいいように利用されて、みんなに迷惑をかけちゃう……私はこのまま居なくなったほうが、きっとヤマトさんたちも、この国の人たちも自由になれる」
一呼吸置き、アリシアは最後の思いを伝える。
「……だからヤマトさん。私ごと、ゲスダーを殺してください!!」
そうアリシアが叫ぶ。が、いままで黙って聞いていたゲスダーが、ニヤケ顔で馬鹿にしながら話す。
「黙って聞いていれば何を世迷い言を? 悪女アリシア。お前の自由など無いので――ッ、何ぃッ!? か、体が動かん?!」
アリシアがこれまでグッタリとしていたのはコレだとすぐに分かった。
勝手に自分の力を引き出されてはいたが、そのおこぼれをためていたのだろう。
今それを開放し、ゲスダーの四肢を白い槍で貫き空間へ縫い付け、一時拘束に成功した。
そしてアリシアは、こんな状況にもかかわらず嬉しそうに話す。
「十七年生きてきて、本当に毎日が辛かった。でも神釣島へ流れ着いて、生まれて初めて生きているって実感して、毎日が楽しくて、嬉しくて、楽しくて、嬉しくて……あれ? なんだろう……子供みたいな事しか言えないや……」
自分でも気が付かないうちに涙が流れたのだろう。
ほほの温かさに驚きながら、自分の感情を稚拙にあらわす。
「アリシアおまえ……」
「みんなに迷惑をかけちゃってごめんなさい。でも一つだけ本当の気持ちを言わせてください」
めいっぱい、夏の白い花が大輪を咲かせた嬉しげな表情でこう告げる。「ありがとう」と。
が、やはり焼け石に水。苦々しく思いながら相棒に問う。
「デミゴッドになった今の状態でも、あの門を壊すことは不可能か?」
『無理です。さきほどルアーが当たった時に感じましたが、あれは天界側から作られたもの。もう少し後ならいざしらず、デミゴッドになったばかりでは無理です』
「やはりそうか……なら方法は一つしかないな」
『あの堕天使共を呼び寄せる力を封じる、ですな?』
「あぁ、今の俺なら出来るはずだ!」
そう言いながら堕天使の群れの奥に潜む、ゲスダーを見つけてそこまでの道を作る。
釣り糸を螺旋状にしながら、一気に堕天使を駆逐し駆けつけた。
「ほぅ、よくぞここまで来れたものですね。そろそ――」
ゲスダーが何か言っているが、かまわずにグッタリとしているアリシアへと叫ぶ。
「アリシア! おい、アリシア!! 目を覚ましてくれ!」
それが通じたのか、ぐったりと項垂れていたが「ぅぅ……ヤマトさん……」と、やっと話しながら俺をみる。
「すぐに助けてやる! 頼むぞゴッド・ルアー!」
第一形態の黄金のルアーを投げて、ゲス天使の中からアリシアを釣り出す。そう今の俺なら余裕で出来る。
ヤツの体内へと侵入し、色々なモノに侵食されたアリシアの体を、〝スキル:真・人釣一体〟で構造を探り、理解し、それを解き放ち釣り上げる――はずだった。
「ッ、なぜ釣り上げれない!?」
『主よ、原因は一つ……アリシアです。彼女が救出を拒んでいるから、肉体が分離できないのです』
「な、なに!? どういう事だアリシア?!」
さみしげに微笑みながら、アリシアは話す。
それは一目で彼女の本心だと伝わった。
「ヤマトさん。助けようとしてくれて、ありがとうございます。ですが、私はもう……無理です」
「何を言っているんだ!?」
「もうすぐ私の体の中にある、女神の力も消え去ります。そうすればあの天の門も閉じ、この騒ぎも終わります。のこった堕天使が心残りですが……」
苦しげに泣き笑いの顔でアリシアは続ける。
「それにもし、私がこのまま生きていても、また兄上にいいように利用されて、みんなに迷惑をかけちゃう……私はこのまま居なくなったほうが、きっとヤマトさんたちも、この国の人たちも自由になれる」
一呼吸置き、アリシアは最後の思いを伝える。
「……だからヤマトさん。私ごと、ゲスダーを殺してください!!」
そうアリシアが叫ぶ。が、いままで黙って聞いていたゲスダーが、ニヤケ顔で馬鹿にしながら話す。
「黙って聞いていれば何を世迷い言を? 悪女アリシア。お前の自由など無いので――ッ、何ぃッ!? か、体が動かん?!」
アリシアがこれまでグッタリとしていたのはコレだとすぐに分かった。
勝手に自分の力を引き出されてはいたが、そのおこぼれをためていたのだろう。
今それを開放し、ゲスダーの四肢を白い槍で貫き空間へ縫い付け、一時拘束に成功した。
そしてアリシアは、こんな状況にもかかわらず嬉しそうに話す。
「十七年生きてきて、本当に毎日が辛かった。でも神釣島へ流れ着いて、生まれて初めて生きているって実感して、毎日が楽しくて、嬉しくて、楽しくて、嬉しくて……あれ? なんだろう……子供みたいな事しか言えないや……」
自分でも気が付かないうちに涙が流れたのだろう。
ほほの温かさに驚きながら、自分の感情を稚拙にあらわす。
「アリシアおまえ……」
「みんなに迷惑をかけちゃってごめんなさい。でも一つだけ本当の気持ちを言わせてください」
めいっぱい、夏の白い花が大輪を咲かせた嬉しげな表情でこう告げる。「ありがとう」と。
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