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第三章 力を持つと人は道を踏み外すのかな
3-9 僕はこの世界の魔王だったみたいです
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これで、復讐が全て終わった。
壊れずに残されていたスティープ邸の門に向かって歩きながら、僕は、目標も生きる意味も全てを失ってることに気づいた。
すると急に、僕はなにをしていたのだろうと、虚しくなる。
振り向き、何もなくなったスティーブ邸の廃墟を眺めると、月明かりが、この地に起きた惨状をまざまざと照らし出している。そこに肉塊となったスティープがウジ虫の様に動いている。それはまさに悪魔の所業だ。
冷静さが戻って来て、自分はなんてことしてしまったんだと、事の重大さに漸く気が付いた。
「健斗、どうしたの?」
「うん、やりすぎたかなと反省してた」
僕は少し距離があったが、火球をスティープに向けて放ち、殺してあげた。
そして、星を見上げで、『皆さん、御免なさい。どうか成仏してください』と心の中で謝罪した。
フェイを殺された怒りで、僕はおかしくなっていた。
フェイを殺した二人に復讐したことには、悔いはないが、何の罪もない近衛兵の八人を、邪魔だと殺したのはどう考えてもまちがっている。
それに、『エルデンリング』の全員が非道な奴とは限らない。ミミやフェイを弄んでいたのは、幹部等で全員ではないはずだ。それに、妻や子供がいた冒険者も沢山居たに違いない。
当初の目的通りに、スティープの罪を断罪して、法に則り、極悪クランを壊滅させるべきだった。
でも、覆水盆に返らず。もう死んだ者は生き返りはしない。僕は大罪人として恨まれて生きていくしかないのだ。
僕は、そう自分に言い聞かせて、この場を立ち去ることにした。
だが、前方の門から、次々と兵が押し寄せて来て、僕の目の前に整列していく。
騎馬兵もいて、騎馬兵九機と、歩兵八十人の百人弱の大軍だ。
一番後ろの騎馬の女騎士が隊長らしい。
四十歳位の美人の女性騎士だが、鑑定してみて驚いた。なんとレベル70。防御力、耐久力は大したことないが、攻撃力と機動力は僕に及ばないものの近いものがある。
それに、雑兵の数も問題だ。レベル30から35に過ぎないが、数が多すぎる。
次の瞬間、漸く戻って来た平常心が再び、消し飛んでしまった。
殺さないと殺されるという恐怖から、僕はまた悪魔にその精神を乗った取られていたのだ。
「私は近衛兵隊長、ナタリー・クラウス。そなたたちの横暴、目に余る。私達が成敗する故、覚悟せよ。両翼包囲に展開」
近衛兵なら、この都市の治安を守る警察の様なもの。既に復讐を果たしているので、大人しく殺されるべきなのに、全員をどう殺すかとしか、考えられないくなっていた。
そして、彼女の命令が出る前に、僕は、条件反射のように、重力魔法を発動していた。
だが、隊長の「展開」の合図とともに、散開したので、二度目の重力魔法は掛けられなくなっていた。
「全員突撃。かかれ」
半円型の包囲陣を展開したと思うと直ぐ、一斉に襲い掛かってきた。もう土津波等の魔法を詠唱する時間はない。
僕は、ダメ元で、指揮を執っているナタリーに「うお~~~っ」と吠え、『覇王の威厳』を発動した。
これによる硬直は、確率発生と書いてあったが、実力差を考慮して確率が変動する様で、フェンと女隊長には効果がなかったが、他の雑兵は八割近い確率で硬直して動けなくなった。そのまま突っ込んでくる兵はわずか十七人だけだった。
しかも馬にも効くみたいで、その隊長も、必死に馬の腹を蹴っているが、馬が暴れるだけで、僕の方へは進めない。
今のうちに殺してしまおう。
僕ら二人は、二手に分かれ、襲ってくる兵は勿論、傍にいた硬直している兵までも次々と片付けていった。
程なく、僕も、フェンもまたレベルアップ。
もう動ける兵は、隊長のみとなった。
それでも僕は首を飛ばし続ける。戦闘をやめていたフェンも、僕を真似て硬直している雑兵の首をへし折り始めた。
僕は、怯えて戦意喪失し、無抵抗となった人間の首を跳ねているのに、何も感じない。冷酷残忍な悪魔そのものだ。
「くそ。こうなったら切り札を出すしかないみたいだね」
指揮官の女騎士が馬から降りて、剣に向かって何かの詠唱を始めた。
どうやら、魔力を剣に付与して、魔剣にして戦うらしい。
「この女は僕が相手する。フェンは雑魚退治な」
残りは硬直している二十人弱なので、僕は隊長と一騎打ちすることにした。
「いざ、参る」
彼女の踏み込みはすさまじく、一瞬で間合いを詰めて、首を切りに来た。だが、僕は刀でそれを受け止めた。
いや、受け止めた筈なのに、炎の刃は、僕の刀を貫通して首を切りにきた。僕は身体をのけ反らせて、なんとか致命傷を回避したが、顔から首に掛けて広範囲に火傷を負う事になった。
刀で受けきれないのなら、交わせばいいだけの話だ。
次の剣は受けず交したが、これまた、火の剣が追尾する様に伸びてきて、今度は腕に火傷を負う。
刀だけでは勝てないと判断し、僕は、次の一撃を大きく飛び退いて回避し、距離を取って、雷撃を放った。
ドカンと、雷が彼女に直撃した。
だが、電撃耐性も強いらしい。膝をついただけで、立ち上がった。
それでも、足は痺れていて、ガクガクと震え、まともに立っていられない。
僕は今だとばかりに、切りかかる。足は動かなくとも、彼女はなんとか剣で受け止めた。
だが、僕はひとりではない。
刀を受け止めている背後から、敵を一掃しおえたフェンがハイキックを決めた。
首をへし折ることはできなかったが、彼女は脳震盪を起こし、気絶した。
僕は刀を逆手に持ち替え、彼女の喉元に突き刺そうとして、止めた。
火傷を負わせた恨みから、僕の中の悪魔が、もっと恥辱しろと囁いていたのだ。
彼女を全裸にして官能魔法で悶える姿を楽しむことにした。
そういう訳で、僕は彼女の防具を外し、服を脱がせに掛かった。
すると彼女は目を見開き、「何をする」と慌てて逃げ出した。剣も防具もなく、逃げるしか手がないのだ。
でも、フェンが行く手を阻む。横に逃げようとするが、今度は僕が回り込んで行く手を阻む。
「くっ、殺せ」
彼女は諦めて、その場に座り込んだ。その瞬間、僕の悪魔がさっと消えて行った。
クッコロという面白い言葉を聞けて満足したからかもしれない。
再び、百人もの正義の味方を、壊滅してしまった罪悪感が沸き上がって来た。
でも、ここまで来たら、彼女だけ見逃しても意味はない。
僕は大罪人なんだと、自分に言い聞かせて、彼女の首を刀で跳ねていた。
『能力レベルが20に上昇しました。スキル「鳳凰拳」を習得しました。耐性「熱耐性レベル3」が「熱耐性レベル4」に上がりました。魔法「マイティガードレベル1」を習得しました。能力レベルが20になったことにより、肉体増強進化が可能です。直ちに進化しますか?」
『一時保留』
「また上がったよ」 フェイも同時にレベルアップした。
流石にレベル70を倒すと、獲得経験値もとんでもなく入る。
僕は、両手をあわせ、頭も下げて、彼らの冥福を祈ってあげることにした。
そして、刀を鞘にしまおうして、刃毀れが酷いことに気づく。
刀がこんなになるまで僕は首を切り落とし続けてたという事だ。
「おお、終わってんじゃない。少し遅かったか。なになに、日本人名で……、ええっ、とんでもない強さだ」
露出の激しい派手な衣装をまとった六人の美少女が現れた。ビキニ姿の獣人や、透け透けドレスのエルフも交ってる。
こっちも鑑定しみたら、『プレーヤーのため、詳細な鑑定はできません』と普段とは違う鑑定結果画面が現れた。
【
分類 ヒューマン
レベル 51
名前 メグミン。
年齢 ???
性別 ???
HP: 508/508
MP: 384/384
SP: ???/100
】
『基本能力』、『スキル』、『魔法』と別のタグを開こうとしても開けなかった。
人族ではなくヒューマンってなんだ。プレーヤーとか言っていたし、まるでゲームの世界みたいじゃないか。
「おっ、フェンリルの人型だって。こりゃ楽しそうじゃん」
猫ビースト、レベル50の『メビウス一世』
「俺らだけで、勝てるのかよ」
ニューマン、レベル51の『ミチョパ001』
「アイテムフル活用すれば、なんとかなるでしょう」
ニューエルフ、レベル50の『金剛金太郎』
「ローラ、どうした。びびったのか」
ヒューマン、レベル51の『美少女戦士シオン』
「いや、ちょっと知り合いそっくりな容姿なんでね」
ニューマン、レベル52の『国生ローラ』
普通の人族は決して身に付けない服を着た美少女で男の声。名前も普通ではなく変な名前だ。
どんなゲームかは知らないが、彼らが、ゲームプレーヤであるのは間違いない。
と言う事は、女神は僕をゲーム世界に転生させたという事になる。
僕が転生した世界は、日本のゲーム世界だったのだ。だから、会話も文字も日本語だった。
それが分かっても、そんなの今の僕には関係ないことだ。
僕はこの世界でちゃんと生きているし、周りの皆も、普通に感情の起伏のある人間そのものだ。
僕は、この世界を滅ぼす魔王の設定で、彼らに滅ぼされる運命なのかもしれないが、そんな勝手な運命を素直に受け入れてなるものか。抗って、このプレーヤーたちを屠るだけだ。
だが、プレーヤーは、同じレベルでもレア装備等で、かなり強いパラメーター設定になっている筈だ。鑑定はできないが、この世界の人間の二割増しの実力と考えた方がよさそうだ。
僕は、もう一度、魔力回復を掛け、レベル15で習得した時間鈍化で自分だけ高速で動ける状態にして、最強魔法、絶対氷結の発動させることを決めた。
「フェン、こいつらとんでもなく強い筈だ。もう一度、魔法防壁。巻き込まれるなよ」
発動アクションが猛烈にはずかしいが、そんなことを言っている場合ではない。これで先制攻撃しないと、こちらが遣られる。
僕は、自分をハグする様に腕を交差させ、心の中で長い詠唱を始めた。
「何かしてくるつもりみたいだな。一気に叩くぞ」
とんでも無い速度で近づいてくるが、僕は発動の儀式を継続する。
股間に右手を手を当て、顔を上にあげ、左手をその顔に向けるようにして恍惚の笑みを浮かべ、心の中で「アブソリュートゼロ」と絶叫した。
敵は僕の目の前に来ていたが、なんとか発動が間に合い、僕以外の人間がカチンコ、コチンに塊り、そのまま地面に落ちて、ガラスが割れる様に粉々になっていった。
『プレーヤーを打倒したことになり、フレーヤーキラーの称号を得ました。これにより、プレーヤーの討伐リストに「人族篠崎健斗」の名前が掲載されます』
討伐対象リストに名前が載ってしまった。
「動くなよ。動けば、この人型フェンリルを殺すぞ」
全員を屠ったと思っていたが、魔法攻撃を自動で防ぐアイテムを持っていたらしい。
声の方を向くと、フェンが中腰の戦闘態勢で、身体を捻じり、左手で裏拳を出そうとした状態のまま固まっていた。
「健斗御免。私、全く身動きできなくて。私なんか気にしないで、こいつらを殺して」
絶対零度で凍ったのかと思ったが、やはり違うらしい。よく見ると、首に髪の毛ごと、枷が嵌められている。
硬直して動けなくする魔力が込められた魔法のアイテムを付けられたということらしい。
そして、彼女の背後に、『メグミン。』が立っていて、彼女の首に不思議な色に輝く剣を当てている。
「ふう、危ない所だった」
後ろにも別の声。振り向くと、先ほど確かに粉々になったのに、女獣人の『メビウス一世』が立ちあがってきた。
どうやら、こっちは復活のアイテムを持っていたらしい。
彼女は、ナックルを嵌めた手を顔の前に出して、小刻みに左右に動き出し、臨戦態勢をとった。
僕は、刀を捨てて、両手を上げて降参のポーズをした。
「殊勝な心掛けだな。メビ、破壊力を爆上げして、こいつを仕留めろ」
僕は今度は身体ごと後ろを向いた。
すると、女獣人は何かの薬を飲み干し、再び、臨戦態勢を取った。
一気に僕を仕留めるつもりらしいが、望むところだ。僕も素手のまま、同様に臨戦態勢をとる。
僕が刀を放棄したのは、降参するためではない。一応、油断させるために、手を挙げたが、刀はもう限界に来ているので、素手で戦うために、捨てたのだ。
それに、レベル19、20で習得した『黄龍脚』と『鳳凰拳』のスキルは、鑑定してみないと分からないが、共に格闘家用の技に思える。つまり、女神は、これからは格闘家として戦っていけと言っている。
だから、素手戦う選択を選んだ。
カチャン。背後から首枷が落ちた音がして、それを合図に二人の試合が幕をあげた。
「なんだ。何がおきた」背後から声がするが、単に、フェンを影格納しただけの話だ。
「ううっ。なんて蹴りだ」
やはり蹴りの威力が倍増している。防御していても、相手の態勢を大きく崩すことが可能だ。
そして、飛び込んで放った掌底打ちは、防御も関係なく、敵を吹っ飛ばす。
背後から切りかかって来る女にも、回転回し蹴り。見事に直撃して首が折れ、あたかも転送されるように、不可思議な残像を残して、消えていった。
「くそ。覚えていろ」 獣人の女は何かのアイテムを取り出し、それを使って、やはり同じように転送で逃げていった。
これで、脅威となる敵は誰も居なくなった。
再び、フェンを召喚すると、目に涙を浮かべ、唇を噛み締めていた。
あっという間に、身動き取れなくされ、人質にされたことがよほどくやしかったらしい。
その後、直ぐまた軍隊が僕の討伐にやって来た。今度はなんと千人近い大軍だ。
領主モリアートと名乗ったので、スティーブ邸が襲撃されたと聞きつけて、息子の敵討ちにやって来たみたいだ。
スティーブは最低の男だが、モリアート伯爵は、親馬鹿とはいえ、プリッツ市民からの信頼もある良き領主の上級貴族。
絶対に殺してはならない人物なのに、その時の僕は既に魔王。全員殺す事しか考えられなかった。
まだ魔力が回復しきっておらず、魔力不足になる恐れもあったが、僕はもう一度、絶対氷結《アブソリュートゼロ》を発動させた。
これにより、領主共々千人もの兵を一瞬で凍結さぜることができ、ドミノ斃しのように次々と凍り付いた兵士を粉砕していった。
『能力レベルが21に上昇しました。これにより保留していた肉体増強進化が無効となります。スキル「断頭脚」を習得しました。耐性「極寒耐性レベル1」を習得しました。魔法「マイティガードレベル1」が「マイティガードレベル2」に上がりました』
僕は折角の肉体進化のチャンスを逃がしてしまったが、まだ立ったままの氷像の兵士にも蹴りを入れて、粉々にして、フェイ以外の全員を粉砕した。
お蔭で、女神の声が、続けて何度も聞こえつづけ、僕は一気にレベル24までレベルアップした。
辺り一面、氷の破片となった凍り付いた世界に佇み、僕は再び正気に戻った。
ああ、正義の味方のプリッツの近衛兵団を壊滅ざせただけでなく、プリッツ領主のモリアート伯爵と彼の軍隊まで、壊滅させてしまった。
自分から仕掛けたのではなく、襲われて止む無く殺しただけではあるが、そもそもは僕が怒り狂ったのがいけない。
魔王討伐にきたプレーヤーに、大人しく倒されていればよかったと後悔した。否、今からでも遅くない。こんな罪のない人間を平然と殺しつづける魔王なんて、生きていていい筈がない。
フェイがいない世界で生きていても仕方がないので、今、ここで自殺すべきだ。
そう思ったが、やはり僕にはその勇気がない。
フェンを残して逝くわけにもいかないじゃないかと、自分に言い訳し、出来ない事を正当化していた。
僕は、強くなっても、精神は昔の儘の卑怯者の情けない男のままだ。力が強くなった分、質が悪い。
「フェン、帰ろうか」
フェンと二人で、歩いていると、街の人々は、恐怖に慄いていて、一斉に建物内に逃げ込んで、扉や窓を閉めた。
あんな大惨事を引き起こしたので当然だが、僕はもう恐怖の対象でしかない。
僕は、人と出会わない世界で、ひっそり生きていくしかないと悟り、人間とのかかわりを完全に絶って、フェイと過ごした隠れ家で二人で生きて行こうと、プリッツの街を後にした。
壊れずに残されていたスティープ邸の門に向かって歩きながら、僕は、目標も生きる意味も全てを失ってることに気づいた。
すると急に、僕はなにをしていたのだろうと、虚しくなる。
振り向き、何もなくなったスティーブ邸の廃墟を眺めると、月明かりが、この地に起きた惨状をまざまざと照らし出している。そこに肉塊となったスティープがウジ虫の様に動いている。それはまさに悪魔の所業だ。
冷静さが戻って来て、自分はなんてことしてしまったんだと、事の重大さに漸く気が付いた。
「健斗、どうしたの?」
「うん、やりすぎたかなと反省してた」
僕は少し距離があったが、火球をスティープに向けて放ち、殺してあげた。
そして、星を見上げで、『皆さん、御免なさい。どうか成仏してください』と心の中で謝罪した。
フェイを殺された怒りで、僕はおかしくなっていた。
フェイを殺した二人に復讐したことには、悔いはないが、何の罪もない近衛兵の八人を、邪魔だと殺したのはどう考えてもまちがっている。
それに、『エルデンリング』の全員が非道な奴とは限らない。ミミやフェイを弄んでいたのは、幹部等で全員ではないはずだ。それに、妻や子供がいた冒険者も沢山居たに違いない。
当初の目的通りに、スティープの罪を断罪して、法に則り、極悪クランを壊滅させるべきだった。
でも、覆水盆に返らず。もう死んだ者は生き返りはしない。僕は大罪人として恨まれて生きていくしかないのだ。
僕は、そう自分に言い聞かせて、この場を立ち去ることにした。
だが、前方の門から、次々と兵が押し寄せて来て、僕の目の前に整列していく。
騎馬兵もいて、騎馬兵九機と、歩兵八十人の百人弱の大軍だ。
一番後ろの騎馬の女騎士が隊長らしい。
四十歳位の美人の女性騎士だが、鑑定してみて驚いた。なんとレベル70。防御力、耐久力は大したことないが、攻撃力と機動力は僕に及ばないものの近いものがある。
それに、雑兵の数も問題だ。レベル30から35に過ぎないが、数が多すぎる。
次の瞬間、漸く戻って来た平常心が再び、消し飛んでしまった。
殺さないと殺されるという恐怖から、僕はまた悪魔にその精神を乗った取られていたのだ。
「私は近衛兵隊長、ナタリー・クラウス。そなたたちの横暴、目に余る。私達が成敗する故、覚悟せよ。両翼包囲に展開」
近衛兵なら、この都市の治安を守る警察の様なもの。既に復讐を果たしているので、大人しく殺されるべきなのに、全員をどう殺すかとしか、考えられないくなっていた。
そして、彼女の命令が出る前に、僕は、条件反射のように、重力魔法を発動していた。
だが、隊長の「展開」の合図とともに、散開したので、二度目の重力魔法は掛けられなくなっていた。
「全員突撃。かかれ」
半円型の包囲陣を展開したと思うと直ぐ、一斉に襲い掛かってきた。もう土津波等の魔法を詠唱する時間はない。
僕は、ダメ元で、指揮を執っているナタリーに「うお~~~っ」と吠え、『覇王の威厳』を発動した。
これによる硬直は、確率発生と書いてあったが、実力差を考慮して確率が変動する様で、フェンと女隊長には効果がなかったが、他の雑兵は八割近い確率で硬直して動けなくなった。そのまま突っ込んでくる兵はわずか十七人だけだった。
しかも馬にも効くみたいで、その隊長も、必死に馬の腹を蹴っているが、馬が暴れるだけで、僕の方へは進めない。
今のうちに殺してしまおう。
僕ら二人は、二手に分かれ、襲ってくる兵は勿論、傍にいた硬直している兵までも次々と片付けていった。
程なく、僕も、フェンもまたレベルアップ。
もう動ける兵は、隊長のみとなった。
それでも僕は首を飛ばし続ける。戦闘をやめていたフェンも、僕を真似て硬直している雑兵の首をへし折り始めた。
僕は、怯えて戦意喪失し、無抵抗となった人間の首を跳ねているのに、何も感じない。冷酷残忍な悪魔そのものだ。
「くそ。こうなったら切り札を出すしかないみたいだね」
指揮官の女騎士が馬から降りて、剣に向かって何かの詠唱を始めた。
どうやら、魔力を剣に付与して、魔剣にして戦うらしい。
「この女は僕が相手する。フェンは雑魚退治な」
残りは硬直している二十人弱なので、僕は隊長と一騎打ちすることにした。
「いざ、参る」
彼女の踏み込みはすさまじく、一瞬で間合いを詰めて、首を切りに来た。だが、僕は刀でそれを受け止めた。
いや、受け止めた筈なのに、炎の刃は、僕の刀を貫通して首を切りにきた。僕は身体をのけ反らせて、なんとか致命傷を回避したが、顔から首に掛けて広範囲に火傷を負う事になった。
刀で受けきれないのなら、交わせばいいだけの話だ。
次の剣は受けず交したが、これまた、火の剣が追尾する様に伸びてきて、今度は腕に火傷を負う。
刀だけでは勝てないと判断し、僕は、次の一撃を大きく飛び退いて回避し、距離を取って、雷撃を放った。
ドカンと、雷が彼女に直撃した。
だが、電撃耐性も強いらしい。膝をついただけで、立ち上がった。
それでも、足は痺れていて、ガクガクと震え、まともに立っていられない。
僕は今だとばかりに、切りかかる。足は動かなくとも、彼女はなんとか剣で受け止めた。
だが、僕はひとりではない。
刀を受け止めている背後から、敵を一掃しおえたフェンがハイキックを決めた。
首をへし折ることはできなかったが、彼女は脳震盪を起こし、気絶した。
僕は刀を逆手に持ち替え、彼女の喉元に突き刺そうとして、止めた。
火傷を負わせた恨みから、僕の中の悪魔が、もっと恥辱しろと囁いていたのだ。
彼女を全裸にして官能魔法で悶える姿を楽しむことにした。
そういう訳で、僕は彼女の防具を外し、服を脱がせに掛かった。
すると彼女は目を見開き、「何をする」と慌てて逃げ出した。剣も防具もなく、逃げるしか手がないのだ。
でも、フェンが行く手を阻む。横に逃げようとするが、今度は僕が回り込んで行く手を阻む。
「くっ、殺せ」
彼女は諦めて、その場に座り込んだ。その瞬間、僕の悪魔がさっと消えて行った。
クッコロという面白い言葉を聞けて満足したからかもしれない。
再び、百人もの正義の味方を、壊滅してしまった罪悪感が沸き上がって来た。
でも、ここまで来たら、彼女だけ見逃しても意味はない。
僕は大罪人なんだと、自分に言い聞かせて、彼女の首を刀で跳ねていた。
『能力レベルが20に上昇しました。スキル「鳳凰拳」を習得しました。耐性「熱耐性レベル3」が「熱耐性レベル4」に上がりました。魔法「マイティガードレベル1」を習得しました。能力レベルが20になったことにより、肉体増強進化が可能です。直ちに進化しますか?」
『一時保留』
「また上がったよ」 フェイも同時にレベルアップした。
流石にレベル70を倒すと、獲得経験値もとんでもなく入る。
僕は、両手をあわせ、頭も下げて、彼らの冥福を祈ってあげることにした。
そして、刀を鞘にしまおうして、刃毀れが酷いことに気づく。
刀がこんなになるまで僕は首を切り落とし続けてたという事だ。
「おお、終わってんじゃない。少し遅かったか。なになに、日本人名で……、ええっ、とんでもない強さだ」
露出の激しい派手な衣装をまとった六人の美少女が現れた。ビキニ姿の獣人や、透け透けドレスのエルフも交ってる。
こっちも鑑定しみたら、『プレーヤーのため、詳細な鑑定はできません』と普段とは違う鑑定結果画面が現れた。
【
分類 ヒューマン
レベル 51
名前 メグミン。
年齢 ???
性別 ???
HP: 508/508
MP: 384/384
SP: ???/100
】
『基本能力』、『スキル』、『魔法』と別のタグを開こうとしても開けなかった。
人族ではなくヒューマンってなんだ。プレーヤーとか言っていたし、まるでゲームの世界みたいじゃないか。
「おっ、フェンリルの人型だって。こりゃ楽しそうじゃん」
猫ビースト、レベル50の『メビウス一世』
「俺らだけで、勝てるのかよ」
ニューマン、レベル51の『ミチョパ001』
「アイテムフル活用すれば、なんとかなるでしょう」
ニューエルフ、レベル50の『金剛金太郎』
「ローラ、どうした。びびったのか」
ヒューマン、レベル51の『美少女戦士シオン』
「いや、ちょっと知り合いそっくりな容姿なんでね」
ニューマン、レベル52の『国生ローラ』
普通の人族は決して身に付けない服を着た美少女で男の声。名前も普通ではなく変な名前だ。
どんなゲームかは知らないが、彼らが、ゲームプレーヤであるのは間違いない。
と言う事は、女神は僕をゲーム世界に転生させたという事になる。
僕が転生した世界は、日本のゲーム世界だったのだ。だから、会話も文字も日本語だった。
それが分かっても、そんなの今の僕には関係ないことだ。
僕はこの世界でちゃんと生きているし、周りの皆も、普通に感情の起伏のある人間そのものだ。
僕は、この世界を滅ぼす魔王の設定で、彼らに滅ぼされる運命なのかもしれないが、そんな勝手な運命を素直に受け入れてなるものか。抗って、このプレーヤーたちを屠るだけだ。
だが、プレーヤーは、同じレベルでもレア装備等で、かなり強いパラメーター設定になっている筈だ。鑑定はできないが、この世界の人間の二割増しの実力と考えた方がよさそうだ。
僕は、もう一度、魔力回復を掛け、レベル15で習得した時間鈍化で自分だけ高速で動ける状態にして、最強魔法、絶対氷結の発動させることを決めた。
「フェン、こいつらとんでもなく強い筈だ。もう一度、魔法防壁。巻き込まれるなよ」
発動アクションが猛烈にはずかしいが、そんなことを言っている場合ではない。これで先制攻撃しないと、こちらが遣られる。
僕は、自分をハグする様に腕を交差させ、心の中で長い詠唱を始めた。
「何かしてくるつもりみたいだな。一気に叩くぞ」
とんでも無い速度で近づいてくるが、僕は発動の儀式を継続する。
股間に右手を手を当て、顔を上にあげ、左手をその顔に向けるようにして恍惚の笑みを浮かべ、心の中で「アブソリュートゼロ」と絶叫した。
敵は僕の目の前に来ていたが、なんとか発動が間に合い、僕以外の人間がカチンコ、コチンに塊り、そのまま地面に落ちて、ガラスが割れる様に粉々になっていった。
『プレーヤーを打倒したことになり、フレーヤーキラーの称号を得ました。これにより、プレーヤーの討伐リストに「人族篠崎健斗」の名前が掲載されます』
討伐対象リストに名前が載ってしまった。
「動くなよ。動けば、この人型フェンリルを殺すぞ」
全員を屠ったと思っていたが、魔法攻撃を自動で防ぐアイテムを持っていたらしい。
声の方を向くと、フェンが中腰の戦闘態勢で、身体を捻じり、左手で裏拳を出そうとした状態のまま固まっていた。
「健斗御免。私、全く身動きできなくて。私なんか気にしないで、こいつらを殺して」
絶対零度で凍ったのかと思ったが、やはり違うらしい。よく見ると、首に髪の毛ごと、枷が嵌められている。
硬直して動けなくする魔力が込められた魔法のアイテムを付けられたということらしい。
そして、彼女の背後に、『メグミン。』が立っていて、彼女の首に不思議な色に輝く剣を当てている。
「ふう、危ない所だった」
後ろにも別の声。振り向くと、先ほど確かに粉々になったのに、女獣人の『メビウス一世』が立ちあがってきた。
どうやら、こっちは復活のアイテムを持っていたらしい。
彼女は、ナックルを嵌めた手を顔の前に出して、小刻みに左右に動き出し、臨戦態勢をとった。
僕は、刀を捨てて、両手を上げて降参のポーズをした。
「殊勝な心掛けだな。メビ、破壊力を爆上げして、こいつを仕留めろ」
僕は今度は身体ごと後ろを向いた。
すると、女獣人は何かの薬を飲み干し、再び、臨戦態勢を取った。
一気に僕を仕留めるつもりらしいが、望むところだ。僕も素手のまま、同様に臨戦態勢をとる。
僕が刀を放棄したのは、降参するためではない。一応、油断させるために、手を挙げたが、刀はもう限界に来ているので、素手で戦うために、捨てたのだ。
それに、レベル19、20で習得した『黄龍脚』と『鳳凰拳』のスキルは、鑑定してみないと分からないが、共に格闘家用の技に思える。つまり、女神は、これからは格闘家として戦っていけと言っている。
だから、素手戦う選択を選んだ。
カチャン。背後から首枷が落ちた音がして、それを合図に二人の試合が幕をあげた。
「なんだ。何がおきた」背後から声がするが、単に、フェンを影格納しただけの話だ。
「ううっ。なんて蹴りだ」
やはり蹴りの威力が倍増している。防御していても、相手の態勢を大きく崩すことが可能だ。
そして、飛び込んで放った掌底打ちは、防御も関係なく、敵を吹っ飛ばす。
背後から切りかかって来る女にも、回転回し蹴り。見事に直撃して首が折れ、あたかも転送されるように、不可思議な残像を残して、消えていった。
「くそ。覚えていろ」 獣人の女は何かのアイテムを取り出し、それを使って、やはり同じように転送で逃げていった。
これで、脅威となる敵は誰も居なくなった。
再び、フェンを召喚すると、目に涙を浮かべ、唇を噛み締めていた。
あっという間に、身動き取れなくされ、人質にされたことがよほどくやしかったらしい。
その後、直ぐまた軍隊が僕の討伐にやって来た。今度はなんと千人近い大軍だ。
領主モリアートと名乗ったので、スティーブ邸が襲撃されたと聞きつけて、息子の敵討ちにやって来たみたいだ。
スティーブは最低の男だが、モリアート伯爵は、親馬鹿とはいえ、プリッツ市民からの信頼もある良き領主の上級貴族。
絶対に殺してはならない人物なのに、その時の僕は既に魔王。全員殺す事しか考えられなかった。
まだ魔力が回復しきっておらず、魔力不足になる恐れもあったが、僕はもう一度、絶対氷結《アブソリュートゼロ》を発動させた。
これにより、領主共々千人もの兵を一瞬で凍結さぜることができ、ドミノ斃しのように次々と凍り付いた兵士を粉砕していった。
『能力レベルが21に上昇しました。これにより保留していた肉体増強進化が無効となります。スキル「断頭脚」を習得しました。耐性「極寒耐性レベル1」を習得しました。魔法「マイティガードレベル1」が「マイティガードレベル2」に上がりました』
僕は折角の肉体進化のチャンスを逃がしてしまったが、まだ立ったままの氷像の兵士にも蹴りを入れて、粉々にして、フェイ以外の全員を粉砕した。
お蔭で、女神の声が、続けて何度も聞こえつづけ、僕は一気にレベル24までレベルアップした。
辺り一面、氷の破片となった凍り付いた世界に佇み、僕は再び正気に戻った。
ああ、正義の味方のプリッツの近衛兵団を壊滅ざせただけでなく、プリッツ領主のモリアート伯爵と彼の軍隊まで、壊滅させてしまった。
自分から仕掛けたのではなく、襲われて止む無く殺しただけではあるが、そもそもは僕が怒り狂ったのがいけない。
魔王討伐にきたプレーヤーに、大人しく倒されていればよかったと後悔した。否、今からでも遅くない。こんな罪のない人間を平然と殺しつづける魔王なんて、生きていていい筈がない。
フェイがいない世界で生きていても仕方がないので、今、ここで自殺すべきだ。
そう思ったが、やはり僕にはその勇気がない。
フェンを残して逝くわけにもいかないじゃないかと、自分に言い訳し、出来ない事を正当化していた。
僕は、強くなっても、精神は昔の儘の卑怯者の情けない男のままだ。力が強くなった分、質が悪い。
「フェン、帰ろうか」
フェンと二人で、歩いていると、街の人々は、恐怖に慄いていて、一斉に建物内に逃げ込んで、扉や窓を閉めた。
あんな大惨事を引き起こしたので当然だが、僕はもう恐怖の対象でしかない。
僕は、人と出会わない世界で、ひっそり生きていくしかないと悟り、人間とのかかわりを完全に絶って、フェイと過ごした隠れ家で二人で生きて行こうと、プリッツの街を後にした。
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