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100:ダブル・フィッシュ
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「ヤ、ヤ、ヤ、ヤ、ヤメルノデス!? 神! この神の中の神にキサマアアアア!! か、神の体に何をしたあああああ!? クソオオオ! 死ねよおおおお!!」
ゲスダーは生々しい羽をばたつかせると、抜け落ちた羽を飛ばしてくる。
真っ直ぐ脳天へと当たるコースだが、ヤツのマヌケな顔を見て微動だにしない。
せまる羽。だが、わん太郎が俺の前に氷の盾を作り出し、その全てを弾き返す。
わん太郎へ右親指を立てて「サンキュウな」と感謝をしつつ続ける。
「神神神神うるせぇよ。そんなに好きなら死神をくれてやる」
完全にアリシアを拘束している、ヤツの体にある器官や神力を吸い取るコア。
それを〝スキル:真・人釣一体〟で解析し、さらに思いっきりいじくり回してやる。
当然、まともないじり方ではないし、常に細胞が崩壊するようにしてやった。
「ギャアアアアアア!? か、体が痛いいいいいいい!!」
そして完全にアリシアとの分離に成功し、ゴッド・ルアーをアリシアの体の中へと潜らせる。
「――――――そこか? うまく隠れたようだが、プロの釣り師の俺から逃げられると思ったのが甘いねぇ」
さらに魔釣力を込めた事で、アリシアの体がビクリと脈打った瞬間、思いっきりゴッド・ロッドを引き上げ――。
「フィイイイイイイイイイッシュッ!!」
ゲスダーの体から勢いよく引き抜かれたアリシア。
その反動で、いつも〝アリシアが頭にかぶっていた布〟が舞い飛び、高速で俺の元へとやってくる、が。
「見てろよおまえら! 俺の人生最大の釣果を魅せてやる!!」
さらにアリシアの体の中に潜む、巨大で禍々しい魚へとゴッド・ルアーを喰い付かせ、ヤツを七色の釣り糸で拘束。
だが激しく抵抗するが、デミゴッドになった俺には児戯だろう。
抵抗するならもっと激しく、魔釣力を流し込み、大人しくなったところで一気に釣り上げる。
「ダブルフィイイイイイイイイイッシュッ!! 出てこいアリシアに巣食うクソ魚!!」
鈍く『グルルルルル!?』とうなり、アリシアから抜け出たのは白銀のウロコを持つ鮫。
全長は五メートルほどであり、どうやってこんなモノがアリシアの体に入ってたのかと驚く。
当然アリシアも驚いて叫ぶが、そのまま飛んで来たアリシアを釣り糸で絡め取りキャッチ。
「きゃ!? こ、この子はいったい?! って、呪いが消えているの!?」
自分から魔女の呪いが消えたと分かったのだろう。
左の顔に浮き出ていたウロコの呪いも消え去り、その感覚に驚くアリシア。
「そう、コイツはおまえの中にいたヤツさ。よぅ、白銀鮫。この娘の体は安くない。たっぷりと無断拝借した分働いてもらうぜ?」
ゴッド・ルアーに絡め取られたまま、七回空中で振り回した後に、白銀鮫を海面へと叩きつける。
と、同時に海面が大きく陥没し、海水が勢いよく吸い込まれた。
「相棒、こいつの名前はなんて言うんだ?」
『はい。〝理〟のデータ上は島を守護する者――皇魚と呼ばれています……が、読めましたぞ。ゑびすが言っていた、〝中身を入れる〟と言うのを、まさかこんな方法で皇魚の中身を入れるとは』
そう相棒が感心したと同時に、海中へと流れ込む膨大な水が止まる。
「さぁ……目覚めの時ってやつだ。全てを呑み込み、全てを押し上げ、全てを喰らい尽くせ! 目覚めろ、白銀のクジラの王――皇魚!!」
瞬間、海面が山になる。
それがますます大きくなり、朝日を海面から受けて鈍く光を放つ。
さらに大きくなったそれは、海面より顔を出したと同時に背中から海水を強烈に吐き出し、堕天使を水の刃で切り刻む。
ゲスダーは生々しい羽をばたつかせると、抜け落ちた羽を飛ばしてくる。
真っ直ぐ脳天へと当たるコースだが、ヤツのマヌケな顔を見て微動だにしない。
せまる羽。だが、わん太郎が俺の前に氷の盾を作り出し、その全てを弾き返す。
わん太郎へ右親指を立てて「サンキュウな」と感謝をしつつ続ける。
「神神神神うるせぇよ。そんなに好きなら死神をくれてやる」
完全にアリシアを拘束している、ヤツの体にある器官や神力を吸い取るコア。
それを〝スキル:真・人釣一体〟で解析し、さらに思いっきりいじくり回してやる。
当然、まともないじり方ではないし、常に細胞が崩壊するようにしてやった。
「ギャアアアアアア!? か、体が痛いいいいいいい!!」
そして完全にアリシアとの分離に成功し、ゴッド・ルアーをアリシアの体の中へと潜らせる。
「――――――そこか? うまく隠れたようだが、プロの釣り師の俺から逃げられると思ったのが甘いねぇ」
さらに魔釣力を込めた事で、アリシアの体がビクリと脈打った瞬間、思いっきりゴッド・ロッドを引き上げ――。
「フィイイイイイイイイイッシュッ!!」
ゲスダーの体から勢いよく引き抜かれたアリシア。
その反動で、いつも〝アリシアが頭にかぶっていた布〟が舞い飛び、高速で俺の元へとやってくる、が。
「見てろよおまえら! 俺の人生最大の釣果を魅せてやる!!」
さらにアリシアの体の中に潜む、巨大で禍々しい魚へとゴッド・ルアーを喰い付かせ、ヤツを七色の釣り糸で拘束。
だが激しく抵抗するが、デミゴッドになった俺には児戯だろう。
抵抗するならもっと激しく、魔釣力を流し込み、大人しくなったところで一気に釣り上げる。
「ダブルフィイイイイイイイイイッシュッ!! 出てこいアリシアに巣食うクソ魚!!」
鈍く『グルルルルル!?』とうなり、アリシアから抜け出たのは白銀のウロコを持つ鮫。
全長は五メートルほどであり、どうやってこんなモノがアリシアの体に入ってたのかと驚く。
当然アリシアも驚いて叫ぶが、そのまま飛んで来たアリシアを釣り糸で絡め取りキャッチ。
「きゃ!? こ、この子はいったい?! って、呪いが消えているの!?」
自分から魔女の呪いが消えたと分かったのだろう。
左の顔に浮き出ていたウロコの呪いも消え去り、その感覚に驚くアリシア。
「そう、コイツはおまえの中にいたヤツさ。よぅ、白銀鮫。この娘の体は安くない。たっぷりと無断拝借した分働いてもらうぜ?」
ゴッド・ルアーに絡め取られたまま、七回空中で振り回した後に、白銀鮫を海面へと叩きつける。
と、同時に海面が大きく陥没し、海水が勢いよく吸い込まれた。
「相棒、こいつの名前はなんて言うんだ?」
『はい。〝理〟のデータ上は島を守護する者――皇魚と呼ばれています……が、読めましたぞ。ゑびすが言っていた、〝中身を入れる〟と言うのを、まさかこんな方法で皇魚の中身を入れるとは』
そう相棒が感心したと同時に、海中へと流れ込む膨大な水が止まる。
「さぁ……目覚めの時ってやつだ。全てを呑み込み、全てを押し上げ、全てを喰らい尽くせ! 目覚めろ、白銀のクジラの王――皇魚!!」
瞬間、海面が山になる。
それがますます大きくなり、朝日を海面から受けて鈍く光を放つ。
さらに大きくなったそれは、海面より顔を出したと同時に背中から海水を強烈に吐き出し、堕天使を水の刃で切り刻む。
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