大好きだけど

根鳥 泰造

文字の大きさ
40 / 51
第三話 真っ直ぐな愛と歪んだ愛

五月闇 箪笥の奥に淫具あり

しおりを挟む
 昨日に引き続き、今晩も裕子は、精神をしっかりと保ったまま警戒している。
 このままじゃ、今日も、昴が先に寝付いてしまう。
 昨日、昴があんなことを言うから、昴が寝るまでは眠らないと、必死なのだ。
 最近、仕事が忙しく、疲れているのに寝てくれない。

 昴が寝息を立て始めると、漸く寝てくれたけど、これでは身体を乗っ取っても意味がない。
 でも、今日の私は、身体を奪って、起き出した。あんなことを裕子に言った事へのお仕置きとして、昴を甚振ると決めたから。
 私は、クローゼットを開け、押し入れダンスの一番下の段の奥に隠してある箱を取り出した。
 この中には、大人の玩具等が隠してある。
 私は、その箱から、拘束具セットを取り出して、私も全裸になった。
 布団を完全に剥いだが、彼は熟睡している。でも、パジャマの下をパンツごと脱がしていると、彼が急に動いてびっくりした。でも、寝返りを打っただけで、やはり熟睡している。
 上も脱がして、全裸にしようかとも思ったが、目を覚ましかないので、そのまま拘束具を取り付けることにした。
 手と足にマジックテープのバンドを巻き、そのフック部に連結ベルトを取り付け、ベッド脇に引っ掛ける。もう目を覚ましてもいいと、グイっと強く引っ張ったが、それでも昴は目を覚ますことなく、大の字になった。
 
 以前に、昴が言っていた安君に叔母さんがしようとした禁断なステージの再現。射精して敏感になった鬼頭に更に刺激を与えて、苦悩する表情を見るというお仕置きをする。
 裕子は不快感を覚えるとしか思っていなかったけど、私は昴に虐められた事があり、どんなに不快で、その後何が起きるかもわかっている。

 先ずは射精。昔の彼なら不可能に近い難題だけど、最近の彼なら簡単。
 私がフニャチンを暫くいじると、彼のがむくむくと大きくなった。裕子はフェラなんてしないから、まじまじと見るのは、四か月半ぶり。錯覚だと思うけど、以前よりも大きく感じる。
 右手で扱きながら、ジュポジュポとしゃぶっていると、流石に、目を覚ました。
「おまえ、何してるんだ」
「約束破った仕返し」
 そう言って、彼を上目遣いに銜えていると、更に固く大きくなった気がした。
 実際、少しだけ、大きくなっていた。血管がごつごつして、張り裂けん程に膨れている。
 私は気づかなかったけど、こんなに弩膨するようになっていた。
 でも、ビクン、ビクンと痙攣していて、あと少し。

「少し話をしないか。別に彼女には、毎晩、君と話してる事は言ってないから」
「『今日、彼女に、聞いとくよ』そういったでしょう。同じことよ」
 流石に、言い訳は利かないと思ったのか抵抗をやめたけど、なかなかにしぶとい。それどころか、刺激しているのに、血管が消え、普通の勃起状態に戻ってしまった。
「つい裕子がフェラしていると興奮してしまったが、君なら、いくら頑張っても無駄だよ」
 私のフェラチオでは興奮しないと言われてしまった。大きいのを頑張って咥えていたので、顎が既につかれていたこともある。
 裕子には悪いけど、方針変更して、本番行為で射精させることにした。

 騎乗位になって、彼のを挿入したが、それは失敗だった。
 逆に、下から突き上げられて、みるみる私の方が出来上がって悶えていた。
「もっとサービスしてあげたいのに、これじゃできない」
 その手には乗らないと、思ったけど、気持ちよすぎる。昴が私と知ってセックスしてくれているので、許し上げることにして、手のフックを外してあげた。
 それからは、攻守逆転。足のフックも彼自身で外し、私が弄ばれた。
 でも、今日は長時間フェラし続けた所為か、飛んでもなく早い。私が一度エクスタシーを迎えて、程なくして、彼が果て動かなくなってしまった。
 それでも行けたんだから、満足しなくちゃいけない。
 そう思っていたら、彼がまた激しく動き始めた。
「どうしたの」
「約束を破ったお詫び。きちんと最高のセックスにしてあげる。でも、後で訊きたいことがあるから、戻っちゃわないでね」
 ありがとうと言いたかったけど、私はただ悶える事しかできなかった。
 一度出したからかもしれないけど、二度目の昴は昔のようにタフで、久しぶりに意識朦朧で何も考えられなくなるほどのセックスを堪能できた。
 彼は、深く挿入したまま、強く抱きしめていてくれて、私だけがこんな幸せな気分を味わって良いのかなと、思ってしまったほど。
 彼が離れ、私の横で仰向けになり、私は身体を動かすのも辛かったけど、がんばって、彼に寄り添った。
「昨日、来夢と何を話したんだい」
 やはり訊きたいこととは、そのことだった。
「来夢の本当の気持ちを教えて貰っただけ。最初は、お姉さんとして、デートに連れまわして、楽しい時間を過せればそれでいいと思ってたんだって。でも、次第に、安君が好きでたまらなくなったと言ってた。でもそれは嘘。もともと大好きで、一緒になりたかったんだと思う。結婚相手にならないから、お姉さんとして接すると自分に言い聞かせたんだと思う」
「なんか、君の方が、昔の裕子みたいだ」
 彼女には思惑があって、敢えて自分を鬼にしているだけなのだけど、今はまだ内緒。
「でね、この儘では取り返しがつかなくなるからと、あの日の帰りの電車の中で、安君にアメリカに帰ることにしたからデートは今日で最後にすると言ったんだって」
「そういえば、来夢はいつまでいるつもりなんだ」
「こんなことになったから、あと暫くはいるみたい。未定かな。それで、安君が引き留めてきて、結婚前提でないと交際できないといったら、安君が結婚しようと言いだしたんだって。飛びつきたほど嬉しいのに、敢えて冷たくし、彼に抱かれて、その思い出を胸に別れることにしたんだって。安君は誤解したみたいだけど、来夢は身体をあげるっていう意味だったみたい」
「でも、そんなことしたら、逆に、安の事が忘れられなくなるんじゃないか?」
「それでいいって覚悟見たい」
「なんでそうまで、頑なに、結婚を拒否するんだろう」
「それは聞いてないけど、安君が素敵な紳士で、自分にはもったいない男と感じたんじゃないかな。歳の負い目もあるみたいだし」
「自分にはわからないな、女心は。で、君は何て言ってあげたの」
「自分で悩んで苦しんで、結論をだせばいいと言っただけ」
「それなのに、裕子は、無理やり安君と結婚させようとして嫌われた訳か」
「彼女も、分ってるんだよ。来夢の気持ち。で、きっと、最後に安君を選ぶと思ってる。でも、彼女にはもっと複雑な思惑があるんだな。これが」
「それは秘密なんだよね」
「そう。ヒントは、来夢が帰って来る前から、最終確認のついでに、役所や、弁護士さんとこに通って、いろいろと準備を進めていたって事。じゃあ、もう一度ハグして」
 きっと、感の良い昴なら、彼女の気持ちを察してくる筈。そういって、眠りにつくはずだった。

「何、やっぱりセックスしてるじゃない。最低」
「えっ、目を覚ましちゃったの」
「折角、少しは反省させようとしてたのに、これじゃ全く効果ない訳ね」
 いや、今日はちょっとした手違いで、本当に、ずっとしてなかったから。
「また、これで変態してたの?」
「いや違うんだ。誤解だ。彼女も、ずっと君を気遣っていて……」
「今日から、また、別々に寝ます。こんな最低な人だと思わなかった」
 昴、本当にごめんなさい。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

真面目な女性教師が眼鏡を掛けて誘惑してきた

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
仲良くしていた女性達が俺にだけ見せてくれた最も可愛い瞬間のほっこり実話です

処理中です...